最高裁で争われている相続における土地の評価方法を巡っての事件から思うこと。

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JAZZ好きの行政書士城間恒浩(@jazzyshiroma)です。
僕は沖縄県那覇市松尾で遺言相続専門の行政書士として、遺言書や遺産分割協議書の作成、相続や終活のご相談を承っております。
これまで関係した遺言書・遺産分割協議書・贈与契約書等の作成は200件以上、相続相談は400件以上となっており、相続や遺言のことでお困りの方がいることを日々感じ、「相続は準備させすれば、ご本人もご家族も幸せになれる」ことを実務を通じて確信しています。
このブログでは、実務を通じて感じる相続や遺言の話を中心に書いています。
また、たまに相続や遺言以外の好きなジャズのこと、日常や僕の想い・考えを書いています。
本ブログが少しでもお役に立ちましたら幸いです。

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土地には五つの価格がある

今朝、ネット・ニュースを見ていたら相続における不動産の評価にまつわる重要な裁判が進行中であるとのニュースがありました。

日本経済新聞電子版「路線価に基づかない相続課税の是非、最高裁が司法判断へ」(2021年12月21日)

なぜ、このニュースが相続において重要なのかと言うと、記事中にもあるように、相続税の算出に当たる不動産の評価方法により税額が大きく異なってくるからです。
これまでの相続税対策ひいては相続対策にも大きな影響が出てくるのではないかと思います。

まずは、相続における土地の評価方法について、少し解説します。

とてもわかりにくいのですが、実は土地には「実勢価格(時価)」、「公示価格」、「基準値標準価格」、「相続税評価額(路線価)」と「固定資産税評価額」の合計5つの価格があります。

これを「一物五価」と呼んでいます。

それぞれ役割がありますが、大まかにいうと以下の通り。

1.実勢価格(時価)・・・実際に市場で売買される価格。その土地の周辺相場できまる。

2.公示価格・・・国土交通省土地鑑定委員会が公示する土地の適正な価格を示すもの。一般の土地取引の指標となるもので、公共用地取得の際の算定に使われる。毎年1月1日時点の標準値の1平方メートル当たりの価格。発表は3月。

3.標準価格・・・公示価格を補完する価格で都道府県知事が発表する。毎年7月1日時点の基準値の1平方メートル当たりの価格。林地なども含まれる。発表は9月。

4.相続税評価額(路線価)・・・国税庁が発表する相続税・贈与税の算出基礎となるもの。発表は7月。公示価格の80%ほど。

5.固定資産税評価額・・・市区町村長が発表するもので、固定資産税、登録免許税や不動産取得税の算出基礎となる。評価替えは3年に一度になっており、基準年度の前年度1月1日時点のもの。発表は3月または4月。公示価格の70%ほど。

土地にこんなにたくさんのかかっくがあるのか、とファイナンシャル・プランナー(FP)の試験勉強をしていた数年前に驚きました。

個人的には、様々な役割はあるんだろうけど、こんなに複雑にしないで、どこか一か所の機関が調査して係数を掛けて発表すれば効率的だし、費用も掛からないのではないかと思いました。

業界団体の圧力があるのでしょうか・・・

相続においては路線価

相続においても不動産の評価はとても重要です。
今は地価も上がってきているようですので、相続においては主要な財産となるのは間違いないでしょう。

相続において土地の評価は「相続税評価額(路線価)」が使われます。
路線価は、国税庁のHPで誰でも確認できます。

路線価図のサンプルです。
沖縄県那覇市沖縄県庁の周辺です。

令和3年度 路線価 那覇市泉崎付近

路線価図サンプル。令和3年度路線価 那覇市泉崎付近。国税庁HPより。

路線価の見方は上部に記載されてます。

拡大すると・・・

令和3年度 路線価の凡例 那覇市泉崎沖縄県庁付近

令和3年度 路線価の凡例 那覇市泉崎沖縄県庁付近

 

見にくいですね。

見方などは、国税庁のHPに詳しく説明がありますので、気になる方はご確認くださいね。

ちなみに路線価の出ていない土地は、「固定資産税評価額」に各市町村の定める評価倍率をかけて算出する方法(倍率方式)があります。
沖縄県の評価倍率表はここをクリックしてください。

また、沖縄特有の不動産として、軍用地や公用地(自衛隊基地、空港用地)などもありますが、この評価方法も国税庁のHPで公開されています。

土地の相続税評価額を出すには、路線価を使用して難しい計算式がありますので、一般の方が計算するのは困難だと思います。

土地などを所有していて、相続税の評価額を知りたいという場合には、税理士にご相談いただくと算定してもらえると思います。

また、家屋の評価は、固定資産税評価額を算定基礎としています。
これもアパートやマンションなどの貸家だと複雑な計算式がありますので、税理士に相談することをお勧めします。

ちなみに、贈与税の算出基礎となる土地や家屋の評価も相続税の資産評価と同じです。

路線価方式によらないと

以上のように土地には5つの価格があり、算出方法は用途に応じてまちまちだということはお判りいただけたでしょう。

相続や贈与においては路線価(倍率方式含)で評価されるのですが、実勢価格よりは安価となります。

そして、冒頭で触れたネット・ニュース記事『日本経済新聞電子版「路線価に基づかない相続課税の是非、最高裁が司法判断へ」(2021年12月21日)』では、土地の評価方法を巡って、土地の評価額に大幅な乖離があるとして、国と相続人が争っているわけです。

