自分の遺した財産で、家族に争ってほしくないと考えている方へ

相続を巡って、家族が争っている、裁判までしている、といったことは珍しいことではありません。
家庭裁判所で扱われている遺産分割事件は年間1万件以上を超えていますが、この数字は相続における問題・争いの氷山の一角であり、相続手続きが完了していない案件は多々あります。

円満かつ円滑な相続手続きの実現、相続問題や争いを予防するために、遺言書が有効であると考えられており、多くの方が遺言書作成に取り組まれています。
ただ、「遺言書の作成はどのようにしたらいいのか?」「どんな風に書いたらいいのか?」「どのように財産を遺したら家族(相続人)が助かるのか?」「遺言書は靴化の方式があるが、どんな特徴や違いがあるのか?」「遺言書を書く上で、必ず記載しないといけないことは何か?」「遺言執行者は指定した方がいいのか?」「付言事項とはなにか?」など、多くの疑問や心配があるようです。

このページでは遺言書の作成でお困りの方に知ってもらいたいことをまとめました。

遺言書を作成したいと考えている方へ

遺言書とは、法律的には遺言者の最終意思を法的に認めてもらえる制度です。
遺言者が亡くなった時に効力を発揮します。

遺言書は、法的要件を備えるならば法的に拘束力のあることを書くことができます。

法的な拘束力として、代表的なものは、相続人を誰にして、そのくらいの財産を遺すのかを指定することです。

それ以外にも子の認知、祭祀主催者の指定、相続人の排除、相続財産の分割の禁止、遺贈、遺言執行者の指定などについて、遺言者の意思を書き残すことが可能です。

法的な拘束力がある遺言書ですから、民法では厳格な方式と遺言事項を定めており、法的要件を欠く場合には全部または一部が無効となることがあります。

また、遺言書には法的拘束力のない「付言事項」というものを書くことができます。

これは、遺言者のご家族などへの感謝の気持ちを示したり、遺言書を書き遺した理由などを書き残す部分です。
付言事項は、任意であり、法的な拘束力もありませんが、遺言書に血が通い、説得力を増すためにも必要だと思います。

このページでは、遺言書の法的要件、方式、種類や書き方などについて解説します。

遺言とは

遺言書

TV、映画や小説などでも遺産を巡って、相続争いが繰り広げられたりする設定はよくありますし、実際に世の中でも相続争いは多いので、相続や遺言書については、耳にした方も多いことでしょう。

遺言書がないことで相続人(ご遺族)間に問題が生じたり、場合によっては争いに発展し、家族間で裁判にまで発展することがあります。
ここ10年間(平成23年度から令和2年度)を見ても、家庭裁判所に持ち込まれる遺産分割事件は年間110,000件以上あり、相続争いは珍しい事ではありません。

遺産分割事件数推移(平成23年度~令和2年度)数字は最高裁判所司法統計より

また、争いにまで発展しなくとも、相続人間で感情的なしこりが残ったり、相続手続きがスムーズに進まないなどの面倒なことも生じます。
ですから、僕は日ごろから、相続が争い(いわゆる「争族」)とならないように、予防策として「遺言書」を書くことをお勧めしてます。

遺言は、故人の財産の遺し方(遺産分割の方法、相続分の指定)などの法的拘束力のある意思表示であり、書面でしなくてはなりません。
法的拘束力がある以上、法的要件は厳格です。後述します。

遺言書を作成する過程では、自分の財産状況を把握し、推定相続人を確認し、財産をどのように遺せば「円満かつ円滑な相続」が実現できるかを考えます。
現状を認識し、将来のリスクに備えることもできるのです。

ちなみに、遺言書は遺言者の死亡の時から効力が生じますので、遺言書を作成したからと言って遺言者の財産が手を離れるわけではありませんし、自分の財産が使えなくなるわけではありません。

ただ、せっかくの遺言書の内容が著しく不公平であったり、理不尽なものであるとかえって問題を引き起こすかもしれません。
相続人の状況によっては、遺言書があったとしても、いさかいが起きることがあるかもしれません。

また、遺言書があれば絶対に問題が生じないとか、相続争いが起きないということは言い切れませんが、遺言書は完璧ではありませんが、相続争いの予防策としては強力な方法です。

