知ってますか?遺言書は公証人役場で作る遺言書だけではないことを。
JAZZ好きの行政書士城間恒浩(@jazzyshiroma)です。
僕は沖縄県の県庁所在地である那覇市松尾で遺言相続専門の行政書士として、遺言書や遺産分割協議書の作成、相続や終活のご相談を承っております。
これまで関係した遺言書・遺産分割協議書・贈与契約書等の作成は100件以上、相続相談は300件以上となっており、相続や遺言のことでお困りの方がいることを肌で感じ「相続は準備させすれば、ご本人もご家族も幸せになれる」ことを実務を通じて実感しています。
このブログでは、おなたの知りたい相続や遺言の話を中心に書いています。
月曜日は過去6日間にブログで紹介したジャズのまとめ記事を投稿しています。
今朝はラジオ番組「ジャジーのJAZZタイム×幸せな相続相談」(FMレキオ80.6Mhz)の収録でした。
今回もご機嫌なジャズを選曲していますし、相続関係の話もさせてもらっています。
放送は明日(4/1水曜日)午後9時からです。
スマホのアプリでも聴けますよ。ダウンロードはこちらをクリックしてください。
お楽しみに!!
遺言書は遺言公正証書だけではない
遺言書を書くとなると、皆さん、公証人役場に行かなければならないと勘違いされている方も多いようです。
遺言書は公証人役場で作るものとの情報がインプットされているのでしょうか。
しかし、遺言書は公証人役場で作成するものだけではありません。
まずは、遺言書の種類を簡単に説明しておきます。
1.普通方式
(1)自筆証書遺言・・・全て自らが書いて作成する。ただし、平成31年1月13日からは財産目録については、ワープロ等で作成し、全てのページに署名捺印することで有効となるように法改正がありました。
(2)公正証書遺言・・・証人2名以上の立会いのもと、遺言者が遺言内容を口述し公証人が作成します。
(3)秘密証書遺言・・・内容を秘密にするという趣旨があります。特徴は代筆可能でワープロでもOK。遺言書は封筒に入れて封印し、公証人、証人2名立会いのもと別の封筒に封緘する。公証人や証人は遺言の中身は確認しません。
2.特別方式 ※めったにないものです
(1)隔絶地遺言・・・伝染病などで隔離されている方や船舶に乗っている方が書く遺言です。前者の場合には警察官、後者の場合には船長などと筆者、証人など立会いの下、作成されます。
(2)危急時遺言・・・病気や飛行機事故などで死が迫っているときに書く。証人3名以上の前で遺言者が口授し証人の一人が筆記し遺言書を作成し証人が署名捺印する。作成した遺言書は家庭裁判所での確認が必要です。
遺言書には大きく分けると2方式5種類あるのです。
特別方式の遺言はめったにあるものではありません。
僕も危急時遺言を一度作成したことがありますが、年間に100件ほどしかない案件です。
一般の方が遺言書を作成しようとしたら、普通方式の3種類の中から選ぶことが通常になるかと思います。
その中でも、公証人が関わる遺言公正証書は、法的な瑕疵が少ないことや遺言者が亡くなったときに裁判所での検認手続きが不要なために、選択されることが多いようです。
また、多くの専門家も遺言公正証書の作成を勧めます。
ですから、遺言書と言えば遺言公正証書が思い浮かぶ方もいるようです。
デメリットは、費用が高額になる可能性があることに加え、一般の方が公証人役場とやりとりをするに面倒だと感じる事のようです。
自筆証書遺言の法的要件
では、色々考えて、遺言公正証書ではなく、自筆証書遺言の作成を選んだ時に、気を付けるべき点について、解説します。
自筆証書遺言には絶対に欠いてはいけない4つの法的要件があります。
1.全文自書
※財産目録はワープロ等でも可(平成31年1月13日より)
2.作成年月日を確実に書く
※複数の遺言書は新しい日付が有効
3.署名
4.印鑑を捺印
もし、遺言書を作成することを決めて、自筆証書遺言を選択したとしたら、上記の4つの要件は絶対に欠かないように気を付けてください。
また、専門家にチェックしてもらうことは必須です。
