今すぐ遺言を書こうと思ったときに注意すべきこと。


午前中に少し仕事を終わらせて、土曜日の昼下がりジャズを聴きながらブログを書いています。
天気が良くて涼しい風が吹き爽やかです。
ベランダの植物の手入れをしたらスッキリして気持ちよくなりました。
外出したい気もしますが、夕方までは自宅でゆっくりします。
沖縄県那覇市の遺言・相続専門JAZZ好きの行政書士ジャジーこと城間恒浩です!

自宅のベランダの植物と空

自筆証書遺言は何に書くべきか?

遺言書を書こう!思い立ったら吉日!
周りを見渡すと、スーパーのチラシとHBの鉛筆がある。

チラシの裏に書いた遺言書

とりあえず、遺言書を書いてみた!
さてこれは有効でしょうか?

遺言書が法律上、有効であるためには、厳格な要件があります。
自筆証書遺言の要件は、民法(968条)で定められていますが、以下の通り。

第968条
1 自筆証書遺言によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならない。

つまり、遺言者が・・・

1.全文自書
2.作成年月日記載
3.氏名を自書(署名)
3.印を押印

自筆証書遺言の法的要件はこれだけ。

自筆証書遺言法的4要件

遺言の中味は別問題ではありますが、これを押さえておけば、形式上は有効となります。
というのは遺言書で法的な拘束力を持たせることができるのは12項目だけなので、なんでも書いていいわけではありません。

遺言書にかける法的拘束力のある12項目

本題に戻りますが、遺言書を作成するに当たっては、その用紙や筆記用具までは指定されていないのです。

ですから、筆記用具は、ボールペン、鉛筆や墨汁でもOKなんです。
また、その用紙もスーパーのチラシや裏紙でもいいわけです。

しかし、スーパーのチラシはつるつるしていて、鉛筆では書きにくいものも多いですし、鉛筆で文字を書くと擦れてしまうかもしれません。

また、スーパーのチラシは裏写りして、内容が不鮮明になり、判別できない文字が出てくるかもしれないですね。

そうなると、遺言書として無効になる可能性もあります。
いろいろ問題がありそうです。

ですから、僕は絶対にスーパーのチラシの裏に、鉛筆で、遺言書を書くことはお勧めしません!

また、下書きで書いたつもりのスーパーのチラシの遺言書が、形式上有効で、もし遺言者が亡くなったりするとそのまま遺言が執行されたりすることもあるかもしれませんから、注意しましょうね。

思い立ったら、遺言書を書くのはいいのですが、書きとめる紙や筆記用具には少しだけはこだわってください。

自筆証書遺言の要件緩和

昨年の民法改正により自筆証書遺言の要件が緩和されています。
具体的にいいますと民法968条2項が追加されて、今年1月13日に施行されています。

民法968条
2 前項の規定にかかわらず、自筆証書にこれと一体のものとして相続財産(第997条第1項に規定する場合における同項に規定する権利を含む。)の全文又は一部の目録を添付する場合には、その目録については、自書することを要しない。この場合において、遺言者は、その目録の毎葉(自書に因らない記載がその両面にある場合にあっては、その両面)に署名し、印を押さなければならない。

自筆証書遺言は全文自書が原則ですが、財産目録などを添付する場合には、ワープロで作成した財産目録、全部事項証明書(不動産登記簿)や通帳のコピーを添付することでも可能となったのです。
ただし、その場合には添付書類の全てに遺言者が署名し、遺言書に押印した同じ印を押さなければなりません。

自筆証書遺言の修正の方法は厳格に定められている

自筆証書遺言は長文になることもあるかと思います。
そうなると修正が必要な場面が出てくるでしょう。
その修正の方法も民法968条3項に厳格に定められています。

民法第968条
第3 自筆証書(前項の目録を含む。)中の加除その他の変更は、遺言者が、その場所を指示し、これを変更した旨を付記して特にこれに署名し、かつ、その変更の場所に印を押さなければ、その効力を生じない。

修正する要件を満たせないと遺言書の全部または一部が無効になる可能性もありますので、お気をつけください。

上記の条文によると鉛筆で書いた遺言書を消しゴムで消して修正すると無効になる可能性もありますね。

いずれにせよ、自筆証書遺言を書く場合には、便箋にボールペンで書き記し、修正が必要な場合には書き直したほうが得策かもしれません。
大事な遺言書ですから。

また、一般の方が書いた遺言書は必ず専門家にチェックしてもらうことをお勧めします。
法的要件や付け加えると望ましい項目がありますので。

今日のJAZZ

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城間 恒浩

代表者行政書士ジャジー総合法務事務所
沖縄県那覇市松尾の遺言・相続関係専門のJAZZ好きの行政書士。 2010年に父親と祖母を同じ年に亡くし2度の相続を経験。 その時に感じたのが「気軽に相続や遺言に関する相談先があったらいいのになぁ」ということ。 そんなことから、身近な街の法律家、遺言・相続専門の行政書士として、自分の経験や学んだ知識で相続でお困りの方のご相談にのっています。 行政書士は遺産分割協議書や遺言書作成などの相続関係のお手伝いもできるのです。 1971年9月生。国際協力関係の仕事に約11年間、社会保険労務士の事務所で約10年勤務後、2015年10月より現職。 エクスマ塾67期。エクスマ・エヴァンジェリスト15期。エクスマ学院1期。 JAZZが大好き。好きな場所は、沖縄とニューヨーク。 2016年9月よりラジオ番組パーソナリティーとしても活躍中。お気軽に「ジャジー」と声をかけてください!

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