相続における預貯金債権の解約手続きをスムーズにするためにすべきこととは?

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JAZZ好きの行政書士城間恒浩(@jazzyshiroma)です。 僕は沖縄県那覇市松尾で遺言相続専門の行政書士として、遺言書や遺産分割協議書の作成、相続や終活のご相談を承っております。
これまで関係した遺言書・遺産分割協議書・贈与契約書等の作成は100件以上、相続相談は300件以上となっており、相続や遺言のことでお困りの方がいることを肌で感じ「相続は準備させすれば、ご本人もご家族も幸せになれる」ことを実務を通じて実感しています。
このブログでは、実務を通じて感じる相続や遺言の話を中心に書いています。
また、たまに相続や遺言以外のことを書いています。

【新型コロナウイルス関係】

新型コロナウイルスに関する情報が多く出回っていますが、情報を集める際に参考にしていただきたいサイトをまとめましたので、参考にされてください。
個人向けの定額給付金、事業者向けの持続化給付金、融資や納税の猶予などの情報をまとめています。
参考にされてください。

相続手続きにおける預貯金債権

相続相談を受ける際にお伺いしているのが財産状況です。
遺言書や遺産分割協議書を作成するには財産状況を知ることは不可欠です。

その中でも預貯金債権、いわゆる金融機関の口座は多くの場合、財産に含まれてきます。

遺言書にも預貯金債権をどのように分けるのかを記載することが必要ですし、遺産分割協議をする際に預貯金をどのように分割するかは相続人にとって大きな関心毎でもあると思います。

しかし、預貯金債権の解約や払い戻し手続きは大変です。
遺言書、遺産分割協議書または相続人全員の署名捺印のある金融機関が用意した書面、被相続人や相続人の戸籍謄本などが必要になります。
金融機関は後々の相続人とのトラブルのために、容易には解約や払い戻しには応じてくれません。

また、平成30年の民法相続分野の改正により、遺産分割前の預貯金債権の払戻制度が創設され、令和元年7月1日から施行されています。
こちらの制度は、相続人の当面の生活費や葬儀費用の捻出のために、家庭裁判所あ必要と判断されるものと、相続人の申請に基づき法定相続分の一部を払戻申請できる2通りの手続きがありますが、どれも使いにくそうです。
また、個人的には遺言書があった場合に、預貯金債権を相続するものが指定されていたとしたら、後々、大きなトラブルになるので、金融機関もおいそれとは応じたくないのではないかと思います。

ただ、なんにせよ相続が開始して、残されたご家族が現金がないことで、生活費や必要な費用の支払いができないのは、大変な不都合です。

出来る限り早く、預貯金債権は解約または払戻ができる方が望ましいでしょう。

そのためにも遺言書を作成しておくことは、とても重要だと思います。
そして、何よりも大事なことが預貯金債権はできる限る少なくするということです。

なぜかと言えば、預貯金口座が多いほど手続きに時間がかかるからです。
特に複数の金融機関に口座があると、金融機関ごとに手続きを取らなくてはならないので、時間を要しますし、必要な書類も増えます。
何より、金融機関によって手続きの方法が違うので、一般の方が手続きするのは大変です。

僕が遺言書を作成する方に、お勧めしているのは、できる限り金融機関を絞り、口座の数を減らすことです。
ただし、平成14年から預貯金は一定の範囲で定額保護される制度が運用されていますので、金融機関が破綻した場合に決済用預金以外の普通預貯金や定額預貯金などは一金融機関ごとに1,000万円までが全額保護され、それ以上は財政状況によってカットされることもありますので、預ける金融機関は厳選した方がいいですね。

琉球銀行 本店

琉球銀行 本店

ちなみに、個人的な見解ですが、沖縄は地銀3行、信用金庫、組合系やゆうちょがありますが、地銀が破綻する時には沖縄の経済はとんでもない状況となっているでしょうから、そんなに神経質にならなくてもいいかもしれないですね。
信用金庫や組合系は、よくわかりません。
ゆうちょは、相続手続きが大変です。

