沖縄で仏壇を引き継ぐのは長男と決まってる?

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JAZZ好きの行政書士城間恒浩(@jazzyshiroma)です。
僕は沖縄県の県庁所在地である那覇市松尾で遺言相続専門の行政書士として、遺言書や遺産分割協議書の作成、相続や終活のご相談を承っております。
これまで関係した遺言書・遺産分割協議書・贈与契約書等の作成は100件以上、相続相談は300件以上となっており、相続や遺言のことでお困りの方がいることを肌で感じ「相続は準備させすれば、ご本人もご家族も幸せになれる」ことを実務を通じて実感しています。
このブログでは、おなたの知りたい相続や遺言の話を中心に書いています。

トートーメーは誰が承継するのか?

昨日は春のお彼岸のお墓参りに行ってきました。
城間家は年に4回ほどお墓参りをします。
春と秋のお彼岸、清明祭とお盆です。

春のお彼岸 お墓参り

春のお彼岸 お墓参り

沖縄も地域によって、お墓参りの仕方は違いますが、祖先崇拝が強いので、年中行事は大事にしますね。
その祖先のご供養を中心になって行うのが「祭祀主宰者」(さいししゅさいしゃ)と言いますが、一般的には、○○家の長男が承継するのが慣習のようになっていますね。

しかし、地域によってその慣習も違い、沖縄でも様々な考え方がるでしょうし、日本でも様々な承継の仕方があるようです。

ちなみに、祭祀主宰者の決め方は民法で定められています。

第897条(祭祀に関する権利の承継)
1 系譜、祭具及び墳墓の所有権は、前条(896条「相続の一般的効力」を定めています)の規定にかかわらず、慣習に従って祖先の祭祀を主宰すべき者が承継する。ただし、被相続人の指定に従って祖先の祭祀を主宰すべき者があるときは、その者が承継する。
2 前項本文の場合において慣習が明らかでないときは、同項の権利を承継すべき者は、家庭裁判所が定める。

つまり、祭祀主宰者の決め方の順位が決まっていて「被相続人の指定(遺言書など)」、「慣習」、「家庭裁判所が決める」の順番で決まるのです。

長男が承継することが決まっているのではないのですが、一般的には慣習などで長男が引き継ぐことになるでしょうね。

遺言書で定めるときの文面は次のように書いたりします。

(祭祀主宰者の指定)
第〇条 遺言者は、遺言者及び祖先の祭祀を主宰する者として,長男沖縄太郎(昭和40年3月21日生)を指定する。祭祀主宰者は、仏壇・仏具等の祭祀用財産を承継し、法事等を執り行い、先祖供養に努めること。

ちなみに、祭祀主宰者が承継する墳墓、仏壇、仏具などは相続財産とはならず、相続税の課税財産にもなりません。

また、沖縄には位牌(トートーメー)を承継するルールがあります。
僕がこれまで調べたところによると「トートーメー継承4大タブー」なるものがあることを知りました。

沖縄の位牌継承4大タブー

沖縄の位牌継承4大タブー

 

【トートーメー継承4大タブー】
1.女性が位牌を承継してはならない(イナグ・ガンスの禁止)
2.父系の血族以外の血筋が入ってはいけない(タチー・マジクイの禁止)
3.長男が承継すること(チャッチ・ウシクミの禁止)
4.兄弟の位牌を同じ仏壇においてはいけない(チョーデー・カサバイの禁止)

全ての沖縄の地域がそうとは限りませんが、このタブーは気にする沖縄の方々もいると思います。
しかし、気にはするけど、このタブーに当てはまらないように祭祀主宰者を指定するのは難しくなっていますね。

昨今の少子化、核家族化などにより祭祀を主催する者を決めることも難しいのです。
例えば、長男は県外または海外に住んでいて沖縄に帰ってくる見込みがない。
子供が女の子しかいない。
状況的に沖縄の年中行事を執り行える人がいない。
など様々な事情があると思います。

実際に、霊園では手入れのされていないお墓も多数あり、祭祀主宰者が決まっていないことが考えられます。
また、僕の友人には自分の本家と奥様方のご先祖様を祭るために沖縄式の大きな仏壇を二つ自宅に備えているケースも見られました。
二つの家の祭祀を執り行うとは想像するだけで大変です。

現代の沖縄においては慣習やタブーにかからないように祭祀主宰者を決めるのは難しいかもしれません。

また、沖縄の年中行事はお金もかかるし、時間も取られます。
相続する際に祭祀主宰者へ経済的な負担を解消するような配慮もしなければ、子供たちの間で不公平感が生まれることもあるかもしれません。

