僕が遺言書作成の際に相続税のシミュレーションを進める理由とは?


JAZZ好きの行政書士城間恒浩(@jazzyshiroma)です。
僕は沖縄県那覇市松尾で遺言相続専門の行政書士として、遺言書や遺産分割協議書の作成、相続や終活のご相談を承っております。
これまで関係した遺言書・遺産分割協議書・贈与契約書等の作成は200件以上、相続相談は400件以上となっており、相続や遺言のことでお困りの方がいることを日々感じ、「相続は準備させすれば、ご本人もご家族も幸せになれる」ことを実務を通じて確信しています。
このブログでは、実務を通じて感じる相続や遺言の話を中心に書いています。
また、たまに相続や遺言以外の好きなジャズのこと、日常や僕の想い・考えも書いていますよ。
本ブログが少しでもお役に立ちましたら嬉しいです。行政書士ジャジー総合法務事務所 バナー広告 20210804

相続対策とは

僕は終活・相続・遺言書専門の行政書士として、日々、ご相談を承っています。

ご相談を受ける中で、気を付けているのは、相続対策と相続税対策のことです。

相続対策は、自分の財産を誰にどのような割合(または何を)で遺せば、理想的なのか、ということを考えます。

例えば、ご夫婦と子供が2名の家族構成で、夫(75歳)が自分の所有する不動産(価額6,000万円)や現金・預貯金(3,000万円)の相続のことを考えてみましょう。

万が一夫が亡くなると、相続人である妻(73歳)と子供(45歳と42歳)の相続割合は、妻2分の1(50%)、子供2名が夫々4分の1(25%)ずつとなります。

相続の準備を進める中で、自宅の不動産(土地・建物)の全て(6,000万円)と現金・預貯金の50%(1,500万円)を妻に遺し、子供たちには現金・預貯金の遺り50%を2分の1(25%・1,250万円)ずつ相続させることで、自分の亡き後に妻の生活も心配ないだろうし、子供たちも納得してくれるのでは、ないかと対策を練り、その内容を遺言書にすることが、相続対策です。

この場合に、夫が遺言書を作成するときに気を付けたいのが、自分の亡き後の妻の生活のことと、子供たちが遺留分(相続人の相続する最低限の権利)を主張した場合に、妻の生活に影響が出ないか、ということです。

上記の例では、財産の総額が9,000万円ですから、子供たちの遺留分は、財産の2分の1(4,500万円)に各相続割合(4分の1)に相当する1,125万円が夫々の遺留分となります。

上記の例では、万が一、子供たちが夫の遺した遺言の内容に不服があったとしても、遺留分は侵害していませんので、子供たちは遺言に従うしかないですね。
なお、2018年(平成30年)の民法相続分野の改正により、生存配偶者(上記の例では妻)の為の配偶者居住権が創設されていますので、こちらを活用すれば、子供の遺留分はさらに低減可能ですね。

よっぽどのことがなければ、子供が母親に遺留分侵害額請求をすることもないかと思いますが、もしもご夫婦が再婚で、妻と子供たちに血のつながりがなかった場合などは、どうなるかわかりませんので、遺言書を作成することは重要です。

遺言書がなければ、遺留分以上の財産を子供たちが相続する権利が生じますから。

相続対策は、遺言書で実現してください。

相続「税」対策もしっかりと

一方で、相続税のこともしっかりと対策をとってくださいね。

相続税の計算方法は複雑ですし、税理士の業務の範疇になりますので、ここでは詳細に説明はしませんが、国税庁のサイトに詳しく説明があります。

簡単に説明すると、まずは、相続人等の各人が遺贈を受けるまたは相続する財産を算出し(みなし財産を加えたり、控除する財産もあります)、その財産の総額(課税価格の合計額)から基礎控除(3,000万円+@600万円×相続人の数)を控除した額(課税遺産総額)がプラスなら相続税が課税されますし、ゼロまたはマイナスなら相続税はかかりません。

相続税の基礎控除

相続税の基礎控除

大雑把な説明ですが、相続税が課税されるかどうかの目安にはなると思います。

繰り返しますが相続税の計算はかなり複雑です。
一般の方が自力で行うと相続税を支払う必要がないのに支払ったり、多く払いすぎたりすることもありますから、税理士にお任せした方がいいと思います。

僕も遺言書作成の段階で、相続税のことも考慮する必要がある場合には、提携する税理士に相続税のシミュレーションをすることをお勧めします。

相続税のシミュレーションをお勧めする理由は主に4つあります。

(相続税シミュレーションをお勧めする理由)
1.相続税が課税されるかどうかは相続人(ご家族の)大きな関心事
2.納税資金が足りるかを確認をし、納税資金の確保とともに節税対策などを行う
3.相続税が課税される場合に備えて相続分・遺産分割の方法を遺言書で指定することが可能
4.二次相続(夫の相続→妻の相続)も視野に入れて相続税の対策を行う

相続税が課税されるのであれば、誰にいくら課税されるのかをシミュレーションすることで、ご自身の亡き後、ご家族が相続税の支払いなどで、困ることもないのではと思います。

