ある一家の亡くなった父親の遺産を巡り争いに発展するまでの物語。

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今日は生命保険会社の営業マンをしている高校の同級生が奥さんと事務所に来てくれました。
ちょこっと相談を受けて、お手伝いさせてもらいます。
離婚に伴う財産分与ではないですよ(笑)
仲のいい素敵な友人夫婦です。
友人が玄関に入るなり僕の靴に気づいてくれました。
靴屋で「JAZZ」の文字を見かけてそれだけで購入したスニーカー「SAUCONY JAZZ ORIGINAL」。
ちょっとしたこだわりに気が付いてくれて嬉しいです。

お父さんの相続が争いに発展する

父親を亡くした家族のある日の会話です。
母(主婦)、長男(公務員)、長女(パート)と二男(自営業)の遺族が集まって話をしています。

長女「お父さんが亡くなってもう10日。初七日も終わったけど、お父さんの遺品の整理しないとね。」
母「そうね。お父さんもモノを大事にする人だったから整理が大変だね。」
長男「遺品の整理もそうだけど、相続の話もしないとね。父さんは遺言書は書いてなかったでしょ?」
母「遺言書は書いてなかったけど、この家と沖縄市にある軍用地は長男の太郎に引き継いでもらい、預貯金は私の生活のために使うようにと常々言ってたわね。」
二男「基本的にはそれでいいと思うよ。ところで軍用地の収入は年額いくらくらいあるの?それにお父さんの預貯金はいくらくらいあるの?場合によっては、兄貴やお袋は相続税の心配もしないといけないじゃない。」
長男「そうだね。相続することとなる僕と母さんは相続税のことも考えないとね。」
母「太郎。財産を49日までに調べておいてちょうだい。」
長男「わかったよ。僕とお母さんの相続する財産だから調べておくね。」

49日の法要の後・・・

長男「相続の手続きを進めようと思う。父さんの財産を調べてみた。」
母「どうだったね。」
長男「やっぱり。この家の土地と建物、沖縄市の軍用地。そして預貯金があるくらいだね。」
長女「家はお母さんとお兄ちゃん家族が住んでるんだし、お兄ちゃんが相続すればいいね。預貯金はお母さんの生活のためにお母さんが相続したらいい。」
長男「その預貯金の話なんだが、家屋敷の維持、お墓の管理や年中行事でお金も必要だから、4分の1は僕が相続したいと思う。」
二男「ま、確かに沖縄の年中行事はお金がかかるからそれでもいいかもしれないけど、お父さんの預貯金はいくらあったの?それと軍用地料は年間収入はいくらあるのかな?」
長男「大した額ではないよ。」
二男「大した額ではないとは?」
長男「お母さんが生活に困らず、年中行事もできるくらいのお金。軍用地料もね・・・」
長女「お兄ちゃん、金額をちゃんと言ってよ。言わないとわからないよ。」
二男「そうだぜ兄貴。ちゃんと教えて。」
長男「預貯金が・・・2億円。軍用地料は年間1,000万円・・・」
長女「え!そんなにあるの!」
二男「マジかよ!」
母「こんなに財産を遺していたとは知らなかったし、軍用地料の収入も結構あったんだね。」

長男「ということで、当初話した通り、遺産分割協議書を作成したので、みんな署名して実印を押してもらいたい。」
二男「いや。兄貴これは押せない。想定を超える財産だぜ。僕らも権利があるのだから分けてもらいたい。」
長女「そうよ。お母さんが相続するのはいいけど、お兄ちゃんはもらいすぎ。いくら何でも年中行事に預貯金5,000万円と年間1,000万円も収入のある軍用地はもらいすぎ。」
長男「お前たちも納得してたろ。とにかく署名して印鑑を押せ!!」
長女「絶対いや。私も家のローンを早く返したい。旦那の給料と私のパート収入じゃ、生活も大変なの。お父さんの財産があれば少し楽になる。」
二男「俺も息子が東京で大学に通ってる。お金がかかるんだ。オヤジの遺した財産があれば、助かる。親父も俺の息子のことを可愛がったから、息子のために金を残したいはずだ。」
長男「そんなこと言っても。もう決めたことだろ。四の五の言わずに印鑑を押せ!!署名しろ!!」
二男の嫁「お兄さん。いくら何でももらいすぎです。前々から言いたかったけど、お兄さんはがめつすぎる。」
長男の嫁「あんた何を言ってるの?うちの旦那をバカにするな。」
長女「あなた達は関係ないのだから引っ込んでて!」
二男の嫁「関係なくはない。旦那のお金は私のお金でもある。相続財産もそう。」
長男の嫁「私もそうよ。旦那から大きなお金が入るから、ファーストクラスで行くニューヨークの豪勢旅行しいような。と言われてるんだからね。」
長男「お前。馬鹿。それは言うな。」
二男「兄貴。なぁにが年中行事に使う金が必要だ!遊ぶ金じゃねーか。そんな事ゆるさん。」
長女「お兄ちゃんは何を考えてるの。こんなバカ嫁とは離婚しなさいよ!」
長男の嫁「何ですって!あなたこそなによ。バカ女。」
母「やめなさい。あなたたちはお父さんの仏壇の前で何してるの。」

