【ノーベル賞創設秘話】ノーベルの意思を実現した陰の立役者遺言執行者の存在。

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JAZZ好きの行政書士城間恒浩(@jazzyshiroma)です。
僕は沖縄県那覇市松尾で遺言相続専門の行政書士として、遺言書や遺産分割協議書の作成、相続や終活のご相談を承っております。
これまで関係した遺言書・遺産分割協議書・贈与契約書等の作成は200件以上、相続相談は400件以上となっており、相続や遺言のことでお困りの方がいることを日々感じ、「相続は準備させすれば、ご本人もご家族も幸せになれる」ことを実務を通じて確信しています。
このブログでは、実務を通じて感じる相続や遺言の話を中心に書いています。
また、たまに相続や遺言以外の好きなジャズのこと、日常や僕の想い・考えも書いていますよ。
本ブログが少しでもお役に立ちましたら嬉しいです。行政書士ジャジー総合法務事務所 バナー広告 20210804

アルフレッド・ノーベルの遺言

世界的な賞として、「ノーベル賞」がありますね。

ノーベル賞(ノーベルしょう)は、ダイナマイトの発明者として知られるアルフレッド・ノーベルの遺言に従って1901年から始まった世界的な賞である。物理学、化学、生理学・医学、文学、平和および経済学の「5分野+1分野」で顕著な功績を残した人物に贈られる。
経済学賞だけはノーベルの遺言にはなく、スウェーデン国立銀行の設立300周年祝賀の一環として、ノーベルの死後70年後にあたる1968年に設立されたものであり、ノーベル財団は「ノーベル賞ではない」としている。
(ウィキペディアより)

日本からは1949年に物理学賞を受賞した湯川秀樹さんを始め、直近では2019年化学賞の吉野彰さんなど、受賞時に日本国籍を有していた方は25名、その他日本にゆかりのある方は6名いるようです。

日本人では、物理学賞の受賞者が一番多いようです。

僕が注目したいのは、ノーベル賞が1896年に亡くなったアルフレッド・ノーベルの遺言に従って創設されたということです。

ノーベルはダイナマイトなどの爆薬で、財を築きましたが、発明が爆薬や兵器に使われたことから「死の商人」と揶揄されていました。
ノーベルは自分の死後にそのような評価だけが残ることを危惧し、多くの財産を平和的で、世界に良い影響を与えることを開発した人々をたたえるためのノーベル賞の創設を考えたそうです。

ノーベル賞の初めての授与式は、ノーベルの死後1901年に行われて、今に続きます。

ただ、ノーベルが遺言で、そのような賞の創設を記していたことは、ほとんどの関係者も知らず、創設は難しいと考えられたようです。

しかし、アルフレッド・ノーベルの意思を実現するために尽力した者がいました。

ノーベルの遺言の執行者

ノーベルの遺言書は3通、作成されていたようですが、3通目で前2通を撤回する旨が記され、3通目が有効となったようです。

遺言書は最新の日付のものが有効になります。
前の遺言書の全てを撤回することもできますし、前の遺言書と抵触する部分は後の遺言書が有効となります。

アルフレッド・ノーベルの遺言の一部には、次のように記載があったそうです。

「私のすべての換金可能な財は、次の方法で処理されなくてはならない。私の遺言執行者が安全な有価証券に投資し継続される基金を設立し、その毎年の利子について、前年に人類のために最大たる貢献をした人々に分配されるものとする。」
(ウィキペディアより)

「基金「ノーベル財団」を設立し、人類のために最大たる貢献をした人に分配する(ノーベル賞の賞金を与える)」、とありますね。

そして、僕が注目してもらいたいのは、「私の遺言執行者が」という部分です。

遺言執行者とは、遺言の内容を実現する者のことを言います。

ノーベルが遺言執行者に指定したのは、ノーベルの助手であった当時26歳のラグナル・ソールマンを指定したそうです。

ノーベルの遺言は、世間を騒がせ、惑わせました。
実現は難しいだろうとの向きが強かったそうですが、ソールマンはノーベルの意思を実現すべく、遺族、学術団体や関係者を粘り強く説得し、ノーベル財団の設立ノーベル賞の創設を実現するのです。