沖縄県内の地銀では、琉球銀行が相続センターを設置し専任の方が対面で対応してくれるので、とてもスムーズですが、一般の方には難しい手続きではありますね。

沖縄県内の金融機関の相続手続きについては、次のブログを参考にされてください。

休眠預金等活用法の施行

相続手続きが完了しないために金融機関には、多くの口座が休眠となって眠っているそうです。
毎年、700億円ほどの預貯金が休眠口座となっているそうですが、中には相続手続きが完了しないことで、休眠口座となっているものもあるのでしょう。
僕も相続手続きをする際には、金融機関で被相続人の口座の照会をすると休眠口座が出てくることがあります。

休眠口座が発生するのは相続手続き未完了だけとは限りませんが、その休眠口座の活用をするための制度が運用されています。

昨年1月から「民間公益活動を促進するための休眠預金等に係る資金の活用に関する法律(平成28年法律第101号)」(休眠預金等活用法)が施行されています。

どういった法律かというと、金融機関(※1)にある預金など(※2)のうち2009年1月以降、取引のない預金など(休眠預金)は金融機関から預金保険機構に移管され民間の活動資金に充てられるものです。

※1外国銀行を除く銀行、信用金庫、信用協同組合、労働金庫、商工組合中央金庫、農業協同組合、漁業協同組合、水産加工業協同組合、農林中央金庫
※2預金保険法、貯金保険法の規定により、預金保険、貯金保険の対象となる預貯金などです。具体的には、普通預金だけではなく、定期預金、貯金、定期積金などが対象

金融金貨の預金などでは、毎年約1,200億円程発しており内500億円程度が払い戻され約700億円が休眠預金となっているそうです。

休眠預金等活用法では、毎年発生する休眠預金等を民間で活用するための仕組みが創られたのです。

その活用分野は民間が決めることとなっていますが、総理大臣の指定する「指定活用団体」が「資金配分団体」を通じて、民間の公益活動を行うNPOや団体に助成・貸付・出資をすることとなっているようです。

では、民間の公益活動とはどんなものでしょうか?

金融庁のHPにある資料にある基本理念等によると・・・

①休眠預金等の活用に関する基本理念等【第 16 条・第 17 条】
○休眠預金等を、民間公益活動(人口の減少、高齢化の進展等の経済社会情勢の急速な変化が見込まれる中で国及び地方公共団体が対応することが困難な社会の諸課題の解決を図ることを目的として民間の団体が行う公益に資する活動(①子ども及び若者の支援、②日常生活等を営む上で困難を有する者の支援、③地域活性化等の支援の3分野に係る活動)であって、これが成果を収めることにより国民一般の利益の一層の増進に資することとなるもの)の促進に活用
○民間公益活動の自立した担い手の育成及び民間公益活動に係る資金を調達することができる環境の整備を促進する。
○預金者等の預金等を原資とするものであることに留意し、多様な意見が適切に反映されるように配慮するとともに、その活用の透明性の確保を図る。
○大都市その他特定の地域に集中することのないよう配慮する。
○複数年度にわたる民間公益活動に対する助成等、社会の諸課題を解決するための革新的な手法の開発を促進するための成果に係る目標に着目した助成等その他の効果的な活用の方法を選択することにより、民間の団体の創意と工夫が十分に発揮されるように配慮する。
○宗教団体、政治団体、暴力団等は活用対象から除外

休眠預金が活用されるのは、
①子ども及び若者の支援
②日常生活等を営む上で困難を有する者の支援
③地域活性化等の支援
とされているようです。

具体的には、病気の治療困難者の支援、ホームレスの社会復帰支援などがあるようです。

いずれも社会問題となる中で、国や地方自治体が直接は支援が届きにくいところを休眠預金等を活用していく狙いがあるようですね。

個人的にはとてもいい取り組みだと思います。
ただ、これだけの大きなお金が動くのですから、不届き者が鼻を効かせてやって来る可能性もあるでしょう。
その辺は、しっかり指定活用団体と資金配分団体が監督・指導していってほしいですね。

