令和元年7月から続々と施行される民法相続分野の法改正情報。
今日はラジオ番組「ジャジーのJAZZタイム×幸せな相続相談」(FMレキオ80.6Mhz)の収録でした。
オープニングはトランぺッター、リー・モーガンの《The Sidewinder》、ピアニスト、ビル・エヴァンスのドキュメンタリー映画「ビル・エヴァンス タイム・リメンバード」のサントラ的なアルバム『BILL EVANS SONG ON TIME REMEMBERED』から2曲とトランぺッター、マイルス・デイヴィスの名盤『Kind of Blue』から1曲を選曲しています。
もちろん、専門の相続に関してもお話ししてまして、民法相続分野の法改正(預貯金の払い戻し制度の創設)について、解説してます。
放送は、19日(水)午後9時からです。良かったら聞いてくださいね!
こんにちは!沖縄県那覇市の遺言・相続専門JAZZ好きの行政書士ジャジーこと城間恒浩です!
民法相続分野の法改正
昨年の7月6日に民法相続分野の改正がありました。
民法の相続分野は1980年(昭和55年)に改正されて以来、大きな改正はありませんでしたが、2013年(平成25年)の嫡出でない子の相続分についての最高裁違憲決定、2016年(平成28年)の預貯金債権は遺産分割対象財産である最高裁決定など、相続分野にかかわる重大な判例が出てきたことに加え、日本社会の高齢化が急激に進展しており、相続開始時における配偶者の年齢も相対的に高齢化しており、相続発生時における配偶者の保護の必要性が高まっていました。
昨年の民放相続分野の見直しは、様々な社会経済情勢の変化に対応し、残された配偶者の生活に配慮する等の観点から、配偶者の居住の権利を保護するための方策等が盛り込まれています。
配偶者の居住の権利を保護する以外にも、遺言書の利用を促進し、相続をめぐる紛争を防止する等の観点から、自筆証書遺言の方式緩和や法務局での自筆証書遺言の預かり制度の創設などの改正がされています。
主な法改正の内容と施行日は以下の通りです。
【民法及び家事事件手続き法の一部改正・遺言書保管法創設の概要】
1.配偶者の居住権を保護するための方策(2020年4月1日施行)
(1)配偶者短期居住権の新設
相続開始の時に遺された配偶者が遺産に含まれる建物に住んでいた場合には、遺産分割が終了するまでの間、無償で居住建物を使えるようにする。
(2)配偶者居住権の新設
遺された配偶者の居住用の建物を終身または一定期間、配偶者にその居住用不動産を使用することを認める権利(配偶者居住権)を創設し、遺産分割等における選択肢の一つとして、遺された配偶者に居住権を取得できるようにする。
2.遺産分割などに関する見直し(2019年7月1日施行)
(1)配偶者保護のための方策(持戻し免除の意思表示推定規定)
婚姻期間が20年以上の夫婦浮かんで、居住用不動産の遺贈(遺言書による相続など)または生前の贈与があったときには、相続財産への持戻しの免除の意思表示があったものとして、亡くなった配偶者(被相続人)の意思を尊重できる遺産分割を実現できるようにする。
(2)遺産分割前の払戻し制度の創設など
相続財産の対象となる預貯金債権について、生活費、葬儀費用や相続債務の支払いなどの資金需要に対応できるように、遺産分割協議前でも預貯金の払戻を可能とする。
(3)遺産の分割前に遺産に属する財産を処分した場合の遺産の範囲
相続が開始したあとに共同相続人のうちの一人が遺産の一部を処分(使用、売却など)した場合に、遺産の計算上ほかの相続人に不公平が出ないようにするための方法を策定。
3.遺言制度に関する見直し
(1)自筆証書遺言の方式緩和(2019年1月13日施行)
自筆証書遺言は全文自書が要件であったが、財産目録についてはワープロ作成、不動産登記簿や通帳のコピーの添付でも良くなった。
ただし、財産目録には全てのページに署名し、遺言書と同じ印が必要となる。
(2)遺言執行者の権限の明確化(2019年7月1日施行)
遺言執行者の権限を明確にし、遺言の実効性を担保する。
(3)公的機関(法務局)における自筆証書遺言の補完制度の創設(遺言書保管法:2020年7月10日施行)
封印のない自筆証書遺言を一定の手続きおよび手数料を支払うことで、法務局が保管する。保管方法は原本と電子データを保管する。
法務局に預けられた自筆証書遺言は、家庭裁判所での検認が不要となる。
4.遺留分制度に関する見直し(2019年7月1日施行)
遺留分減殺請求権の行使により、当然に物権的効果が生じることで不動産などの共有など好ましくない状況が発生することを見直すため、遺留分侵害額に相当する金銭的な解決を図れるようにする。
5.相続の効力などに関する見直し(2019年7月1日施行)
相続させる旨の遺言書などにより承継される財産には、登記などの対抗要件なくして第三者に対抗できたが、法定相続分を超える権利の承継については、不動産の登記などの対応要件を備えなければ、第三者に対抗できないようにする。
6.相続人以外の者の貢献を考慮するための方策(2019年7月1日施行)
相続人以外の被相続人(故人)の親族(例:長男の妻など)が、生前の被相続人の療養看護などを行った場合には、一定の要件のもと、相続人(遺族)に対して金銭請求をすることができり制度(特別の寄与)を創設した。
以上、法務省のホームページを参考にまとめてみましたが、詳しくは法務省のサイトをご参照してください。
今日のJAZZ
久しぶりにトランぺッター、チェット・ベイカーの切なさを感じてみたくなった。
チェットに切なさを感じるのは僕だけではないと思う。
今日はピアニスト、ポール・ブレイとのデュオ作品『Diane』を紹介します。
トランペットとピアノのデュオ。
チェットは歌っています。
抒情的で胸が締め付けられるようなバラードが続きますが、チェットの切なさを存分に感じられる一枚。
ポール・ブレイのことはこのアルバムで、初めて知りましたが、落ち着いた雰囲気を醸し出すピアニストです。
切なくて美しい一枚。
【相続セミナー・説明会情報】
「中学生でもわかるやさしい相続と遺言のはなし~幸せな相続の準備~説明会」
【開催概要】
◇開催年月日:令和元年6月29日(土)
◇時間:10:00~11:45
◇定員:先着12名
◇参加費:2,000円(税込)/名
※当日、会場にてお支払いください
【申込方法】
◇電 話098-861-3953
◇メールお問合せフォーム
題名に「6/29セミナー参加申込」と入力お願いします
【会 場】
沖縄県教職員共済会館「八汐荘」3階小会議室
那覇市松尾1-6-1
駐車場有(説明会参加者無料)
詳細はここをクリック
【ラジオ番組パーソナリティ】
「ジャジーのJAZZタイム×幸せな相続相談」FMレキオ(FM80.6MHz)
毎月第1および第3水曜日21:00~21:50放送中。
ご家庭のラジオなら那覇市と浦添市、カーラジオなら北は読谷村、沖縄市、南は豊見城市、与那原町まで聴けます。
スマホのアプリならFMレキオのサイトでアプリをダウンロードすると日本全国、世界中で聴けますよ。
JAZZのリクエストや遺言・相続に関する相談はこちらへどうぞ!