遺言書がもつ法的拘束力とは?
旧正月の沖縄県那覇市は夏日です。
半袖でクーラーをかけようか迷っています。
地球温暖化というよりも沖縄が南半球に移動したのではないでしょうか?
アイスコーヒーが美味しい。
沖縄県那覇市の遺言・相続専門JAZZ好きの行政書士ジャジーこと城間恒浩です!
遺言書が持つ法的拘束力とは
「遺言」は亡くなった方(=被相続人)が、遺族(=相続人)に自分の財産の分け方を伝える想いなんです。
ここで言う「想い」とは、遺された家族が自分の遺した財産のことで、決して争わないようにしてもらいたいと言うこと。
ただし、感情はこもっているけど、その感情には、法的にはなんの拘束力はありません。
たとえば、「これまで通り家族仲良くしていてほしい。」「お母さんに大目に財産を残すけど、お前たち兄弟はお母さんをしっかり支えてほしい」などなどの故人の想いが遺言にあっても、これは法的な拘束力はありません。
遺言で、法的な拘束力を持つのは遺言者の感情ではありません。
例えば財産分与のことであれば、「いつ」、「誰が」、「誰に」、「故人の財産の何を」、「相続させる」と意思表示をしているかなんです。
ですから、自分の想いをちゃんと残したいのなら、「遺言」が法的な要件を備えているのは大切なことなんです。
もちろん、なぜ、この遺言書を書いたのかとか家族へ関する想いを伝える法的拘束力のない付言事項もとても大事です。
それでは、自分の残した財産が原因で、家族間で争いが起きないように、どうしたらいいのか?
一番の方法は、「遺言」は書面で残すことです。
この書面を「遺言書」と言います。
ごく一部、書面に残せないケースを想定した特別方式の遺言の方法もありますが、これはまたの機会に話します。
なぜ、書面で残すのか?
それは、あとあとの争いを避けるようにするためです。
例えば、遺言書を残さずに亡くなったお父さんが、生前に「この家の土地と建物は次男のお前に相続させる。」と話していたことを次男が主張します。
この場合、長男は黙って受け入れてくれると思いますか?
通常は、家を継ぐのは俺だ!と思っている長男からしたら「冗談言うな!オヤジがそんなこと言うか!嘘つきめ。」と反論が始まるのではないでしょうか?
相続ならぬ「争続」の始まりです。
それでは、この遺言が書面で残っていたらどうでしょう?
法定要件を満たした遺言書です。
長男は、父親の遺言書に従わねばならず、基本的には受けれなければなりません。
遺言書は遺言書が、故人(被相続人)の財産を残す最終意思であるということが、強く尊重されるからです。
この、尊重されるということがないと、「遺言」なんて意味を持たないものになってしまいますからね。
そこを法定化してくれているのが、遺言制度なわけです。
もちろん、相続する内容が相続人の相続する最低限度の権利である遺留分を侵害するような部分があれば、長男は「遺留分侵害額請求」はできます。
また、遺族(相続人)の全員が同意して、遺言とは違う遺産の分割協議がされるのであれば、そちらに従っても問題はありません。
しかし、「次男坊に家を相続させる」という上の例でだと、父親は、何かしらの想いがあって、このような遺言を残したんでしょうね。
僕は、その想いは遺言書とは別にて残してもいいと思います。
「なんで、私(故人)がこんな遺言を残したのか?」
それを文書なり動画に残すのです。
遺言書に書くなら付言事項ですね。
僕は、その故人の想いを伝えることも大事だと思います。
そうすることで、故人の想いが、遺族に強く伝わるのだと思うのです。
相続が円満かつ円滑にされるかは遺言書の有無にかかっていると言っていいかもしれません。
遺言書の種類
最後に、遺言書の方式について簡単に解説します。
遺言には大きく分けて、「普通方式」と「特別方式」があります。
通常は「普通方式」を使います。
遺言の「普通方式」には以下の3様式があります。
1.自筆証書遺言:全て自らが書いて作成する。平成31年1月13日からは財産目録はワープロ等での作成が可能となってます。
2.公正証書遺言:公証人に作成してもらう方式。証人2名が立ち会う。
3.秘密証書遺言:内容を秘密にするという趣旨があります。特徴は代筆可能でワープロでもOK。公証人、証人2名立会いのもと封緘。
遺言書についての詳しい解説は次のブログをご参照ください。
また、相続と遺言書にかかる基本的なことをお話させていただく相続セミナーを来週1月28日に予定しています。
詳細は次のブログをご参照ください。
今日のJAZZ
今日のこの沖縄の暑さをどう表現したらいいのでしょうか?
ジャズを聴こうと思って思いついたのがトランペッター、マイルス・デイヴィスの《Solar》でした。
とても気持ちいい演奏です。
「Solar」は太陽の意味ですね。
陽射しの強い沖縄にはいいんじゃないかな。
相続セミナー・説明会情報
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