【相続の基礎】第三順位の法定相続人とその相続分について。
JAZZ好きの行政書士城間恒浩(@jazzyshiroma)です。
僕は沖縄県那覇市松尾で遺言相続専門の行政書士として、遺言書や遺産分割協議書の作成、相続や終活のご相談を承っております。
これまで関係した遺言書・遺産分割協議書・贈与契約書等の作成は200件以上、相続相談は400件以上となっており、相続や遺言のことでお困りの方がいることを日々感じ、「相続は準備させすれば、ご本人もご家族も幸せになれる」ことを実務を通じて確信しています。
このブログでは、実務を通じて感じる相続や遺言の話を中心に書いています。
また、たまに相続や遺言以外の好きなジャズのこと、日常や僕の想い・考えも書いていますよ。
本ブログが少しでもお役に立ちましたら嬉しいです。
目次
法定相続人と相続分
一昨日から相続の基本的な事項として、法定相続人と相続分について書いてきましたが、最終回です。
本日は第三順位の法定相続人である兄弟姉妹について解説します。
まずは少しおさらいをすると・・・
相続人には優先順位があります。
第一順位相続人 直系卑属(子や孫など)
第二順位相続人 直系尊属(父母や祖父母など)
第三順位相続人 兄弟姉妹
常に(いつでも)相続人 配偶者(法律上婚姻関係にある妻や夫)
第三順位相続人兄弟姉妹の相続分と事例
第一順位直系卑属(子や孫など)と第二順位直系尊属(父母や祖父母など)が誰もおらず、第三順位の兄弟姉妹に相続権が発生するケースについて、事例を交えて解説します。
お子さんのいないご夫婦がいらして夫が亡くなりました。
夫のご両親も既に他界していますが、夫には兄弟姉妹が3名いました。
相続人は常に(いつでも)相続人となる妻と姉、妹と弟の4名です。
相続分は妻が4分の3、兄弟姉妹は4分の1で3名が12分の1ずつとなります。
遺産額3,000万円を例にすると妻が2,250万円、姉、妹と弟が250万円ずつを相続することになります。
このケースでも妻には不満や疑問がわくかもしれません。
夫婦で築いてきた財産をなぜ夫の兄弟に分けなくてはいけないのか?
僕もそう思います。
昔の大家族時代はともかく、現代は核家族化が進む中で完全に独立して生活しているであろう兄弟姉妹に財産を分ける必要があるのかと考えるのが普通かもしれません。
しかし、法律はそうなっているのです。
遺された配偶者にとってみるとなんでだ?と疑問と不満が多いかもしれないですね。
また、兄弟姉妹に養子が含まれるとした場合も、その養子も実の兄弟姉妹と同様に相続人となります。
上記の例ですと、仮に「弟」が「養子」(読み替える)だったとすると、被相続人である夫との血縁関係があり、相続人となります。
なお、普通養子縁組をした養子の場合には、実の親、祖父母や兄弟姉妹の血縁関係が切れるわけではありませんので、養子として入った家族の間と実の家族の相続人となることがあるわけです。
第三順位相続人兄弟姉妹の代襲相続
そして第一順位の直系卑属の相続でも書きましたが、第三順位の兄弟姉妹が相続人になる場合にも発生する可能性があるのが、代襲相続です。
この制度が相続をややこしくしているものであると解説しました。
例えば、下の図のように夫が亡くなる以前に弟が亡くなっていて、弟に子(夫の甥・姪)がいたとすると弟に子(夫の甥・姪)が代襲相続することになります。
ただし、代襲相続までで、甥姪よりも下に再代襲されることはありません。
直系卑属の場合にはひ孫が再代襲する可能性がありますが、その違いです。
なお、仮に下の図の事例で、「弟」が「養子」(読み替えてください)だったとします。
「弟の子」は「養子の子」(読み替えてください)とすると、養子の子が代襲相続人となるためには、養子が養親と縁組をした日以後に出生していないと代襲相続人とはなりません。
言い換えると、養子の子が、養子と養親との縁組前に出生していたら、代襲相続人とはならないということです。
さて、第三順位の兄弟姉妹の代襲相続人(甥・姪)が相続人となるケースも被相続人の配偶者にしてみると納得のいかないことがあるかもしれません。
何故かと言えば、夫婦の財産を縁の遠い甥や姪に分け合わなければならないのですから。
沖縄では先の大戦前からの移民政策により、世界中に沖縄県人が散らばっています。
兄弟姉妹が南米にいるといったこともあるかもしれません。
そんなケースだと例えば、上のケースで弟さんは南米にいて現地の人と結婚し、子供が生まれていて、夫も妻もそのことは聞いていたけど一度も会ったことがない、ということも考えられます。
甥姪とは言え一度も会ったことのない人に夫婦で築いた財産を分けることに納得できるでしょうか?
不満に思う方が多いのではないかと思います。
配偶者と兄弟姉妹が相続人となるケースについては、深刻な問題を引き起こす可能性があるので、明日にでも記事にしたいと思います。
今日のJAZZ
ピアニスト、エロル・ガーナーの《The Way Back Blues》をB.G.M.にブログを書いています。
この演奏を聴いてるとジャズのベースはブルースなんだな、と改めて思います。
哀愁も漂ってくる感じがする。
いいですね。
相続セミナー・説明会情報
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延期となり開催日が変更となりました。
時間と会場に変更はありません。
R4/5/12(木)追記
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