【相談事例】孫のために遺言書を作成したおばぁの流した涙。
遺言書を作成したおばぁの想いとは?
遺言書は、単に法的に有効な文書を作るだけだと考えていると、その意義を見失ってしまいます。遺言書はあなたの想いを家族に伝える最後の大事なお手紙です。
相続セミナーに参加し、遺言書を完成させた方のお話しです。
家族のために何かしてあげられないかねぇ~
沖縄本島中部在住の70歳代後半のキンジョウさん(仮名)は、夫を5年前に亡くし、一人暮らしですが、近所に住む子や孫達が頻繁に来てくれるので、楽しく過ごしています。ただ、いつも考えていることがありました。「気遣ってくれる子や孫達に何かしてあげられないかねぇ。」
自分の不動産を孫に譲るにはどうしたらいいの?
ある日、孫の一人(20歳代後半・女性・既婚)が「おばぁ、家を建てようと思うけど、この近くには良い条件の土地がないから、遠くに住むことになるかもよ。」といいますが、キンジョウさんは、思いつきます。「私の持っている土地が空いているから、それを使ってくれたらいいのにね。でも、孫に土地を譲るにはどうしたらいいのかね?」と孫と一緒に考えますが答えが出ません。
プロの話を聞くのが近道!
そんな時、キンジョウさんは、家族が持ってきた相続セミナーのチラシを見て、孫と一緒に参加し、「この先生だったら、いい方法を教えてくれるんじゃないのかね。」と相談に来られたのです。
キンジョウさんは、孫に土地を譲る方法がいくつかあることがわかりました。ただ、売買や生前贈与だと多額の費用や税金が必要なことがわかり、遺言書を作成することにしました。そのことを知らずに実行していたら、孫のマイホーム建設に計画が狂っていたかもしれません。事前にプロの話を聞いたことで、より良い方法が見つかったのです。
遺言書作成にプロの支援が必要な理由。
キンジョウさんには、孫の一人に譲る土地以外にも財産を所有し、子供が数人いて、財産の遺し方によっては、相続人に不公平となる可能性があり、各相続人の遺留分などにも配慮した遺言書を作成する必要がありました。
セミナー講師が作成した遺言書原案を見て、自書は難しいと考えたキンジョウさんは、ワープロによる作成や代筆も可能な秘密証書遺言を選択します。長文を書くことに自信のない方にお勧めの遺言書です。遺言書には、いくつかの種類があり、各人にあった遺言書のご提案も大事なことです。
遺言書が完成し涙する
キンジョウさんは、公証人役場で公証人と証人2名の前で、持参した遺言書はセミナー講師が代筆し、自分の意思で作成したことを伝え、所定の様式に署名・捺印して完成させました。しばらくして、キンジョウさんはうつむき目頭を押さえ涙します。「自分に遺言書を作成することが出来るのだろうか?」と不安を感じていたそうで、安堵と喜びから自然と涙が出てきたそうです。そのことを聞いたお孫さんは、「おばぁの想いに応えるためにジョートー家を建てます!」と力強く話されていました。
想いを形にして笑顔になる
キンジョウさんは、子や孫のために遺言書を完成させたことをとても喜んでいました。自分が元気なうちは、孫に譲る土地は無償で使わせて、亡き後に譲る準備も整い、孫のマイホームの建築も始まりました。「近くに孫の新しい家が出来るのが楽しみさ~」と笑顔で話すキンジョウさん。お役に立てた充実感に浸るセミナー講師でした。