ノーベルの助手で技術者であったソールマンは遺言執行者として、ノーベルの熱き想いを熱い想いをもって実現し、その重責を果たしたのです。

遺言においては、遺言執行者の役割も重要なのです。

ノーベル賞は、遺言執行者であるラグナル・ソールマンがいなければ、存在しなかったといっても過言ではありません。

ノーベル賞の設立の経緯については、こちらを参照してください。

遺言書を書くなら遺言執行者の指定は必須

遺言執行者については、お客様からの質問も多いです。

「遺言執行者は必ず指定した方がいいのか?」
「誰を指定したらいいのか?」
「遺言執行者は何をするのか?」
といったご質問でした。

遺言書の作成をお手伝いさせていただく過程で、説明するのですが、せっかく書いた遺言書が確実に実現できるように遺言執行者を指定することをお勧めしています。

遺言執行者はその名の通り、遺言の内容を実現する方のことですが、遺言書の中で指定することができるのです。

過去に遺言書作成のお手伝いをして、遺言執行者として相続手続きを何件かさせて頂いております。

手前みそではありますが、遺言執行者に僕が指定されていたのは良かったのではないかと思います。
というのも遺言執行手続きには高度な知識と時間が必要だからです。

相続手続きは案外大変です。
不動産の所有権移転登記、金融機関の預貯金口座の解約払戻や株式の名義変更など。
確認しなければならないことが多々あります。

また、作業するのにかなりの時間を取られますから、一般の方が仕事をしながらするのは大変でしょうし、こういった事務仕事に慣れていないとストレスがたまり、手続きも遅々として進まないかと思います。

さらに、人が亡くなれば相続手続き以外のことも大変です。
法事、役所での手続きや遺品整理など。

できれば任せられる人がいるといいのではないかと思います。
ですから、遺言書を作成するときには、出来たら専門家を遺言執行者していするとよろしいかと思います。

ちなみに、遺言執行者には民法で次のように権利義務が定められています。

(遺言執行者の権利義務)
民法第1012条 遺言執行者は、遺言の内容を実現するため、相続財産の管理その他遺言の執行に必要な一切の行為をする権利義務を有する。
2 遺言執行者がある場合には、遺贈の履行は、遺言執行者のみが行うことができる。
3 (略)

とても重大な役割があるということですね。
遺言を執行をするための権利が認められており、義務が課されているのです。

なお、遺言執行者が指定されていない遺言書の執行の場合には、相続人全員の協力が必要となり、万が一協力が得られなければ、遺言書が実現できない可能性があります。

そうなると、遺言者の想いが果たせなくなりますね。

民法相続分野 相続法改正 参考図書など

2018年(平成30年)の民法の改正で、相続分野の大改正がありましたが、遺言執行者の権限が明確になり、責任も多きなっているように感じます。

そして、何より遺言者は遺言執行者に自分の書いた遺言書を実現してくれる思いを込めて、遺言書で指定しているのです。
遺言執行者がその権利義務が課されるのは遺言者が亡くなった後です。
遺言者の想いのこもった、遺言書を実現するために、確実かつ迅速に業務遂行するのです。

ですから遺言執行のお手続きが終わるとホッとします。
その責任の重さを分かっているからです。

遺言書をご自身で作成する際には、必ず遺言執行者を指定してくださいね。
信頼できる人や事務能力のある人を指定することをお勧めしますが、周りにそう言った方がいない場合には、行政書士などの専門家に相談してみてくださいね。

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遺言書を作成するなら遺言執行者の指定は必須

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参考図書「改訂 実務解説 遺言執行」(NPO法人遺言・相続リーガルネットワーク編著:日本加除出版)

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城間 恒浩

代表者行政書士ジャジー総合法務事務所
沖縄県那覇市松尾の遺言・相続関係専門のJAZZ好きの行政書士。 2010年に父親と祖母を同じ年に亡くし2度の相続を経験。 その時に感じたのが「気軽に相続や遺言に関する相談先があったらいいのになぁ」ということ。 そんなことから、身近な街の法律家、遺言・相続専門の行政書士として、自分の経験や学んだ知識で相続でお困りの方のご相談にのっています。 行政書士は遺産分割協議書や遺言書作成などの相続関係のお手伝いもできるのです。 1971年9月生。国際協力関係の仕事に約11年間、社会保険労務士の事務所で約10年勤務後、2015年10月より現職。 エクスマ塾67期。エクスマ・エヴァンジェリスト15期。エクスマ学院1期。 JAZZが大好き。好きな場所は、沖縄とニューヨーク。 2016年9月よりラジオ番組パーソナリティーとしても活躍中。お気軽に「ジャジー」と声をかけてください!

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