遺言書における「相続させる」と「遺贈する」の違い。
JAZZ好きの行政書士城間恒浩です。
僕は沖縄県の県庁所在地である那覇市松尾で遺言相続専門の行政書士として、遺言書や遺産分割協議書の作成のお手伝いをさせていただき、相続や終活のご相談を承っております。
これまで関係した遺言書・遺産分割協議書・贈与契約書等の作成は100件以上、相続相談は300件以上となっており、相続や遺言のことでお困りの方がいることを肌で感じ「相続は準備させすれば、ご本人もご家族も幸せになれる」ことを実務を通じて実感しています。
このブログでは、相続や遺言の話を中心に、僕の経験や学んだことに僕なりの考えを加えてご紹介させてもらったりしています。
「相続させる」と「遺贈する」の使い分け
ご自身で、家族が困らないように遺言書を書こうと決めて、取り急ぎ迅速に仕上げられる自筆証書遺言を選択したとします。
その時に少しだけ気を付けてもらいたいことがあります。
一般の方が遺言書を書く時に財産を遺す方法を表現する言葉として「あげる」、「遺す」、「渡す」、「譲る」、「寄付する」、「進呈する」などがあると思います。
ただ、遺言書を書く際にはできれば、明確に書いたほうがいいと思います。
遺言で財産分与の方法を指定する際の言葉の使い方なのですが、原則として「相続させる」と「遺贈する」の二つに限定して使い分けてほしいのです。
追加するにしても「寄付する」くらいで、3つの表現です。
なぜかと言うと、相続が開始して遺言の執行をする際に、遺言書の書き方によっては面倒な手続きが起こる可能性があるからです。
特に不動産の相続に伴う所有権移転登記の手続きが煩雑になる可能性があります。
以下に相続させると遺贈するについて、簡単に解説します。
1.「相続させる」※財産を遺す人が推定相続人
財産を遺す人が推定相続人(今、自分が亡くなったら相続人になるであろう人)であるのなら「相続させる」と記します。
例えば、夫婦と子供2名(長男・長女)のご家族で、夫Aが遺言書を書く場合、推定相続人は妻、長男Bと長女の3名です。
夫Aが長男に不動産を遺したいと考えたら「遺言者Aは、不動産(甲)を長男B(生年月日)に相続させる」と記載するのです。
2.「遺贈する」※財産を遺す人が推定相続人以外
財産を遺す人が推定相続人以外であるのなら「遺贈する」と記します。
例えば、お子さんのいないご夫婦で、夫Aが遺言書を書く場合に、夫Aの父母は亡くなり、推定相続人となる兄弟姉妹がいるが、世話になっている妻の妹B(夫Aの相続人にはならない)に財産を遺したいと考えたとします。
その場合に、夫Aは遺言書に「遺言者Aは、不動産(甲)を妻の妹B(生年月日)に遺贈する」と記載するのです。
また、最近では自分の財産の一部を死後に役立ててもらいたいと考え、遺言書で自治体、NPO、慈善団体などに「寄付する」と明記することもありますが、この場合には「遺贈」と同じ扱いになります。
遺言書を作成する際には、推定相続人なのか、それ以外なのかを区別して遺言書を書くといいのではないかと思います。
ちなみに、僕ら専門家は遺言書を書いた時点では、推定相続人ではなかった者に「遺贈する」と記載していたが、相続が開始し遺言書に効力が出た時には、その者が相続人となっているケース(孫の代襲相続、第三順位の兄弟姉妹など)もあるので、その場合に備えた書き方などもアドバイスしています。
いずれにせよ、一般の方が自分で書いた遺言書は、何かしら加筆修正があるといいことが多いので、専門家にチェックしてもらうことは必要だと思います。
今日のJAZZ
短命のジャズメンも多い中、古くから長く活躍するジャズメンもいます。
サックス奏者ウェイン・ショーターもその一人。
2018年にも最新作をブルー・ノートから発表しているようです。
今はどうしているか分かりませんが、昨年観た映画「ブルー・ノート ジャズを超えて」にもピアニストのハービー・ハンコックと二人で想い出を語り合うような形で、出演していました。
帝王と呼ばれたマイルス・デイヴィスの黄金のクインテットのメンバーとしても活躍し、マイルスはウェインの演奏技術もさることながら作曲能力を認めていたようです。
今日はウェインの作曲した《Black Nile》を紹介します。
相続セミナー・説明会情報
自主開催セミナー
「より良い人生を送るための終活と相続 ~幸せな相続の準備~ 説明会」
開催年月日:令和2年3月26日(木)
※新型コロナウイルスの感染対策に応じ中止とする場合があります。
詳細はこちらをクリックしてください。
【ラジオ番組パーソナリティ】
「ジャジーのJAZZタイム×幸せな相続相談」(FMレキオFM80.6MHz)
毎月第1および第3水曜日21:00~21:50放送中。
詳細はこちらをクリックしてください。