家を継承するための養子縁組

ただ、沖縄では家を継ぐことや祭祀主宰者を決めることはとても大事なことだと考えられており、承継することに精神的な負担を考えている方々も多いようです。
沖縄ではよく行われていることなのですが、以前にご相談を受けたのはお子さんに男の子がいないため、○○家の名前を継いでもらうためにお孫さんと養子縁組をして名前を継いでもらい、相続の事を考えていきたいとのご相談がありました。

お孫さんは4歳くらいです。
僕は次のようにお話をさせていただきました。

「お孫さんはとても小さくて自分がおじいちゃんとおばあちゃんの養子になることについて理解できないと思います。実のお父さんとお母さんとの親子関係は残るにしても、大きくなるにつれてなんで自分の名字だけ、家族と違うのだろうかと考えることもあるかもしれません。
また、将来自分が○○家を次の次第に継承するにあたって、おじいちゃん、おばあちゃんと同じ心配や不安を感じ、場合によっては苦しむこともあるかもしれません。
ましてや、お孫さんが結婚するときに自分の名字ではなく、結婚相手の名字を名乗る可能性もあります。
だとすれば、現段階で○○家の名前を遺すことが本当に必要なのかをよくよく考えたほうがよろしいのではないでしょうか。そのことを決断するのもおじいちゃんとおばあちゃんの役割かもしれません。」

ご相談者にとっては、名前を遺すこと、仏壇やお墓を継承することは、重要であり、気にかかり、心配していることなのですが、次の世代が本当に同じように守れるのだろうか、ということや養子に迎える子たちの気持ちも大事にすべきだと思います。
もちろん、養子となる子が成人していて、自分の判断で家を継いでくれることを決めてくれるのであれば、養子縁組することはなんの問題もないでしょう。

沖縄の祭祀主宰者を決めるにあたって

なんにせよ、現代社会では、現状の家族の在り方に併せて祭祀主宰者を決めていく必要があると思います。
沖縄も例外ではありません。
祖先崇拝に基づきご供養をしっかりしつつも、現状に合わせた祭祀の在り方を考えてもらいたいですね。

沖縄の祭祀承継解決策

沖縄の祭祀承継解決策

 

【解決策】
◇昔のやり方に固執しない
◇祭祀の在り方を現状に合わせて考える
◇祖先は子孫を祟ったりしない
◇祭祀主宰にはお金がかかることを理解してもらう

 

かく言う僕も長男で城間家を承継する者です。
城間家の年中行事もかなり簡素化していますが、年中行事は細々と続けています。
ご先祖様のご供養は大事だと思うからです。
いつも見守ってくださっているご先祖様には感謝するばかりですから。

僕には二人の男の子がいますが、この先沖縄に住むのかもわからないし、同じようにはできないだろうから、子供たちがご先祖様をご供養できる方法を考え、話し合っていきたいと思います。

仏壇に手を合わせる長男坊(右)と僕

仏壇に手を合わせる長男坊(右)と僕。2018年のお盆。

今日のJAZZ

三連休の中日、自宅のダイニングでブログを書きながら聴いているのはトランぺッター、チェット・ベイカーの《Everytime We Say Goodbye》です。
曲のタイトルと言い、チェットの演奏と言い、寂し気なものです。
しかし、この感じがチェットなんですね。
土曜日のゆったりした朝を彩ってくれます。

相続セミナー・説明会情報

自主開催セミナー

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城間 恒浩

城間 恒浩

代表者行政書士ジャジー総合法務事務所
沖縄県那覇市松尾の遺言・相続関係専門のJAZZ好きの行政書士。1971年9月生。 エクスマ塾67期。エクスマ・エヴァンジェリスト15期。 JAZZが大好き。好きな場所は、沖縄とニューヨーク。 国際協力関係の仕事に約11年間、社会保険労務士の事務所で約10年勤務後、平成27年10月より現職。 2010年に父親と祖母を同じ年に亡くし2度の相続を経験。 その時に感じたのが「気軽に相続や遺言に関する相談先があったらいいのになぁ」ということ。 そんなことから、身近な街の法律家、遺言・相続専門の行政書士として、自分の経験や学んだ知識で相続でお困りの方のご相談にのっています。 行政書士は遺産分割協議書や遺言書作成などの相続関係のお手伝いもできるのです。 平成28年9月よりラジオ番組パーソナリティーとしても活躍中。お気軽に「ジャジー」と声をかけてください!

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