配偶者はいつでも相続人となりますが、全ての財産を相続できるわけではありません。

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朝晩は少し冷える沖縄県那覇市です。
朝の一服で身体に血が巡るのを感じています。
温かな一杯は美味しいですね。
沖縄県那覇市の遺言・相続専門JAZZ好きの行政書士ジャジーこと城間恒浩です!

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遺産は配偶者一人のモノではありません

先日、遺言書を作成したいとのご相談がありました。
お客様は友人から「あなたの旦那は遺言書を書くべきだ」と言われ、巡り巡って僕にたどり着いたようです。

お客様はお子様のいらっしゃらないご夫婦で、ご夫婦ともにご両親は他界されています。
ご夫婦には夫々複数名の兄弟姉妹がいます。
旦那様がご自宅の不動産や預貯金口座の財産を有しています。

最初にお客様とご相談した時には「私は妻だから全部相続できますよね?」と質問してこられました。
お客様は、その友人がしきりに旦那に遺言書を書くことを勧めることにピンと来ていなかったようです。

配偶者だからと言って、いつでも相手方の全ての財産を相続できるわけではありません。
相続人には順番があり、第3順位まで決まっています。
配偶者が全ての財産を相続できるケースは、第3順位までの相続人がいないケースだけです。

法定相続人の範囲

法定相続人の範囲

 

お客様の友人が、お客様の旦那様に遺言書を書くように伝えていたのは、場合によっては相続が深刻なことになるからです。

もし、お客様の状況でしたら、旦那様が亡くなり、相続が開始すると法定相続第1順位の直系卑属(子や孫など)、同2位の直系尊属(父母や祖父母など)がいなければ、同3位の兄弟姉妹と配偶者である妻が相続人となります。

法定相続人第三順位兄弟姉妹が相続人となる例。

 

遺言書がなければ、相続人全員で遺産分割協議が必要となりますが、兄弟姉妹が全ての財産を配偶者が相続することに同意すれば、何の問題もなく亡くなった夫の遺産は全て配偶者である妻が相続可能です。

しかし、もしも兄弟姉妹が遺産分割協議で自分の権利を主張してきたらどうでしょうか?
兄弟姉妹には遺産全体の4分の1に対して相続する権利があるので、配偶者が全て相続することは難しくなります。

もしも、預貯金などに余裕があるのであれば、預貯金から兄弟姉妹が相続できる遺産を分割すればいいかもしれませんが、遺産のほとんどが居住用不動産だと、場合によっては遺された妻は生活する場を失ってしまうこともあります。

相続の準備がされていないと・・・

 

僕も独立してからすぐに、このような案件で、とても困っている状況にある配偶者からご相談を受けて知識はあったけれども、実際に起こることがあるのだと思い衝撃を受けたことがありました。
ですから、それからは推定相続人が配偶者と兄弟姉妹となるケースでは遺言書を強く書くことを勧めています。

兄弟姉妹には遺留分がない

なぜ、このケースで遺言書をあくことを勧めるのかといいますと、兄弟姉妹には遺留分がないからです。
遺留分とは相続人の相続する最低限の権利を保護する制度ですが、配偶者、直系卑属(子や孫など)と直系尊属(父母や祖父母など)だけに認められています。

遺言書は遺留分を侵害することができません。
しかし、遺言書が無効になるわけではなく、遺留分を侵害された者が、侵害している相続人に対し「遺留分侵害額請求」をすることで、自分の権利の一部を取り戻すことができるのです。

権利の一部と申し上げたのは、遺留分は遺産全体に対して2分の1(配偶者、直系卑属)または3分の1(相続人が直系尊属だけの場合)となっているからです。

逆に言えば、推定相続人が配偶者と兄弟姉妹の場合で、兄弟姉妹には遺産を遺さずに配偶者だけに相続させたい場合には、遺言書が必須となるのです。

あなたの大事な人が、あなたの死後、路頭に迷わないようにしっかりと準備しいてください。

遺言書作成上の注意点「遺留分」。法改正により「遺留分減殺請求」は「遺留分侵害額請求」となっています。

今日のJAZZ

事務所でブログを書きながら聴いているのはトランぺッター、チェット・ベイカーの《Time On My Hands》です。
しっとりしたスタンダード曲のバラードは落ち着きますね。
リズムセクションはビル・エヴァンス(ピアノ)、ポール・チェンバース(ベース)とフィリー・ジョー・ジョーンズ(ドラムス)です。

相続セミナー・説明会情報

自主開催セミナー

より良い人生を送るための終活と相続 ~幸せな相続の準備~ 説明会

【開催概要】
◇開催年月日:令和2年2月27日(木)
◇時間:10:00~11:45
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◇電 話098-861-3953
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題名に「2/27セミナー参加申込」と入力お願いします。
本文にはご参加者人数、お名前と連絡先(電話番号)のご記載をお願いします。

【会 場】
沖縄県教職員共済会館「八汐荘」3階小会議室
那覇市松尾1-6-1
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【ラジオ番組パーソナリティ】

「ジャジーのJAZZタイム×幸せな相続相談」(FMレキオFM80.6MHz)
毎月第1および第3水曜日21:00~21:50放送中。
ご家庭のラジオなら那覇市と浦添市、カーラジオなら北は読谷村、沖縄市、南は豊見城市、与那原町まで聴けます。
スマホのアプリならFMレキオのサイトでアプリをダウンロードすると日本全国、世界中で聴けますよ。
JAZZのリクエストや遺言・相続に関する相談はこちらへどうぞ!

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城間 恒浩

代表者行政書士ジャジー総合法務事務所
沖縄県那覇市松尾の遺言・相続関係専門のJAZZ好きの行政書士。 2010年に父親と祖母を同じ年に亡くし2度の相続を経験。 その時に感じたのが「気軽に相続や遺言に関する相談先があったらいいのになぁ」ということ。 そんなことから、身近な街の法律家、遺言・相続専門の行政書士として、自分の経験や学んだ知識で相続でお困りの方のご相談にのっています。 行政書士は遺産分割協議書や遺言書作成などの相続関係のお手伝いもできるのです。 1971年9月生。国際協力関係の仕事に約11年間、社会保険労務士の事務所で約10年勤務後、2015年10月より現職。 エクスマ塾67期。エクスマ・エヴァンジェリスト15期。エクスマ学院1期。 JAZZが大好き。好きな場所は、沖縄とニューヨーク。 2016年9月よりラジオ番組パーソナリティーとしても活躍中。お気軽に「ジャジー」と声をかけてください!

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