【相談事例】兄のところにいる女性は財産狙いなのではないか?

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JAZZ好きの行政書士城間恒浩(@jazzyshiroma)です。
僕は沖縄県那覇市松尾で遺言相続専門の行政書士として、遺言書や遺産分割協議書の作成、相続や終活のご相談を承っております。
これまで関係した遺言書・遺産分割協議書・贈与契約書等の作成は100件以上、相続相談は300件以上となっており、相続や遺言のことでお困りの方がいることを肌で感じ「相続は準備させすれば、ご本人もご家族も幸せになれる」ことを実務を通じて実感しています。
このブログでは、実務を通じて感じる相続や遺言の話を中心に書いています。
また、たまに相続や遺言以外のことを書いています。

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相続人となる妻または夫とは法律婚の相手です

以前に、ご相談があった事例です。
ご本人ではなくご兄弟がご相談に来られていました。

個人が特定されないように脚色を加えています。

「80歳になる兄がどこの誰だかわからない女性と一緒に暮らしていますが、財産目当てではないかと思うのです。」

よくドラマや映画にありそうな設定ですね。
ご相談者もドラマや映画を観て心配になったそうです。

詳しく話を聞いてみると、長男であるお兄さんは先祖代々続く土地・屋敷や周辺の土地を管理しており、仏壇もあって、若い時に奥様を亡くし、お子様はいないとのこと。
痴ほう症などではなく、意思判断能力はしっかりしているとのこと。

そんなお兄さんの所にいつからか、20歳くらい年下の女性が入り込んでいて一緒に暮らしている。
そして、どうもその女性は宗教関係者らしい・・・
今のところ、多額の寄付をしたりするようなことはないと思われるけど、そんなことを要求されているのかもしれない、とのこと。

悩む男性

確かに、ご相談者である弟さんが心配になる状況ですね。
よく、ミステリードラマで観る設定です。
実際に、そんな女性が多数の事件で、死刑判決が確定しましたからね。

そこで、ご相談者の質問は、
「兄に何かあったときに、その女性が相続することはあるのか?」

ご相談者からすると、まったく交流のない女性に先祖代々の土地・屋敷が渡るのは納得できず、さらに財産狙いでお兄さんは騙されているのではないかという心配です。
よくわかります。

「もし、入籍してれば相続人となります。入籍してなければ相続人とはなりません。」

配偶者は法定相続人となります。
ただし、ここで言う配偶者とは法律上の婚姻関係にある者をいいます。

ですから、事実婚、いわゆる内縁の妻や夫は法定相続人とはならないのです。

法定相続人以外に財産を残す遺贈

上記のご相談のケースでは、法律上婚姻していない、単なる同居人または内縁関係にある相手であれば、お兄様がお亡くなりになっても相続人にはならない保ことがわかりました。

ただし、法律婚にない事実婚、つまりは内縁関係がある方にも遺言書を書くことで、財産を残すことが可能です。
ご相談者様のケースでは、これがリスクとなります。

ご相談者のお兄様はお子様(第一順位の法定相続人)はいらっしゃらず、ご両親(第二順位の法定相続人)も他界しています。
法定相続人は第三順位の兄弟姉妹になります。

兄弟姉妹には相続権の最低限の権利を保障する「遺留分」がありません。
ですからご相談者様のケースで、お兄様が遺言書を書き、すべての財産をその女性に遺すとしていたら、兄弟姉妹はお手上げです。

その遺言書が法的要件を満たしているのであれば、そのまま財産は、その女性に渡るのです。

一方で、お兄様がその女性と入籍しておらず、遺言書もなければ、お兄様がお亡くなりになったとすれば、お兄様の所有となっている土地・屋敷も含め兄弟姉妹が相続することになりますから、遺産分割協議で決めればいいことではあります。

率直に話をすること

僕が今回のケースで問題点の整理とアドバイスしたのは、以下の3点。

1.お兄さんがその女性と入籍していないか確認する
入籍してたら配偶者として、法定相続人になりますからね。
本人に聞くしかありません。
このような調査のために、兄弟姉妹であっても勝手には戸籍謄本などは取得できませんから。

2.お兄さんがその女性に財産を遺す遺言書を書いていないか確認する
先に記していた通りもしお兄さんが遺言書で、その女性に全財産を遺す法的に有効な遺言書を書いて入れば、兄弟姉妹は手出しできません。
これもご本人に確認するしかありません。

3.お兄さんとよく話し合う
高齢のお兄さんです。
自分に何かあったときに先祖代々続いた土地・屋敷や仏壇をどうしたいのか?
そんなことを腹を割って相談し、ご相談者の思いも率直に伝えてみることをお勧めしました。
先祖代々続く土地・屋敷とはいえ、お兄様の財産であることに変わりはなく、その財産の処分方法を決められるのは、今のところお兄様だけなのですから。

そして「その結果を遺言書にまとめてもらってもいいのではないか」とアドバイスしたのです。

ミステリードラマのような悲しい結末となっていないことを祈るばかりです。

今日のJAZZ

サックス奏者ソニー・スティットの《Easy Living》をB.G.M.にブログを書いています。
スティットといえばアルト・サックスの印象がありますが、テナーも演奏したことで知られていて、吹き方が違うようで両方を使うミュージシャンは珍しいそうです。
Easy Living》ではテナーで演奏しており、落ち着いた丸みを帯びた優しい音色を聴かせてくれます。
スティットらしさがあっていいですね。

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城間 恒浩

代表者行政書士ジャジー総合法務事務所
沖縄県那覇市松尾の遺言・相続関係専門のJAZZ好きの行政書士。 2010年に父親と祖母を同じ年に亡くし2度の相続を経験。 その時に感じたのが「気軽に相続や遺言に関する相談先があったらいいのになぁ」ということ。 そんなことから、身近な街の法律家、遺言・相続専門の行政書士として、自分の経験や学んだ知識で相続でお困りの方のご相談にのっています。 行政書士は遺産分割協議書や遺言書作成などの相続関係のお手伝いもできるのです。 1971年9月生。国際協力関係の仕事に約11年間、社会保険労務士の事務所で約10年勤務後、2015年10月より現職。 エクスマ塾67期。エクスマ・エヴァンジェリスト15期。エクスマ学院1期。 JAZZが大好き。好きな場所は、沖縄とニューヨーク。 2016年9月よりラジオ番組パーソナリティーとしても活躍中。お気軽に「ジャジー」と声をかけてください!

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