ガタっと音を立てて父親の遺影が落ちる・・・
一同、遺影を見つめる。
心なしかお父さんの遺影が泣いているように見えた。

その時に玄関でチャイムがなる。

車のディーラー「こんにちは。沖縄自動車の山城です!沖縄太郎さんのハマーの納車にきました。1,000万円お支払いいただきまして、ありがとうございました!」

一同、長男に刺すような視線を送る。

この一家の相続は、遺産分割協議は整わず、家庭裁判所での調停も不調に終わり、審判に発展したそうです。

相続は人を惑わせる

お金は、人を惑わせます。
あの人が、あんなことを言うとは思っていなかった、と相続争いにつかれた人たちは言います。
関係のない周辺の人間が騒いだりします。

相続とはそういったことなのです。
もしも、上のケースでお父さんが遺言書を遺し、お母さんの生活を守り、先祖代々続いた家を長男に承継させ、他の子供たちにもいくばくかの財産を分与する方法を書き記していたら、この相続はスムーズにいったかもしれないですね。

遺言書は、故人の最終意思です。
基本的には皆が尊重するはずです。
貴方の遺した財産で、大事な家族が争わないようにしてほしいのです。

今日のお話は僕が過去にご相談を受けた数件の話をごちゃまぜにして、かなり脚色したフィクションですが、こんな争いは多々あるのです。

SAUCONY JAZZ ORIGINAL。僕が死んだら右は長男に、左は二男に相続させよう(笑)

今日のJAZZ

気ぜわしい時に聴きたい音楽があります。
ゆったりしたいときに聴きたいミュージシャンがいます。
僕はジャズピアニストのビル・エヴァンスの演奏を聴くととても落ち着きます。
癒されるというのかな。
年度末のお忙し時にお勧めの一枚です。
ビル・エヴァンスのアルバム『I Will Say Goodbye』。
このアルバムを作成した頃に妻と兄を自殺で亡くしたエヴァンスの心中は寂しさで充満していたと思います。
しかし、こんなにも美しく繊細で穏やかな演奏をするのです。

【相続セミナー・説明会情報】

「中学生でもわかる争わなくてすむ相続 ~幸せな相続の準備~ 説明会」

【開催概要】
◇開催年月日:平成30年3月28日(水)
◇時間:午前10:00 ~ 11:45
◇定員:先着12名
◇参加費:2,000円(税込)/名
※同一グループお二人目から1,000円
※当日、会場にてお支払いください

【申込方法】
◇電 話098-861-3953
◇メールお問合せフォーム
題名に「3/28セミナー参加申込」と入力お願いします

【会 場】
沖縄県教職員共済会館「八汐荘」3階小会議室
那覇市松尾1-6-1
駐車場有(説明会参加者無料)

【詳 細】
説明会の詳細はここをクリック。

【ラジオ番組パーソナリティ】

「ジャジーのJAZZタイム×幸せな相続相談」FMレキオ(FM80.6MHz)
毎月第1および第3水曜日21:00から21:50
ご家庭のラジオなら那覇市と浦添市、カーラジオなら北は読谷村、沖縄市、南は豊見城市、与那原町まで聴けます。
スマホのアプリならAndroidはGoogle Playで「FMレキオ」、iPhoneはApp Storeで「Tunein Radio」で聴けます。
JAZZのリクエストや遺言・相続に関する相談はこちらへどうぞ!

【コンタクト】

〒900-0014 沖縄県那覇市松尾1丁目15番7号 2階
電話098-861-3953
FAX098-862-8641
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城間 恒浩

代表者行政書士ジャジー総合法務事務所
沖縄県那覇市松尾の遺言・相続関係専門のJAZZ好きの行政書士。 2010年に父親と祖母を同じ年に亡くし2度の相続を経験。 その時に感じたのが「気軽に相続や遺言に関する相談先があったらいいのになぁ」ということ。 そんなことから、身近な街の法律家、遺言・相続専門の行政書士として、自分の経験や学んだ知識で相続でお困りの方のご相談にのっています。 行政書士は遺産分割協議書や遺言書作成などの相続関係のお手伝いもできるのです。 1971年9月生。国際協力関係の仕事に約11年間、社会保険労務士の事務所で約10年勤務後、2015年10月より現職。 エクスマ塾67期。エクスマ・エヴァンジェリスト15期。エクスマ学院1期。 JAZZが大好き。好きな場所は、沖縄とニューヨーク。 2016年9月よりラジオ番組パーソナリティーとしても活躍中。お気軽に「ジャジー」と声をかけてください!

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