知ってますか?秘密証書遺言の特徴。そしてメリットとデメリット。


JAZZ好きの行政書士城間恒浩(@jazzyshiroma)です。
僕は沖縄県那覇市松尾で遺言相続専門の行政書士として、遺言書や遺産分割協議書の作成、相続や終活のご相談を承っております。
これまで関係した遺言書・遺産分割協議書・贈与契約書等の作成は200件以上、相続相談は400件以上となっており、相続や遺言のことでお困りの方がいることを日々感じ、「相続は準備させすれば、ご本人もご家族も幸せになれる」ことを実務を通じて確信しています。
このブログでは、実務を通じて感じる相続や遺言の話を中心に書いています。
また、たまに相続や遺言以外の好きなジャズのこと、日常や僕の想い・考えも書いていますよ。
本ブログが少しでもお役に立ちましたら嬉しいです。行政書士ジャジー総合法務事務所 バナー広告 20210804

オンライン・セミナー「円満かつ円滑な相続を実現する遺言書 ~幸せな相続の準備~」

開催日時:令和4年9月28日(火) AM10:00~11:20(80分)
開催方法:オンライン(Zoom)
定員:30名
参加費:2,000円(税込)

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遺言書の種類概要

遺言書にはいくつかの種類があります。

大きく分けると普通方式と特別方式の2種類です。
細かく分けると以下の通りです。

1.普通方式
(1)自筆証書遺言・・・全て自らが書いて作成する。作成年月日、署名、印が必須。2019年(平成31年)1月13日からは財産目録はワープロ等での作成が可能となってます。
(2)公正証書遺言・・・公証証人2名以上が立ち会い、遺言者が公証人に遺言の主旨を口授し、公証人が作成する。
(3)秘密証書遺言・・・内容を秘密にするという趣旨があります。特徴は代筆可能でワープロでもOK。公証人、証人2名以上の立会いのもと封緘。公証人及び証人は遺言の内容を知ることはなく、公証人は遺言者が秘密証書遺言を作成したことだけを認証してくれます。

良く知られている遺言書は、普通方式の自筆証書遺言ではないでしょうか。
ドラマや映画などで、自分で全文を書いて、作成年月日を記載し、署名と捺印をして作成している場面などが出てきたりしますね。

公正証書遺言は公証人役場で、証人2名以上の前で公証人に遺言内容を口述して作成するものです。

秘密証書遺言の特徴は、遺言の内容を秘密にしたい場合に活用できますが、一方で、作成の際にワープロの使用も可能で、また第三者に代筆してもらうことも可能です。

2.特別方式
(1)隔絶地遺言・・・伝染病などで隔離している方が書く。
(2)危急時遺言・・・病気や飛行機事故などで死が迫っているときに書く。証人3名以上の前で遺言者が口授し証人の一人が筆記し遺言書を作成し証人が署名捺印する。作成した遺言書は家庭裁判所で「確認の審判」を受ける必要がある。

特別方式の遺言はめったに作成されることはないのではないでしょうか。
僕も過去6年間で、危急時遺言の作成に筆者・証人として、2件だけしか携わったことがありません。

代筆もワープロ作成もOKの「秘密証書遺言」とは

今日は、普通方式の秘密証書遺言について、少しばかり解説します。

秘密証書遺言の特徴

特徴としては、既述したように遺言者以外の者が遺言者の遺言内容を代筆できることと、ワープロでも作成できるということです。
また、作成年月日の記載も不要です。

その根拠としては、秘密証書遺言の要件を定めた民法第970条にあります。

(秘密証書遺言)
第970条 秘密証書によって遺言をするには、次に掲げる方式に従わなければならない。
一 遺言者が、その証書に署名し、印を押すこと。
二 遺言者が、その証書を封じ、証書に用いた印章をもってこれに封印すること。
三 遺言者が、公証人一人及び証人二人以上の前に封書を提出して、自己の遺言書である旨並びにその筆者の氏名及び住所を申述すること。
四 公証人が、その証書を提出した日付及び遺言者の申述を封紙に記載した後、遺言者及び証人とともにこれに署名し、印を押すこと。
2 第968九百六十八条第三項の規定は、秘密証書による遺言について準用する。

代筆可能

まず、代筆が可能なことについてですが、上記の条文の第1項第1号に「遺言者が、その証書に署名し、印を押すこと。」とありますが、遺言書の本文にあたり証書について、自書しなければならないとは記載されはいません。

つまり、遺言者の遺言内容を誰かが代筆してくれた書面に、遺言者が署名・捺印することでいいのです。

ワープロ作成可能

また、ワープロ作成が可能なことについても、条文には証書が自書でなければならないことも定められておりません。

作成年月日の記載不要

さらに、作成年月日についても、記載しなければならないとは定められていません。
秘密証書遺言は、上記条文の第1項第4号に「公証人が、その証書を提出した日付及び遺言者の申述を封紙に記載した後、遺言者及び証人とともにこれに署名し、印を押すこと。」と定められているので、作成年月日はこれで特定されるわけです。

