殺害された可能性のある資産家が遺した遺言書は「全額を自治体に寄付」さて、どうなる?

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JAZZ好きの行政書士城間恒浩(@jazzyshiroma)です。
僕は沖縄県那覇市松尾で遺言相続専門の行政書士として、遺言書や遺産分割協議書の作成、相続や終活のご相談を承っております。
これまで関係した遺言書・遺産分割協議書・贈与契約書等の作成は100件以上、相続相談は300件以上となっており、相続や遺言のことでお困りの方がいることを肌で感じ「相続は準備させすれば、ご本人もご家族も幸せになれる」ことを実務を通じて実感しています。
このブログでは、実務を通じて感じる相続や遺言の話を中心に書いています。
また、たまに相続や遺言以外のことを書いています。

行政書士ジャジー総合法務事務所

紀州のドン・ファン殺害事件

3年前の事件が大きく動きましたね。
紀州のドン・ファンと呼ばれた資産家の男性が当時の50歳近く年下の妻に覚せい剤を口から過剰に摂取されて殺害された容疑がかけられているとのことです。

事件の真相はこれから解明されることとなるでしょうが、様々な憶測をよんでいた事件ですから関心を集めていますね。

僕は、資産家の男性が、遺産全額について、亡くなった当時に住所を有した自治体に寄付(遺贈)するとの遺言書を残していたそうです。
ただ、報道の内容などを総合すると遺言は執行されていないようですね。
さらに、親族は遺言書の無効確認の訴訟を起こしているようです。

逮捕された当時、妻(相続人)であった女性が相続についてどのようにしたいと考えていたかはわかりませんが、第三順位の相続人である兄弟姉妹以外には相続する最低限の権利である「遺留分」が認められており、自治体に全額を寄付するとの遺言書があっても相続人は遺留分について、遺留分侵害額請求をすることで取り戻すことが可能です。

ただし、遺留分侵害額請求ができる場合でも全ては取り戻すことはできません。
遺留分は、相続人に配偶者及び第一順位の相続人(直系卑属:子や孫など)が含まれる場合には遺産総額の2分の1、相続人が第二順位の直系尊属(父母又は祖父母)のみの場合には遺産総額の3分の1に対して、法定相続分だけを取り戻すことができるのです。

しかし、逮捕された当時、妻(相続人)であった女性が相続についてどのようにしたいと考えていたかはわかりませんが、今回の逮捕で夫(被相続人)を殺害した容疑が立証され有罪判決が出ると妻は相続人となることができません。
民法第891条に「相続人の欠格事由」が定められており、被相続人(および先・同順位の相続人)を故意に殺害または殺害しようとしたものは相続人となることができないと、定められているからです。

なんにしても、時間がかかる案件でしょうね。
これから起訴されれば、裁判となっても妻は殺害を否認しているので、多くの時間がかかることでしょう。

僕は相続に係る事件として注目しています。

遺贈寄付が増加している

ところで、遺言書で相続人でない人に自分の財産を遺すことができるのか?といった疑問もあったかもしれません。

自分の財産を相続人以外に遺したいと考えたら遺言書で実現することも可能なのです。

昨今は、相続人以外に財産を遺したい場合に遺言書に書き示す「遺贈」が増加しています。
相続人になりえない人、法人や団体に財産を遺したい場合には、贈与、死因贈与や遺言がありますが、遺言で書き示す方が増えているのです。

例えば、自分の晩年の生活を支えてくれて、介護も積極的にしてくれた長男の妻は相続人にはなりえませんが、感謝の気持ちを込めて、遺言で遺贈することも可能です。

また、自分の財産を家族だけでなく、社会にも還元し有効活用したいと考えて、社会貢献できる事業に用途を限定して自治体、NPO、NGOや慈善団体に寄付つまり遺贈することも増えているようです。