遺言書があるとないとでは、相続のあり方が大きく変わってきます。
想いのこもった法的に有効な遺言書を完成させえてもらいたいと思います。

相談事例

遺言書を作成したいとの60代女性が当事務所へご相談へ来られました。
お話をお伺いしていると、父親の遺産を巡り、実の兄と裁判にまで発展する争いをしたそうです。
本件には、長男である兄のお嫁さんも絡んできて、泥沼の争いとなり、兄弟の絆はボロボロとなり、今は兄の家にあるご両親の仏前にも手を合わせることができない状況とのこと。
自分の家族にこんな思いをさせたくないと、遺言書作成のご相談がありました。

遺言書を書ける人

遺言書を書ける者は、満15歳以上で遺言能力のある者とされています。

年齢の上限はないのですが、遺言能力を備えていることが求められますので、重度の認知症では遺言能力を備えているとはいえない可能性が高い。

一方で、軽度の認知症であり、常時認知機能が劣っているケースでなければ、遺言書を作成できる可能性はあります。
この場合には医師の診断書などを取得し、公正証書遺言や相続人全員にその状況がわかるようにして遺言書を作成するのも一つの手かもしれません。

公証人役場も認知機能に疑問がある方の遺言書の作成には慎重で、事前相談の実施や医師の診断書を求めているようです。

過去の相談事例

数年前に公正証書遺言を作成した遺言者Aさんとお子さんお二人が一緒に相談に来られました。
お子さんお二人によると父親が書遺言を見直したいと言っているので、その手続きをしたいとのご相談。
お父様とお会いして、遺言書の見直しについて確認したところ、明確な意思表示がないため、この状況では遺言書の作成は難しいことお伝えし、医師の診断書を取得することをアドバイス。
その上で、お父様と公証役場で事前相談することをお勧めしました。
公証人役場も同じように医師の診断書を求め作成には至りませんでした。
公証人も遺言者の意思判断能力の判断には慎重になっているようです。
高齢者の意思判断能力低下は避けられない面もありますので、遺言書は元気なうちに、納得できるものを作成しておく必要があると思います。

遺言書でできる事

遺言書は財産分与(遺贈や相続分の指定)が主だと思われているかもしれませんが、その他にも遺言書には法的拘束力があります。
ここでは、代表的な13項目について記載します。

1.子の認知
非嫡出子の認知をすることが可能です。
遺言書で認知を行う場合には、遺言執行者の指定も必要です。

2.遺言執行者の指定
遺言を執行し、実現する者を指定することができます。
未成年者および破産者以外は誰でも遺言執行者となれます。
遺言書の確実な執行を望む場合には、行政書士などの専門家を指定するのも一つの手段です。

3.遺贈
被相続人が遺言書で無償で自分の財産を他人に与えるものです。
通常は相続人以外に財産を遺すときに使われるが、遺贈は相続人にも可能です。
包括遺贈(遺産の全部や一定割合を指定)と特定遺贈(遺産を特定して指定)があります。

4.未成年後見人・未成年後見監督人の指定
ご家族の未成年者がいて、自分の死後の面倒を見てもらいたい場合に指定できます。

5.相続人の排除
相続人として相応しくない者がいる場合に遺言で排除も可能ですが、排除の理由(被相続人への虐待、被相続人へ対する重大な侮辱行為、相続人の著しい非行)は厳格でなかなか認められないこともあります。
遺言による相続人の廃除は、遺言者が亡くなった後に遺言執行者が家庭裁判所で手続きをとることになります。

6.相続分の指定
被相続人が遺言で相続人の相続分を決めることをいいます。
ちなみに相続分とは、相続人の遺産に対する取り分の割合のことをさしまずが、配偶者(妻・夫)の相続分は3分の2とし、子供の相続分は3分の1とする、といったように指定するのが相続分の指定となります。

7.遺産分割方法の指定
被相続人が遺言で遺産分割の内容を指定していることをいいます。
例えば、遺言書で「妻には自宅の不動産(土地・建物)、長男には預貯金、二男にはゴルフ会員権を夫々相続させる。」と記載している場合、遺産分割の方法の指定があったものとなります。

8.遺産分割の禁止
被相続人は、遺言で、相続の開始の日から5年を超えない期間を定めて遺産の全部または一部について分割を禁止することが可能です。
相続人の中に未成年者がいて、当人が遺産分割協議に参加することを望んでいる場合に、その者が成年に達するまでの間は遺産分割協議を禁止することができます。