なお、相続税が課税される割合は、令和2年度の国税庁の発表によると全国で8.8%(相続税申告被相続人数120,372名÷死亡者数1,372,755名)となっていますから、100件の相続があれば9件程しか相続税の申告はないということです。

沖縄県では、令和2年度の沖縄国税事務所の発表によると6.7%(相続税申告被相続人数827名÷死亡者数12,390名)となっていて、100件中7件程が相続税の申告を必要としていますが、決して割合が高いわけではありません。

ただ、相続税の納税は原則として、相続開始から10か月以内に現金で行う必要があるので、事前にシミュレーションをして、準備(遺言書作成)をしておくことが大事だと思います、

そして、自分の築いた財産であり、子供たちにできるだけ多くの財産を遺したいと考えるのであれば、相続税のシミュレーションは必須だと思います。

国が相続税の徴収に力を入れる訳

中には、申告をしなくてもばれないだろ、と思われる方がいるようですが、そんなことはありません。

税務署の調査能力を侮ってはいけないですし、相続税の調査は年々、厳しくなっていると聞きますし、相続税の調査は、法人税などの調査に比べて容易なようですから、調査がはいればかなりの確率で、指摘(令和2年度は80%以上)があるようです。

そうなると、相続税の徴収(追徴税)はもとより、悪質な場合には重加算税の課税もあります。
ちなみに、令和2年度の無申告相続税の調査による相続税・重加算税の課税総額は482億円あったようです。

国税庁が相続税の調査に力を入れるのは理由があります。

資産を多く持つ団塊の世代(1947年~49年生)の大相続時代を前に、国が税の徴収に目を付けたのが、相続税だったんですね。
2015年(平成27年)に基礎控除額の引き下げ(4割)があり、相続税の課税される案件が増加しました。

そして、相続税額が国の歳入税額においてもそれなりの数字となっているからです。
次のグラフは、国税庁のサイト(「税の学習コーナー」国の財政 財政の仕組みと役割)に掲載されているもので、令和4年度当初予算における国の一般会計歳入額の内訳です。

令和4年度当初予算 国の一般会計歳入額

令和4年度当初予算 国の一般会計歳入額。国税庁のHPより。

令和4年度の国の予算の歳入における相続税の予算額は2兆6,190億円で、歳入総額の2.4%を占めています。
この数字が無視できないのは、日々消費されている国税の酒税(1兆1,280億円・1.0%)とたばこ税(9,340億円・0.9%)の合計(2兆620億円・1.9%)よりも相続税の方が多いのです。

上記のグラフによると令和4年度の歳入見込みでは、相続税(2兆6,190億円)は国税の消費税(21兆5,730億円)の約12%になります。

また、令和2年度の相続税歳入額は2.3兆円でしたが、納税が必要であった120,372名(1名当たりの相続税は約1,900万円)が、それだけの税収を生み出しているのです。

国が相続税を無視できない理由がわかりますよね。
酒税やたばこ税よりも税収効率がとてもいいことがわかります。

しかし、汗水たらして築いた財産を相続の際に、これだけ多くの相続税を支払わなくてはならないと考えると、やるせない気持ちもわかります。
政治家のお金の使い道に納得のいかない人にはなおさらでしょう。

だからこそ、相続税のシミュレーションをして、できるだけ多くの財産を次の世代に遺せるようにしてもらいたいのです。

僕は必要に応じ税理士と協力して、皆様の相続が理想的な形で行えるように、支援します。

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相続は、相続対策だけでなく、相続税対策も不可欠
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今日のJAZZ

ベーシスト、ポール・チェンバースの《You’d Be So Nice To Come Home To》をB.G.M.にブログを書いています。
チェンバースはマイルス・デイヴィスのバンドでも活躍した超一流のベーシストですね。
僕はベースの音色が好きです。
バックで、ボンボンボンと低音で穏やかにリズムを刻む音色も好きだし、ソロでひたむきに奏でる音もいいですね。
You’d Be So Nice To Come Home To》はジャズのスタンダードとなっていますが、7分を超える演奏で、チェンバースや他のメンバーのソロもたっぷり楽しめる演奏です。

相続セミナー・説明会情報

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城間 恒浩

代表者行政書士ジャジー総合法務事務所
沖縄県那覇市松尾の遺言・相続関係専門のJAZZ好きの行政書士。 2010年に父親と祖母を同じ年に亡くし2度の相続を経験。 その時に感じたのが「気軽に相続や遺言に関する相談先があったらいいのになぁ」ということ。 そんなことから、身近な街の法律家、遺言・相続専門の行政書士として、自分の経験や学んだ知識で相続でお困りの方のご相談にのっています。 行政書士は遺産分割協議書や遺言書作成などの相続関係のお手伝いもできるのです。 1971年9月生。国際協力関係の仕事に約11年間、社会保険労務士の事務所で約10年勤務後、2015年10月より現職。 エクスマ塾67期。エクスマ・エヴァンジェリスト15期。エクスマ学院1期。 JAZZが大好き。好きな場所は、沖縄とニューヨーク。 2016年9月よりラジオ番組パーソナリティーとしても活躍中。お気軽に「ジャジー」と声をかけてください!

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