知ってますか?沖縄特有の相続事情とその対策。
午前中は12月のセミナーの準備、ニュースレター「ジャジー通信」(第22号)の原稿作成や年賀状の作成・印刷手配などを事務所でしています。
年賀状を作成していると年末も近づいていて、新しい年を迎えるのだなという実感がわいてきます。
来年は「子年」。
干支の一番最初に戻りますね。
来年が良い1年になるように、今年もしっかり、すっきり終わるようにしていきたいと思います。
沖縄県那覇市の遺言・相続専門JAZZ好きの行政書士ジャジーこと城間恒浩です!
沖縄特有の相続事情とは
僕が毎月開催している相続セミナーでは、これまでご相談を受けた事例やご依頼いただいた案件をもとにお話をさせていただいています。
ちなみに、毎月の相続セミナーの情報はブログでご案内しています。
来月は23日(月)に開催予定です。
相続セミナーのスケジュールは次のサイトでご確認いただけます。
本題に戻ります。
相続における問題や争いの原因は、突き詰めていくと大体絞られてくるように思います。
お金の絡む相続は、仲が良かった家族でも相続財産やお金を目の前にすると考え方が変わり、権利主張する者も出てきたりします。
また、人は様々な事情でお金が必要です。
そんな時に相続でまとまった財産が入ってくることがわかれば、一生懸命に自分の権利を主張する人も出てくるでしょうし、当事者だけではなく相続人の配偶者や子供などの第三者が口出ししてくることもあります。
また、相続にはその土地の特有の事情もあるのではないかと思います。
僕もこの3年半程で200件以上の相続に関するご相談を受ける中で、沖縄特有の事情が問題や争いを引き起こしているのではないかと思っています。
そこで、僕の考える沖縄の特有の相続事情と解決策をまとめてみました。
実際は、ケースバイケースでの対応が必要ですから、こう単純にはいかないかもしれないですけどね。
1.祭祀主宰者(トートーメー、お墓)
沖縄では先祖崇拝の習慣が強く残っています。
お墓や仏壇を守る人は誰なのか、ということはその家ではとても重要なことなのです。
ただ、昨今では核家族化、家の事情、家族が県外または海外に散らばるなどして、正統な祭祀主宰者がお墓やお仏壇を承継することができない状況にあります。
お墓や仏壇を引き継ぐ人が全ての財産を引き継ぐような風習もあったなかで、そういったこともできなくなり、祭祀主宰者やそのほかの財産の相続を巡って話合いがまとまらなかったり争いになったりしていることも事実です。
沖縄のお墓も無縁墓が増えていたり、長い事誰も訪れていないようなお墓も多いのは、祭祀主宰者の問題とも無関係ではないでしょう。
これまでの祭祀の在り方にこだわっていると、かえってしっかりとご供養できないかもしれません。
現実に合ったご供養の方法を家族・親戚が話し合う必要があるのではないかと思います。
2.問題先送り(てーげー、なんくるないさ)
相続問題は案外面倒なものです。
手続きも話合いも、気の重いものです。
沖縄の人は面倒なものやストレスのかかることから逃避する傾向にあるように思います。
僕は決して、それが悪い事ではないとは思っています。
嫌なことを真正面から受けて精神的に参るよりも、うまく避けたほうがいいから。
しかし、相続においては当事者が避けてばかりいると、次の世代の負債となる可能性もあります。
子や孫たちに面倒をかけないように自分たちの代で解決を図ってほしいものです。
僕は、沖縄の「なんくるないさい」という言葉は「人事を尽くして天命を待つ」の意味が近いと思っています。
だとすれば、しっかり相続の準備をした上で、相続するべきだろうと思います。
ただ、一般の方が相続問題を解決する手立てを考えるのには限界がるかもしれません。
そんな時には僕ら行政書士などの専門家に相談してほしいのです。
そのために僕らがいるのですから。
困っている皆さんの解決策を一緒に考えられると思います。
3.子供・兄弟・親戚が多い
子供、兄弟や親戚が多いというのは、家族や親戚同士で助け合えることや賑やかで楽しい家族形成ができることからとてもいい事だと僕は個人的には思います。
しかし、相続においては、個々人の様々な事情が色濃く反映されます。
人数が多くなればなるほど、様々な事情が絡み合ってきます。
