なんでもそうですが、遺産分割協議書にも安易に署名捺印しないことです。

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JAZZ好きの行政書士城間恒浩(@jazzyshiroma)です。 僕は沖縄県那覇市松尾で遺言相続専門の行政書士として、遺言書や遺産分割協議書の作成、相続や終活のご相談を承っております。
これまで関係した遺言書・遺産分割協議書・贈与契約書等の作成は100件以上、相続相談は300件以上となっており、相続や遺言のことでお困りの方がいることを肌で感じ「相続は準備させすれば、ご本人もご家族も幸せになれる」ことを実務を通じて実感しています。
このブログでは、実務を通じて感じる相続や遺言の話を中心に書いています。
また、たまに相続や遺言以外のことを書いています。

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遺産分割協議書への署名捺印はくれぐれも慎重

僕の所にご相談が多いのが「いつの間にか亡くなった親の不動産の名義が、相続人の一人に変わっていたけど許されるのか?」といった話があります。

通常、不動産の相続登記には「登記原因証明情報」の添付が必要で、遺言書や遺産分割協議書がこれにあたります。
ですから、相続における不動産の手続きでは、多くの場合には遺言書があったか相続人全員での遺産分割協議がなされたといったケースだと思われるます。
法定相続分や家庭裁判所での調停・審判に伴う相続登記というのもありますが、大部分が遺言書があるか、遺産分割協議書を作成しているケースではないかと思います。

遺産分割協議書(不動産のみ) サンプル

遺産分割協議書(不動産のみ) サンプル

 

そして、冒頭で紹介した「いつの間にか相続人の一人が、独占して不動産を相続登記をしていた」と言うケースでは、疑問が出てきます。

例えば、遺言書があったのであれば、相続人の一人が不動産を相続する可能性は高いでしょう。
不動産を共有状態にするのは好ましくないので、相続人のうち一人に相続させる旨の遺言書を被相続人が遺すことは十分に考えられます。
しかし、遺言書があった場合には、たいていの場合には遺言執行者が指定されており、遺言の内容を相続人に伝えることになっていますから、他の相続人が知らないうちに1人の相続人が不動産を独占していた、ということは考えにくいかもしれません。
ただし、遺言執行者が手続きを怠っていたり、遺言執行者が指定されておらずに相続することなった相続人が単独で手続きを進められる状況にあれば話は別です。

また、遺言書が無く、相続人全員で遺産分割の方法を話し合う遺産分割協議がされる場合には、相続人が知らなかったというのは考えられないでしょう。
ただし、相続人の一人が遺産分割協議をしないまま、または他の相続人に大きな誤解を与えるような方法で、または相続人をだまして、またはほかの相続人を脅迫して遺産分割協議書を作成し、何らかの形で相続人全員の署名捺印と印鑑登録証明書を得ていると言ったことは考えられます。

このようなケースだと他の相続人が知らないうちに相続人の一人が遺産を独り占めしているということもあるかもしれませんし、違法な手続きがされている可能性もあります。

一方で、詐欺や脅迫ではないにしろ、その場の雰囲気で話し合いに合意し、遺産分割協議書に署名・捺印したり、そのこと自体を忘れていたりすることもあるかもしれません。

そんな方から、遺産分割協議に合意した覚えはないのだけど「なぜか不動産が相続人の一人になっているけど、どうして?」と質問されて、色々話を聞いていると「何かに署名と捺印をしたかもしれない」とおっしゃる方もいらっしゃいます。
その何かが、遺産分割協議書だったりするんですね。

もちろん、脅迫、詐欺や大きな誤解(錯誤)があったとすれば、遺産分割協議自体が無効になる可能性があるかと思いますが、一応の理解を示し、手続きに必要だから、その場の雰囲気で署名捺印した遺産分割協議書を無効であると主張できるかは、争ってみないと分からないですね。
裁判所がどんな判断を下すでしょうか。

いずれにせよ、遺産分割協議書はちゃんと納得してから署名捺印してください。
少しでも納得できないところがあれば、十分に確認し、うやむやにしないことです。

そして僕は成人に達した者が、捺印・署名することは責任が重いと思っています。
法律は難しい、話が難しい、よくわからないと考えて、署名捺印することは何においても重大な問題を引き起こすことがあります。

自分にも大きな責任があることを自覚して、署名捺印してください。
巧妙にだましたりするものに対抗するのは十分な説明を求め、慎重になることです。
脅迫してきたりする者もいるかもしれませんが、屈することのないように専門家に相談してください。

遺産分割協議書も同じです。
納得できないなら署名捺印しないことです。
あとで、どんな言い訳をしても撤回できないことも多いのです。

僕も争いになる事案は弁護士を紹介し、対処してもらうようにしています。

遺産分割協議書が数枚にわたるときには製本テープなどで製本して契印も必要になります

遺産分割協議書が数枚にわたるときには製本テープなどで製本して契印も必要になります

 

今日のJAZZ

事務所でベーシスト、ポール・チェンバースの《I Heard That》を聴きながらブログを書いてます。
トランぺッター、フレディ・ハバードの長いソロがいいですね。
他のメンバーはトランぺッター、マイルス・デイヴィスが不朽のアルバム『Kind of Blue』を収録した時のメンバー(キャノンボール・アダレイ、ウィントン・ケリー、ジミー・コブ)がそろっていて、素晴らしいアンサンブルを繰り広げています。

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城間 恒浩

代表者行政書士ジャジー総合法務事務所
沖縄県那覇市松尾の遺言・相続関係専門のJAZZ好きの行政書士。 2010年に父親と祖母を同じ年に亡くし2度の相続を経験。 その時に感じたのが「気軽に相続や遺言に関する相談先があったらいいのになぁ」ということ。 そんなことから、身近な街の法律家、遺言・相続専門の行政書士として、自分の経験や学んだ知識で相続でお困りの方のご相談にのっています。 行政書士は遺産分割協議書や遺言書作成などの相続関係のお手伝いもできるのです。 1971年9月生。国際協力関係の仕事に約11年間、社会保険労務士の事務所で約10年勤務後、2015年10月より現職。 エクスマ塾67期。エクスマ・エヴァンジェリスト15期。エクスマ学院1期。 JAZZが大好き。好きな場所は、沖縄とニューヨーク。 2016年9月よりラジオ番組パーソナリティーとしても活躍中。お気軽に「ジャジー」と声をかけてください!

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