9.相続人相互の担保責任の指定
各共同相続人には、他の共同相続人に対して、売主と同じく、その相続分に応じた担保責任を負っていますが、被相続人は、遺言で担保責任の内容や範囲を変更することが可能です。

10.遺贈に関する遺留分減殺方法の指定
兄弟姉妹を除く相続人には相続人の相続する最低限の権利である遺留分が認められています。
遺言書は遺留分を侵害することはできないとされていますが、遺留分を侵害していても、相続人から遺留分減殺請求がなされなければ、遺言書は有効となります。
遺留分は相続人に認められた権利であありますが、被相続人はあえて特定の相続人に有利な遺言を残していることもありますし、相続人でない者(内縁の妻・夫)の生活を守るために遺言書を書いていることもあります。
そんな時に遺留分を侵害された相続人から遺留分減殺請求された場合に、特定の相続人や相続人以外の受遺者などを守るために、遺留分を減殺する財産の順序を遺言書で定めることができます。

11.祭祀主宰者の指定
お仏壇やお墓を守る祭祀を主宰するものを定めることが可能です。
祭祀財産(家系図、仏壇・仏具・礼拝・祭祀用具、墳墓など)は相続財産からは切り離されていますが、承継すべきものを遺言書でも指定できるのが祭祀主宰者です。
沖縄はでは風習として、仏壇やお墓を大事にしますから、重要な部分かもしれません。

12.特別受益の持戻の免除
特別受益とは、相続があった時に、被相続人が生前に相続人に対して行った生前贈与(婚姻のための贈与、養子縁組のための贈与、生計の資本としての贈与)に関し、相続分の前渡しとみなし、相続財産に加算して相続分を算定することをいいます。
遺言書では、その特別受益に考慮して相続分の指定や遺産分割の指定ができるようになっている。
特別受益を受けたものがある時には、特別受益分を差し引いた分を相続させる場合などは付言事項(法的拘束力のない部分)で記載し、特別受益があった者が不利益を受けないように、特別受益分の持戻の免除をせずに、遺言書本文(法的拘束力有)で相続分の指定や遺産分割方法の指定をそのまま実現できるようにすることが可能です。

13.配偶者居住権

配偶者居住権とは、平成30年(2018年)7月の民法相続分野の改正により創設された制度ですが、生存配偶者の居住権を保障するための規程です。
生存配偶者が被相続人の所有する建物に無償で居住していた場合に、遺言者が生存配偶者に配偶者居住権を取得させる旨を遺言(「遺贈」であるが「相続させる」旨の遺言でも可)することも可能となりました。
なお、配偶者居住権の生存配偶者へ取得させる方法として、その他に、遺産分割と死因贈与による方法もある。

遺言執行者の指定の重要性について

遺言執行者については、お客様からの質問も多いです。

「遺言執行者は必ず指定した方がいいのか?」
「誰を指定したらいいのか?」
「遺言執行者は何をするのか?」
といったご質問でした。

遺言書の作成をお手伝いさせていただく過程で、説明するのですが、せっかく書いた遺言書が確実に実現できるように遺言執行者を指定することをお勧めしています。

遺言執行者はその名の通り、遺言の内容を実現する方のことですが、遺言書の中で指定することができるのです。

遺言執行者の指定が重要であるエピソードがあります。

ダイナマイトを開発したアルフレッド・ノーベルの名を関した「ノーベル賞」がありますが、その創設について、遺言執行者の存在があったから実現されてと言われています。

そのエピソードについては、次のブログで知ることができます。

遺言書の方式と種類

大きく分けると、普通方式遺言と特別方式遺言の2つに分けられます。
また、普通方式遺言には、さらに3つの種類があり、めったに使われることはありませんが、特別方式遺言は大きく分けて2つの種類があります。
それぞれの概要は以下の通り。