琉球新報 遺贈寄付関心高まり 20190330

琉球新報 遺贈寄付関心高まり 20190330

実際に、僕もお客様からご相談を受け相続人以外に遺贈したいとのことで、遺言書の作成をお手伝いしたこともあります。

また、NGO、NPOや慈善団体もそういった遺贈を増やしてもらい自分たちの社会貢献活動や慈善活動に役立てたいと考え、遺贈寄付を積極的に呼びかけています。

実際にネットで「遺贈寄付」と検索すると、沢山の団体の広告が出てきます。
とある団体の資金に占める遺贈寄付が約20%になっているとの情報もありました。

遺贈寄付アドバイザー研修テキストなど

遺贈寄付アドバイザー研修テキストなど

遺贈寄付したい時に気を付けること

ただ、遺贈寄付をするときには少し気を付けてくださいね。
相続人が納得しないこともあります。
相続人のうち、配偶者(夫・妻)、直系卑属(子・孫など)と直系尊属(父母・祖父母など)には相続人が相続する最低限の権利を定めた遺留分がありますので、相続人の遺留分を侵害していると相続人と受遺者(遺贈を受ける人)がトラブルに発展する可能性があります。

実際に数年前にタレントのやしきたかじんさんが自治体や母校に遺贈寄付するとのことで、ご遺族とのトラブルを避けたい受遺者(遺贈を受ける人)は、遺贈を拒否したとの報道もあったようです。

また、遺贈寄付を確実に行うためには、遺言書に遺贈寄付する先を明確に示すか、遺贈寄付先を選定してもらう人を決めておくことも大事です。
そして、遺贈寄付を確実に実現するために、遺言内容を実現するための「遺言執行者」を定めるのは必須です。

遺贈寄付もあなたの想いの一つだと思いますので、遺言書をしっかり書いてくださいね。

遺贈寄付 最後のお金の活かし方(星野哲 幻冬舎)

遺贈寄付 最後のお金の活かし方(星野哲 幻冬舎)

今日のJAZZ

ギタリスト、ケニー・バレルのアルバム『Generation』をB.G.M.にブログを書いています。
ピアノレスで、バレルのギターにエレクトリック・ギターが3人とドラムの編制です。
面白い編制ですが、楽しく聴けます。軽快な演奏ですね。

相続セミナー・説明会情報

自主開催セミナー

わかりやすい終活、相続と遺言書のはなし ~幸せな相続の準備~ 説明会

開催日時:令和3年5月28日(金) 午前10時から11時20分
開催場所:沖縄県教職員共済会館「八汐荘」(那覇市松尾1-6-1)

新型コロナウイルス感染拡大予防のため完全予約制となっております。
また、感染拡大防止のため中止することもありますので、ご承知おきください。

詳細はこちらをクリック

ラジオ番組パーソナリティ

「ジャジーのJAZZタイム×幸せな相続相談」(FMレキオFM80.6MHz)
毎月第1および第3水曜日21:00~21:50放送中。
スマホのアプリでも聴けます。ダウンロードはこちらをクリックしてください。
「行政書士がラジオ番組?」と不思議に思ったらこちらをクリックすると理由が分かります。

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城間 恒浩

代表者行政書士ジャジー総合法務事務所
沖縄県那覇市松尾の遺言・相続関係専門のJAZZ好きの行政書士。 2010年に父親と祖母を同じ年に亡くし2度の相続を経験。 その時に感じたのが「気軽に相続や遺言に関する相談先があったらいいのになぁ」ということ。 そんなことから、身近な街の法律家、遺言・相続専門の行政書士として、自分の経験や学んだ知識で相続でお困りの方のご相談にのっています。 行政書士は遺産分割協議書や遺言書作成などの相続関係のお手伝いもできるのです。 1971年9月生。国際協力関係の仕事に約11年間、社会保険労務士の事務所で約10年勤務後、2015年10月より現職。 エクスマ塾67期。エクスマ・エヴァンジェリスト15期。エクスマ学院1期。 JAZZが大好き。好きな場所は、沖縄とニューヨーク。 2016年9月よりラジオ番組パーソナリティーとしても活躍中。お気軽に「ジャジー」と声をかけてください!

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