公証人の関り

なお、公証人は公証する際には、遺言者が封入されていますので、遺言の内容は確認できません。

ちなみに、公証人役場における秘密証書遺言の作成に係る手数料は11,000円の定額です。
相続財産の価額や相続人などの人数によって変わる公正証書遺言とは違う手数料設定で、安価です。

作成時の注意点

秘密証書遺言は、代筆もできて、ワープロ作成もできるということで、ご高齢のご両親の遺言書をお子さんが代筆することも可能なわけです。

しかし、気を付けてほしいのは、相続人が複数いる場合に、一人のお子さんが親御さんの遺言書を代筆したり、ワープロ作成して作成すると、後々、問題も起きるかもしれません。

というのも、その代筆したお子さんに有利な遺言内容だとすると、他の相続人はどう思うでしょうか?
遺言に不満を感じる相続人がいたとしたら、代筆した者が遺言者をだまして、または強要して署名・捺印させたと言い出すこともあるかもしれません。
事実はそうでなくとも、そんな疑惑を持たれないとも言えないわけです。

ですから、秘密証書遺言で、代筆やワープロ作成をお願いするなら、遺言者が専門家(遺言書専門の行政書士など)に依頼することが、望ましいと思います。
なお、専門家に代筆やワープロ作成をお願いしない場合でも、法的要件を満たしているのか、遺言内容の記載方法は適当であるのか、などの確認は専門家に任せるべきです。

僕も、ご高齢の方からの秘密証書遺言の作成をご依頼されて、これまで約20件代筆(ワープロ作成)しております。

保管方法

最後に、秘密証書遺言の保管方法ですが、遺言者本人(またはご家族)が保管することになります。
秘密証書遺言は、公証人役場では保管されませんし、自筆証書遺言のような法務局での保管制度もありませんので、作成したら大事に保管する必要があります。

また、遺言者が亡くなったら、秘密証書遺言は、家庭裁判所で開封・検認の手続きを経なければ、執行はできませんので、お気を付けください。

秘密証書遺言のメリット・デメリットまとめ

メリット:代筆可、ワープロ作成可、公証人手数料が定額(11,000円)で安価、作成しなおしやすい
デメリット:自分で保管しなければならず紛失、廃棄や改ざんなどのリスク有、相続開始後に家庭裁判所での開封・検認が必要

自筆証書遺言書との法的要件比較

ちなみに、秘密証書遺言の特徴は、自筆証書遺言の要件と比べるとわかり易いかもしれないですね。

(自筆証書遺言)
第968条 自筆証書によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならない。
2 前項の規定にかかわらず、自筆証書にこれと一体のものとして相続財産(第997条第1項に規定する場合における同項に規定する権利を含む。)の全部又は一部の目録を添付する場合には、その目録については、自書することを要しない。この場合において、遺言者は、その目録の毎葉(自書によらない記載がその両面にある場合にあっては、その両面)に署名し、印を押さなければならない。
3 自筆証書(前項の目録を含む。)中の加除その他の変更は、遺言者が、その場所を指示し、これを変更した旨を付記して特にこれに署名し、かつ、その変更の場所に印を押さなければ、その効力を生じない。

自筆証書遺言は、第1項で、「自筆証書によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならない。」と定めていますので、遺言者の自書や作成年月日の記載が要件となっています。
つまり、代筆やワープロ作成はできないということですね。

普通方式 遺言書の比較

普通方式遺言書の比較。

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秘密証書遺言の特徴を知り活用する
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今日のJAZZ

ヘレン・メリルとトランぺッター、クリフォード・ブラウンの共演した《You’d Be So Nice To Come Home To》をB.G.M.にブログを書いてます。
メリルの「ニューヨークのため息」と称されたハスキー・ボイスは多くの人をとりこにしたそうです。
ほんとぞくぞくする歌声ですね。
2017年、88歳の時に引退するまで、往年の歌声を維持していたようです。
70年を超える音楽活動。凄いですね。
You’d Be So Nice To Come Home To》は、クリフォード・ブラウンとの共演作としても話題となり、超ロングセラーを記録しているようです。
2人の織り成す演奏に酔いますね。

相続セミナー・説明会情報

自主開催相続セミナー

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開催日時:令和4年9月28日(火) AM10:00~11:20(80分)
開催場所:オンライン(Zoom)
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城間 恒浩

代表者行政書士ジャジー総合法務事務所
沖縄県那覇市松尾の遺言・相続関係専門のJAZZ好きの行政書士。 2010年に父親と祖母を同じ年に亡くし2度の相続を経験。 その時に感じたのが「気軽に相続や遺言に関する相談先があったらいいのになぁ」ということ。 そんなことから、身近な街の法律家、遺言・相続専門の行政書士として、自分の経験や学んだ知識で相続でお困りの方のご相談にのっています。 行政書士は遺産分割協議書や遺言書作成などの相続関係のお手伝いもできるのです。 1971年9月生。国際協力関係の仕事に約11年間、社会保険労務士の事務所で約10年勤務後、2015年10月より現職。 エクスマ塾67期。エクスマ・エヴァンジェリスト15期。エクスマ学院1期。 JAZZが大好き。好きな場所は、沖縄とニューヨーク。 2016年9月よりラジオ番組パーソナリティーとしても活躍中。お気軽に「ジャジー」と声をかけてください!

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