1.普通方式

(1)自筆証書遺言

①法的要件1)全文自書
2)作成年月日を確実に書く
3)署名
4)印鑑(実印、銀行印、認印)を捺印
②概要全文を自書し、作成年月日を記載し、署名の上、捺印して作成する。
ただし、民法の改正により平成31年1月13日からは別添として財産目録についてはワープロ作成、通帳のコピーや不動産登記簿の添付でも認められることとなりました。
なお、別添書類には全てのページに署名・捺印が必要です。
③保管方法自分で保管する。
自宅の金庫や金融機関の貸金庫などを活用するのも一つの手ですが、遺言書を作成したことや保管場所は少なくとも1名以上の信頼できる方に知らせておくことが必要です。
2020年(令和2年)7月からは法務局での保管制度が始まっており、利用のメリットは大きいと思われます。
ただし、法務局で預かる自筆証書遺言は封印(封筒に入れていない)されていないものに限ります。
④メリット費用をかけずに、思い立ったら自分ですぐに書くことができる。
⑤デメリット死後に見つからなかったり、紛失、廃棄、改ざんされる可能性がある。
また、法的知識がない者が書いた場合に、法的要件を満たしていない可能性もある。
⑥費用書く道具があればいいので、基本的には不要。
ただし、専門家のチェックを受けるなら費用が発生する。
⑦開封・検認手続封印のある遺言書は、家庭裁判所での開封の手続きが必要で、この手続きを経ずに勝手に開封したものには5万円以下の過料が科されます。
遺言書の有効性には問題ありませんが、開封手続きは家庭裁判所で行ってください。
また、自筆証書遺言は家庭裁判所での検認手続きが必須です。
なお、法務局に保管される自筆証書遺言については、家庭裁判所での開封手続きおよび検認手続きは不要となります。

自筆証書遺言保管制度(法務局)

平成30年(2028年)の民法相続分野の改正と共に自筆証書遺言法務局での保管制度が新たに創設されました。

遺言書保管制度は遺言者の申し出により法務局で自筆証書遺言を電子データと原本を預かるサービスです。
法務局で預かる自筆証書遺言は相続が発生したときに検認が不要となりますが、封印されていない遺言書が対象となるので、申し出の際には封筒から出して、保管の申し出をする必要があるようです。

自筆証書遺言の法務局保管制度は令和2年(2020年)7月10日から施行開始されています。

法務省:自筆証書遺言保管制度に関する詳細情報

(2)公正証書遺言

①法的要件1)証人二人以上の立会い
2)遺言者が公証人に遺言内容を口授する
3)公証人が遺言者の口授内容を筆記し読み聞かせる
4)遺言者および証人が、筆記の正確なことを承認し、各自署名・捺印する
5)公証人がその証書を法的要件に乗っ取って作成したことを付記し、署名・捺印する
②概要公証人および証人がかかわり作成する遺言書のため、法的な要件は問題がないです。
ただし、公正証書遺言とは言え法的な要件は整っていても、内容は遺言者の意思ですので、その後争いにならないとの保証はありません。
③保管方法原本は公証人役場で保管され、遺言者には謄本が交付されます。
遺言者ならば謄本の取得はいつでも可能です。
また、相続人は遺言者が亡くなった時に公正証書遺言を作成していなかったかを公証人役場で検索することも可能です。
④メリット法律家である公証人が作成するので、法律上の瑕疵はない。
⑤デメリット公証人や証人に内容を知られる。
費用が掛かる。
⑥費用遺言書の枚数、遺言書で指定された相続人の人数及び目的となる財産の価額によって手数料が決められる。
財産内容によっては、高額になることもある。
⑦開封・検認手続き家庭裁判所での手続きは不要で、すぐに執行可能です。

(3)秘密証書遺言

①法的要件1)遺言書に署名し、捺印する
2)遺言者が遺言書を封筒に入れて、遺言書に捺印した同じ印で封印する
3)遺言者が公証人および証人二人以上の前で封書を提出し、自己の遺言であること及び筆者の氏名・住所を申述する
4)公証人が遺言書を別の封筒に入れて提出した日および遺言者の申述内容を封筒に記載し、遺言者、公証人と証人が署名・捺印する
②概要遺言の内容を秘密にしたいものが作成する遺言書です。
自筆証書遺言とは違い、ワープロで作成や代筆も可能です。
遺言書本文には作成年月日の記載も必要ありません。
公証人は遺言書の本文までを公証するのではなく、秘密証書遺言を作成したことを公証することとなります。
③保管方法自分で保管する。
自宅の金庫や金融機関の貸金庫などを活用するのも一つの手ですが、遺言書を作成したことや保管場所は少なくとも1名以上の信頼できる方に知らせておくことが必要です。
④メリットワープロで作成できるので、何度でも推敲が容易です。
また、字が書けない方や字を書くのが困難な方は他者に代筆してもらうことも可能です。
⑤デメリット自筆証書遺言と同様に法的要件を欠いてしまう可能性があるので、専門家のチェックは必要でしょう。
また、公証人の手数料がかかります。
⑥費用公証人の手数料が一律で11,000円必要です。
⑦開封・検認手続秘密証書遺言書は、家庭裁判所での開封の手続きが必要で、この手続きを経ずに勝手に開封したものには5万円以下の過料が科されます。
遺言書の有効性には問題ありませんが、開封手続きは家庭裁判所で行ってください。
また、秘密証書遺言は家庭裁判所での検認手続きが必須です。