ですから、子供が多い、兄弟が多いなどの推定相続人が多い場合には、しっかり相続の準備をするほうが好ましいのです。
現在、僕がご相談を承っている案件では、相続人が13名ですが、なかなか話し合いが進みません。
過去にご相談を承った案件で、一番多かった相続人の数は67名です。
こうなると話し合いは不可能に近く司法の手にゆだねるしか解決策もありません。
相続人に相続が始まる数次相続もあり、どんどん話し合うべき人が増えていくのです。
相続人が多いほど様々な事情が複雑に絡み合いますから、相続人が多い人は遺言書を書くことは必須です。
4.主な相続財産が居住用不動産
相続財産は不動産、現金、預貯金、有価証券、美術品、骨董品など様々な財産がありますが、沖縄の相続財産は「不動産」が大きな割合を占めており、主たる財産が居住用不動産といった事情もあります。
相続財産に占める不動産の割合は全国平均が43.5%なのに対し、沖縄は69.9%となっており、かなり高くなっています。
遺産が現金や預貯金が少なく不動産がほとんどを占めていると遺産分割が難しい状況にあります。
ましてやその不動産が居住用の不動産だと相続の話合いが上手くいかなければ遺された家族の住むところの問題も出てきますので、要注意です。
また、相続税の支払いは原則現金です。
もし、相続税が課税される時に主たる財産が不動産だと支払いに困ることもあるかもしれないですね。
事前の対策が必要です。
特に近年の問題として、遺された配偶者の生活上の課題が取りざたされており、昨年の法改正で配偶者居住権や配偶者へ居住用不動産を贈与した際の持ち戻しの免除の意思表示などの規定が創設されています。
新たな制度を理解し活用することも大事です。
沖縄特有の相続事情への対策へは遺言書が必須
沖縄特有の相続事情とその対策について解説しましたが、やはり最終的には遺言書は必須だと思います。
遺言書があることで、遺言者の想いが伝わり円満かつ円滑な相続を実現できると思うからです。
ウチナーンチュの皆さんにお願いしたいのは、相続においてだけは「なんくるないさ」「てーげー」の気持ちを捨てて、準備をしっかりしてほしいと思います。
多くの相続問題を見聞きしてきた僕からのお願いです。
家族を相続問題、相続争いから守るためにも遺言書を書いてください。
貴方の想いはきっと伝わるはずです。
今日のJAZZ
事務所で聴いているジャズはピアニスト、ビル・エヴァンスの《Waltz for Debby》。
エヴァンスの代表作ですね。
多くの人が耳にしたことがある曲ではないでしょうか。
エヴァンスの姪デビィのために作曲したもので、姪のデビィに何度も弾いて聞かせてくれたそうです。
美しさと繊細さが感じられます。
そしてベーシスト、スコット・ラファロとドラマー、ポール・モチアンとのトリオによる演奏はインタープレイにより当時のジャズ界では衝撃をもって受け取られたようです。
僕のような素人にも分かりやすいジャズです。
相続セミナー・説明会情報
自主開催セミナー
「より良い人生を送るための終活と相続~幸せな相続の準備~説明会」
【開催概要】
◇開催年月日:令和元年12月23日(月)
◇時間:10:00~11:45
◇定員:先着12名
◇参加費:2,000円(税込)/名
※当日、会場にてお支払いください
【申込方法】
◇電 話098-861-3953
◇メールお問合せフォーム
題名に「12/23セミナー参加申込」と入力お願いします。
本文にはご参加者人数、お名前と連絡先(電話番号)のご記載をお願いします。
【会 場】
沖縄県教職員共済会館「八汐荘」3階小会議室
那覇市松尾1-6-1
駐車場有(説明会参加者無料)
【ラジオ番組パーソナリティ】
「ジャジーのJAZZタイム×幸せな相続相談」(FMレキオFM80.6MHz)
毎月第1および第3水曜日21:00~21:50放送中。
ご家庭のラジオなら那覇市と浦添市、カーラジオなら北は読谷村、沖縄市、南は豊見城市、与那原町まで聴けます。
スマホのアプリならFMレキオのサイトでアプリをダウンロードすると日本全国、世界中で聴けますよ。
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