また、休眠預金などはあくまでの預貯金者のものですから、本人から預金保険機構に請求があれば、預貯金者に「休眠預金等代替金(元本および利子)」が支払われる仕組みとなっているようです。

預貯金債権の有効活用のために

この制度自体は、お金が有効活用されるという点で、とてもいいのですが、本来なら相続人に承継される預貯金があるとすれば、それは残念なことです。

金融機関側にもお願いしたいのは、相続手続きを統一化することです。
金融機関ごとに手続き方法や必要書類が違うのは、お客様のことを考えているとは言えません。
相続手続きにおいては、金融機関を超えて対応してほしいと強く思います。

それができないのなら、相続手続きが迅速かつ確実であることも金融機関を選ぶ基準にもなってくるのではないかと思います。

相続の準備が視野に入ったのであれば、金融機関の口座は絞り込み、しっかりと遺言書を書きましょう。
貴方の築いた財産をご家族が有効活用できるように準備してもらいたいのです。

円満かつ円滑な幸せな相続の準備 遺言書

円満かつ円滑な幸せな相続の準備 遺言書

今日のJAZZ

「カッコ悪いフラれか~た~」と昔、カラオケで何度歌ったことでしょう(笑)
本当にカッコ悪くフラれてばかりでしたが、大江千里さんの大ヒット曲《格好悪いふられ方》が慰めでした。
その大江千里さんがニューヨークでジャズ・ピアニストとして活躍されてるとしったのは数年前です。
日本でミュージシャンとして大成功を収めた大江さんが、何時かしらTVやミュージック・シーンで見られなくなっていたのですが、2008年からニューヨークに渡りかねてからのあこがれであったジャズを本格的に学び始めたそうです。
シンガー・ソング・ライターとして新しい曲を生み出せない苦悩があったと言います。
今は、その経験さえも糧にされてジャズをやっているんでしょうね。
僕にはわからないミュージシャン、アーティストの苦悩ですが、大江さんの演奏を聴いていると生き方が伝わってくるように思います。
ジャズ・ピアニスト大江千里さんの《Rain》を聴きながら昔を思い出しました。

相続セミナー・説明会情報

自主開催セミナー

より良い人生を送るための終活と相続 ~幸せな相続の準備~ 説明会

開催日時:令和2年6月29日(月) 午前10時から11時15分
開催場所:沖縄県教職員共済会館「八汐荘」(那覇市松尾1-6-1)

予約制となっています。
詳細はこちらをクリック。

【ラジオ番組パーソナリティ】

「ジャジーのJAZZタイム×幸せな相続相談」(FMレキオFM80.6MHz)
毎月第1および第3水曜日21:00~21:50放送中。
スマホのアプリでも聴けます。ダウンロードはこちらをクリックしてください。
「行政書士がラジオ番組?」と不思議に思ったらこちらをクリックすると理由が分かります。

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城間 恒浩

城間 恒浩

代表者行政書士ジャジー総合法務事務所
沖縄県那覇市松尾の遺言・相続関係専門のJAZZ好きの行政書士。1971年9月生。 エクスマ塾67期。エクスマ・エヴァンジェリスト15期。 JAZZが大好き。好きな場所は、沖縄とニューヨーク。 国際協力関係の仕事に約11年間、社会保険労務士の事務所で約10年勤務後、平成27年10月より現職。 2010年に父親と祖母を同じ年に亡くし2度の相続を経験。 その時に感じたのが「気軽に相続や遺言に関する相談先があったらいいのになぁ」ということ。 そんなことから、身近な街の法律家、遺言・相続専門の行政書士として、自分の経験や学んだ知識で相続でお困りの方のご相談にのっています。 行政書士は遺産分割協議書や遺言書作成などの相続関係のお手伝いもできるのです。 平成28年9月よりラジオ番組パーソナリティーとしても活躍中。お気軽に「ジャジー」と声をかけてください!

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