相談事例

これまで多数のご高齢者の方が遺言書を作成したいとご相談に来られましたが、自分で書くのは自信がなく、公証人と相対して作成するのも怖いので、当事務所で秘密証書遺言を代筆作成してほしいとのご依頼が増加しています。
秘密証書遺言は代筆可能で、ワープロでの作成も可能なので、当事務所で遺言者のご意向を確認し、原案を作成し、遺言者には署名・捺印と封緘をしていただき、公証人役場で公証ししてもいます。
遺言者の負担も少なく、専門家がかかわるので、安心です。

2.特別方式

当事務所でも、死亡危急時遺言を2件のみ対応しただけですが、特別方式の選択肢しかないのであれば、お手伝いさせていただきます。
めったにある者ではありませんので、概要だけ記します。

(1)危急時遺言

病気、飛行機事故や船舶遭難などで死が差し迫った状況の時に作成する遺言書です。
次の2種類があります。

①死亡危急時遺言
②難船時遺言

(2)隔絶地遺言

伝染病による交通遮断、在船中による陸地との交通遮断、戦闘・暴動・災害などにより交通遮断や刑務所に収監されていて、公証人の関与を受けられない者作成する遺言書です。
次の2種類があります。

①伝染病隔離時遺言
②在船時遺言

相続セミナー資料「遺言書の方式について」

遺言書の付言事項

遺言書の付言事項

遺言書の本文には先にあげた概ね13項目にについては法的拘束力があります。
一方で、法的拘束力はないものの重要なのが付言事項です。

付言事項とは、遺言書を書いた理由、その内容とした理由、家族への想いや感謝の気持ちなどを記す部分です。
付言事項があることで、遺言書に血が通い相続人(家族)に遺言者の想いが伝わることでしょう。

遺言書は家族にあてる最後の手紙であり、自分の死後に見つかるものですので、生前に面と向かって言えなかった感謝の気持ちを伝えるのもよろしいのではないでしょうか。
ただし、あまり長文の付言事項や本文と矛盾するような内容になると不都合も出てきますので、短めで想いを込めた付言事項を書いて下しさい。

遺言書作成の流れと完成までの時間

僕の専門は終活・相続・遺言書ですが、相続の手続きや遺言書の完成までには少しばかり時間がかかります。

特に遺言書の作成では、相続が問題がおきないように、ひいては争いにならないように、遺言者のご意見と最適な内容にするために何度かお打ち合わせをさせて頂きますので、どうしても時間がかかります。

また、遺言書の作成前に税理士に相続税のシミュレーションをしたり、土地家屋調査士に分筆や未登記建物の登記をしてもらったりすることもありますから、ケースによっては遺言書の完成までに、半年近くかかることもあります。

もちろん、緊急性のある案件は、とにかく遺言書を完成させることを優先させることはありますけどね。

本日は、僕が受任して遺言書作成の支援をする場合の流れを説明します。

1.遺言書作成の流れと完成までの時間

当方が遺言書作成支援の業務を受任してから、完成までの目安です。
当方はスケジュールは厳密に遵守しますが、遺言者の皆様の熟考期間もあるかと思いますので、期間は長くなることも、短くなることもあるでしょう。

