【相談事例】15年以上解決できなかった相続手続きがスッキリ完了!
相続手続きは放置していると収拾困難になる
以前にご相談のあった案件で、個人が特定されないように脚色を加えて紹介しますが、趣旨は変わりません。
「15年以上前に亡くなった親の名義となっている不動産(土地)を売りたいけど、そのまま売れるだろうか?」
といった内容です。
☑相続人は15人、相続財産は不動産が多数
詳しくお話を聞いたところ、自宅の土地や沖縄特有の遺産である公用地・軍用地等が多数あり、相続人は代襲相続(親の亡くなる前に子が亡くなり孫が相続するなど)やその後相続人の1名が亡くなり数次相続が発生している案件で、相続人は15名です。
相続人の内の一人は外国に嫁いでいるそうです。
これは相続手続きでも難解な状況です。
相続人が多いのと外国に住んでいる方もいるからです。
また、遺産である土地は、そのまま土地を相続したいものとお金に換えて相続したいものとで意見が分かれていますが、みなが相続割合に応じて相続することには同意しています。
☑相続手続きの流れ
ただ、どんな手続きをしたらいいのかわからないということでした。
冒頭の質問に回答するとすれば「亡くなった方の名義のままでは売れませんから、相続手続きをする必要があります」ということになります。
相続人の意向とゴールを見据えて、僕が相続人ご提案し、実行した内容は、以下の通りです。
1.相続人の確定(戸籍謄本などの収集)と法定相続情報の作成(行政書士)
2.遺産の確定固定資産評価証明書の取得と登記簿の取得(行政書士)
3.遺産(不動産)の評価(税理士)
4.遺産分割の案を検討
5.遺産分割の案に基づく相続税の試算(税理士)
※相続税は基礎控除が大きい時期だったので非課税
6.遺産分割の案に基づく公用地・軍用地の分筆登記(土地家屋調査士)
7.遺産分割協議書の作成(行政書士)及び相続人全員の署名捺印
※米国在住の相続人は一時帰国するタイミングで公証人役場にて署名捺印
8.遺産分割協議に基づく相続登記(司法書士)
9.公用地・軍用地の換価分割(宅地建物取引士)
10.公用地・軍用地を換価分割した相続人の譲渡所得税の申告・納付(税理士)
上記の通り、かなりの工程を踏んで、相続手続きが完了したのです。
また、行政書士の僕一人では、対応できない業務のはんちゅもあり、司法書士、土地家屋調査士、税理士と宅地建物取引士にもかかわってもらいました。
一般の方が、これを自力で行うのは、かなり難しいことだと思います。
出来たとしても、おそらくかなりの年月が必要になるかもしれないですね。
☑相続手続きを専門家にお願いするメリット
やはり専門家に相談することが一番なのですが、士業であれば誰でもいいわけではありません。
と言うのも相続手続きは案によっては、他士業との連携も必要なので、入口から出口まで相談に乗ってくれる相手を見つけることが肝心です。
提携する専門士業がいるのも僕の強みだと思っています。
本件は、相続人の皆様に最初にお会いしてから、遺産分割協議書に相続人全員が署名捺印するまでに約1年半ほどかかりました。
しかし、相続人の皆さんからは「15年以上解決できなかった案件をすっきり対処出来て良かった。城間先生のお陰です。」との最大限の感謝のお言葉を頂けました。
ただし、今回したような事例が解決するのはまれです。
相続人の皆様が同じ方法を向いて、自分だけの都合だけを前面に出さずに、欲深くならなかったことが解決できたポイントだったと思います。
そして、皆さんが思い描くゴールをコーディネートし、手続きのお手伝いを僕のチームができたということです。
☑相続手続きは放置しない
この事例は、解決できましたが、決して、相続手続きは放置しないでください。
解決にかなりの時間、労力とお金がかかることもありますし、最悪は解決できなくなるケースもあります。
未完結の相続手続きが、土地所有者不明問題、空き地・空き家問題にもつながっているのですから、社会問題になっているわけです。
相続人がどんどん増えていけば、皆さんの意見を集約することはかなり困難です。
ですから相続手続きは早めに着手し、処理してください。
また、遺言書があれば相続手続きを円満かつ円滑に進めるることが可能ですから、財産を遺す方も準備をされてくださいね。