法的要件を欠いていないかの確認もさることながら、遺言書の書き方で気を付けた方がいいことがあるからです。
自筆証書遺言作成の際には次のブログも参考にされてください。
自筆証書遺言の要件緩和
平成30年に民法相続分野の改正があり、その中で自筆証書遺言の要件緩和がありました。
平成31年1月13日から施行されています。
改正前は自筆証書遺言は全て自書しなくてはならなかったのですが、改正により不動産や預貯金などの財産目録はワープロ作成が可能となりました。
また、不動産の登記簿(全部事項証明)や預貯金通帳のコピーを添付することでも良くなったのです。
財産目録の作成は案外大変なものですし、誤字や脱字があるとあとあと困ったことになるかもしれないので、自筆証書遺言の作成が容易になったと言えます。
ただし、ワープロで作成した財産目録や不動産登記簿等のコピーの全てに、遺言書本文と同じく本人の署名と捺印は必要ですので、お気を付けください。
自筆証書遺言は自分で作成できますが、必ず行政書士などの専門家にチェックしてもらったほうがいいのではないかと思います。
折角の遺言書が法的要件を欠いていたら残念なことになりますからね。
法務局における自筆証書遺言保管制度
平成30年度の民法相続分野の改正と共に自筆証書遺言法務局での保管制度が新たに創設されました。
遺言書保管制度は遺言者の申し出により法務局で自筆証書遺言を電子データと原本を預かるサービスです。
法務局で預かる自筆証書遺言は相続が発生したときに検認が不要となりますが、封印されていない遺言書が対象となるので、申し出の際には封筒から出して、保管の申し出をする必要があるようです。
なお、対象となる遺言書は、民法第968条の自筆証書によってした遺言(自筆証書遺言)に係る遺言書のみで、遺言書は封のされていない法務省令で定める様式(別途定められる予定)に従って作成されたものだけです。
自筆証書遺言の保管制度は今年(令和2年)7月10日の施行予定です。
自筆証書遺言の保管制度にかかる概要は法務省のHPをご覧いただければわかりますが、手続きの詳細はまだ決まっていないようです。
手続きの詳細が決まりましたら当ブログでも案内します。
自筆証書遺言の作成が増加し、相続手続きが円満かつ円滑に進む案件が増えるのではないかと期待しております。
今回の法務局での保管制度は、自筆証書遺言の様式の確認はされるので形式的に無効となることはなくなりますが、内容についてまで確認されるわけではないので、一般の方が自分で書いた遺言書は専門家にチェックしてもらうことは必須だと思います。
せっかく書いた遺言書ですから、内容に不備がないように、かつ保管もしっかりしてくださいね。
今日のJAZZ
明日のラジオ番組でも選曲していますが、ピアニスト、ビル・エヴァンスの《NYC’s No Lark》を紹介します。
《NYC’s No Lark》はピアニストのソニー・クラークを追悼してエヴァンスが作曲したようですが、曲名はソニー・クラーク(Sonny Clark)のアナグラム(綴りの並べ替え)となっています。
ソニー・クラークは31歳で薬物の過剰摂取で亡くなりました。
同じ薬物依存症だったエヴァンスも他人ごととは思わなかったのでしょうね。
曲調は暗いですね。
相続セミナー・説明会情報
自主開催セミナー
「より良い人生を送るための終活と相続 ~幸せな相続の準備~ 説明会」
開催年月日:令和2年4月28日(火)
新型コロナウイルスの状況によっては中止する場合もあります。
開催2週間前(4/14)までには判断いたします。
詳細はこちらをクリックしてください。
【ラジオ番組パーソナリティ】
「ジャジーのJAZZタイム×幸せな相続相談」(FMレキオFM80.6MHz)
毎月第1および第3水曜日21:00~21:50放送中。
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「行政書士がラジオ番組?」と不思議に思ったらこちらをクリックすると理由が分かります。