(1)基礎情報・資料の収集、遺言内容聴取・確認の上、遺言書原案を作成
目安としては、3週間から4週間で、2~3回程度の面談を行います。
お客様は基礎情報や資料の収集に時間を要することもありますが、当方でお手伝いできることもあります。
(2)遺言者に遺言書原案をご確認いただき最終原案を作成
目安としては、遺言書最終原案作成までに受任から3週間から4週間程度となります。
(3)遺言書の最終原案の作成後、遺言書の種類を選択し、完成させる
遺言書の種類にもよりますが、目安としては、受任から1か月半から4か月程度となります。
公証人役場の関与する遺言書については、時間を要します。
また、地域の公証人役場によって、状況は違うかと思いますが、那覇公証センター(那覇市)には2名、沖縄公証人役場(沖縄市)には1名の公証人が在籍されています。
(当方の受任から遺言書完成までの目安期間)
①自筆証書遺言:約1か月半 
※法務局に保管する場合にはさらに時間を要します
②公正証書遺言:約4か月 
※公証人役場との事前の打ち合わせや予約に時間を要します
③秘密証書遺言:約2か月 
※公証人役場の予約に時間を要します

2.基礎情報・資料の収集

かなり多くの情報や資料が必要となりますが、当方でお手伝いできることもあります。
例えば、遺言者や推定相続人の戸籍謄本等の収集、不動産の固定資産評価証明書や登記簿などの収集などが可能です。

(1)遺言者及び推定相続人情報
①遺言者:出生から現在までの戸籍謄本、改製原戸籍及び除籍謄本など
②推定相続人や受遺者など:戸籍謄本・抄本など

(2)財産情報(必要に応じて財産目録作成)
①不動産:
(ア)固定資産評価証明書(又は固定資産納税通知書)
(イ)不動産登記簿(又は登記情報)
②預貯金債権:通帳またはキャッシュカードなど(必要に応じ最新の残高)
③有価証券・株式:証券会社口座情報、銘柄情報、オーナ企業の場合は会社登記簿など
④自動車:車検証
⑤美術品・骨董品・宝石・趣味嗜好品:鑑定書など
⑥ゴルフ会員権:会員証など
⑦債権・債務:貸付金、住宅ローン、借入金など
⑧個人事業主:事業用資産(商品含)、権利関係(店舗賃借権含)、買掛金や売掛金など
⑨その他:太陽光発電設備、家電品、家具、衣類、生活用品など
※遺言者が被保険者となっている死亡保険金などは受取人の指定があれば固有の権利であり相続財産とはならない

(3)遺言者が80歳以上、認知症、入院又は施設に入所中は「医師の診断書」(原則)

(4)遺言書の種類(公正証書遺言又は秘密証書遺言)の場合には「印鑑登録証明書」

遺言書の作成には少しばかり時間を要します。
また、気力や体力の充実が求まられることもあります。
僕が、遺言書は、お元気なうちにお早めに作成することをお勧めするのはそんなこともあるからです。

ただ、安心してください。
終活・相続・遺言書専門の行政書士である僕が、貴方の想いを実現する遺言書の完成を強力にサポートします。

遺言書を作成したら専門家のチェックは必須

せっかく書いた遺言書が無効になるともったいないですよね。
しっかりと上の要件をチェックしてくださいね。
もし自信がないようでしたら、自筆証書遺言や秘密証書遺言を書いたら専門家のチェックを受けるのも一つの手だと思います。

当事務所でも遺言書のチェックサービスを行っております。

遺言書の作成の際には、お近くの行政書士にご相談ください。

行政書士ジャジー城間恒浩。とあるイベントの相談会での一枚。

遺言書の相談事例

【遺言書 相談事例】孫のために遺言書を作成したおばぁの流した涙。

遺言書は、単に法的に有効な文書を作るだけだと考えていると、その意義を見失ってしまいます。
遺言書はあなたの想いを家族に伝える最後の大事なお手紙です。相続セミナーに参加し、遺言書を完成させた方のお話しです。

【遺言書 相談事例】実家の両親のトートーメーに手も合わせることが出来なくなった男性は家族のために遺言書を作成した。

「相続争いは家族の絆を分断する」
過去にあった相談の事例を記載します。親の相続を巡って、兄弟姉妹で家庭裁判所で調停・審判にまで発展した方が、家族に同じ思いをさせたくないとの思いから遺言書を作成した事例ですが、似たような事は多いのではないかともいます。

相続の基礎知識

相続

相続、法定相続人、法定相続割合及び相続手続きについて知りたいという方