簡単に説明すると、一般的に相続においては、土地の評価は実勢価格よりも路線価が安価となるのは説明したとおりです。
相続対策として、現金を持つよりも土地を購入することで財産評価を下げえることができるので、相続税対策で使われることがあります。

また、融資を受けてでもマンションを購入したり、建築することで現金を減らし、あるいは債務を作ることで、財産評価を下げることにより相続時に相続税の対策ができるのです。

しかし、今回の裁判では、国税庁は相続税を逃れるための不動産購入による相続対策であると考え、財産基本通達の第6項「この通達の定めによって評価することが著しく不適当と認められる財産の価額は、国税庁長官の指示を受けて評価する。」により、路線価によらず別の方法で評価すべきだとして、約3億円の追徴課税が必要だとしているようです。

記事には触れられていませんが、あくまでも土地の評価についての争いのようですね。
土地の評価に用いられる路線価によるか、そのほかの国税庁長官の指示を受けて評価した方法によるのかということについて争っているようですからね。

記事からは疑問な点がいくつかはありますが、これまで、一般的に行われてきた相続税または相続対策だったと思います。

今回の事件も故人(被相続人)が相続税対策および相続対策として、おそらく専門家のアドバイスを受けながら行ったものではないかと思います。

最高裁判所の判断に注目があつまりますね。

国税庁は相続税に注目している?

上記の裁判からも国税庁が相続税に注目していることは良くわかります。

なにせ、相続税の額は令和3年度当初予算で2兆2,290億円を見込んでおり、これは酒税とたばこ税を合わせた額2兆880億円を上回っています(国税庁HP・税の学習コーナーより)。

また、この先は660万人いるとされる団塊の世代の相続が発生します。
大きな相続税の納税が予測されているのでしょう。

最近は相続税や贈与税のルール見直しに係るニュースもあります。

法人税などについては、概ね適正な処理がされており、これ以上の追徴などは見込めないことから、調査しやすいまたは徴収しやすい相続税に国税が目を付けているのは明らかでしょうね。

納税は国民の義務ではあり、適正な処理が求められますが、国の財政の厳しさなどから、複雑な税体系がますます進んでいるように感じられます。

いずれにせよ、土地は相続における大きな財産です。

その価格の決め方は、複雑なんです。

相続税対策が必要だと感じたらご相談ください。
相続税対策も事前準備が大切です。
相続税は原則として、一括で、現金で納めないといけませんからね。
大変ですよ。

税金に関しては税理士の範疇です。
僕も提携する税理士を紹介できます。

今日のJAZZ

ヴォーカリスト、ナット・キングコールの《The Christmas Song》をB.G.M.にブログを書いています。
もうすぐクリスマスですね。
街中でもクリスマス・ソングが沢山流れています。
ジャズのクリスマス・ソングも多々ありますが、まずはナット・キングコールの《The Christmas Song》を聴いてほしいな。
何とも甘くしっとりと歌い上げています。

相続セミナー・説明会情報

自主開催セミナー

わかりやすい終活、相続と遺言書のはなし ~幸せな相続の準備~ 説明会

開催日時:令和4年1月26日(水) 午前10時から11時20分
開催場所:沖縄県教職員共済会館「八汐荘」(那覇市松尾1-6-1)
定員:8名
参加費:2,000円(税込)
お申込み・お問合せ:
行政書士ジャジー総合法務事務所
☎098-861-3953
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ジャズ・ライブ情報

僕がナビゲーター(MC)を務めるジャズ・ライブが来年2月にあります。
初心者でも楽しめるライブになると思いますので、足を運ばれてくださいね。

メンバー:銘苅盛通Quintetー銘苅盛通(tp)こはもとヨーダ正(as) 瀬川真悟(pf)高尾英樹(wb) 田場龍之介(dr)
ナビゲーター:ジャジー城間
日時:2022年2月20日(日) open17:30 start18:00
場所:ミュージック・バーSOUND M’s(国際通り・那覇市久茂地3丁目29−68ー3F)
予約:090-1067-8055
チャージ:大人2000円 学生1000円 小学生以下無料
オンライン配信:https://meka.base.shop/items/56464175

銘苅盛通 1St.アルバム『Umikaji』リリース・ライブ・ツアー Top Note 20191126

ラジオ番組

「ジャジーのJAZZタイム×幸せな相続相談」(FMレキオFM80.6MHz)
毎月第1および第3水曜日21:00~21:50放送中。
スマホのアプリでも聴けます。ダウンロードはこちらをクリックしてください。
「行政書士がラジオ番組?」と不思議に思ったらこちらをクリックすると理由が分かります。

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城間 恒浩

代表者行政書士ジャジー総合法務事務所
沖縄県那覇市松尾の遺言・相続関係専門のJAZZ好きの行政書士。 2010年に父親と祖母を同じ年に亡くし2度の相続を経験。 その時に感じたのが「気軽に相続や遺言に関する相談先があったらいいのになぁ」ということ。 そんなことから、身近な街の法律家、遺言・相続専門の行政書士として、自分の経験や学んだ知識で相続でお困りの方のご相談にのっています。 行政書士は遺産分割協議書や遺言書作成などの相続関係のお手伝いもできるのです。 1971年9月生。国際協力関係の仕事に約11年間、社会保険労務士の事務所で約10年勤務後、2015年10月より現職。 エクスマ塾67期。エクスマ・エヴァンジェリスト15期。エクスマ学院1期。 JAZZが大好き。好きな場所は、沖縄とニューヨーク。 2016年9月よりラジオ番組パーソナリティーとしても活躍中。お気軽に「ジャジー」と声をかけてください!

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