終活に取り組む方に知っておいてもらいたい遺言書とエンディングノートの違い。

なんだか急に寒くなった沖縄県那覇市です。
これだけ気温差があると体調を崩す方も多いかもしれません。
お気をつけくださいね。
ただ、寒いのは嫌いではありません。
出先から温かい飲み物をコンビニで買って事務所に帰ったのですが、冷めてました。
沖縄県那覇市の遺言・相続専門JAZZ好きの行政書士ジャジーこと城間恒浩です!

終活とは?

団塊の世代(昭和22年から24年生まれ)の世代が約806万人いるとされています。
ちなみに、沖縄の場合には一説では昭和35年生まれ位までが団塊の世代とも言われるようですね。
この世代の方は少子高齢化が進む日本で、自分の人生は最後まで自分で決めたいと思われる方も多いようで、終活が盛んになっている背景でもあるようです。

それでは、終活とはなんなのでしょうか?
身の回りの生前の整理(断捨離)、介護、終末期医療、葬儀、お墓、相続や遺言のことなどを考え準備することが「終活」の主な活動だとされていますが、なぜそんなことをするのでしょうか?

人生の終盤を迎えるということを考えるのは、シビアで、気が重く、あまり触れたくないことかもしれないのに、終活が盛んになる背景はどんなところにあるのでしょうか?

それは、以前に公益財団法人沖縄県メモリアル整備協会のセミナーで相続の話をさせてもらいましたが、一緒に講師をされた終活カウンセラーの東恩納寛寿さんがおっしゃっていました。

終活とは人生の終焉を考えることを通じて、自分を見つめ、今をよりよく自分らしく生きる活動のこと。

終活とは

僕はこの説明を聴いたときに「なるほど!」と終活のことが腑に落ちました。
皆、人生を最後まで楽しみ自分らしく積極的に生きたいと考えているのだと思ったのです。

終活というのは、決して後ろ向きの活動ではなく、前向きな活動なんだと確信した瞬間でした。

終活ですべきこと

自分の葬儀のことを決めておくのも終活の一環ですが、終活では他にどんなことをするのでしょうか?

人生の終盤に向けての活動ですから、全てが終活になるとは思いますが、特に終活で考えられるのは・・・

〇元気なうちに:断捨離、自分史の作成
〇体のこと:介護、看護、終末期医療
〇財産の承継:相続、遺言書
〇亡くなった後:葬儀、墓、供養の方法

大きく分けるとこんなところでしょうか。

実際に終活を始めると、現在の自分の状況を健康状態、財産状況、家族関係、友人関係、仕事面から把握することに始まります。
そうすると自分の現在の状況を書き出したりして記録する必要が出てきます。

そんな時にはエンディングノートが便利なようですね。
書店でも沢山のエンディングノートを見かけます。
僕はなるべく薄めのエンディングノートを探して、完成させることをお勧めします。
あまり気合が入りすぎて分厚いものや難解なエンディングノートを選ぶと気持ちがなえてしまうからです。

様々なエンディングノート。

自分の出生から現在までの履歴をまとめたり、財産目録(不動産、預貯金、現金、株式、ゴルフ会員権、美術品、骨董品、宝飾品、インターネットバンキングの利用有無、ネット投資の利用有無、貸金庫の有無などなど)、健康状況に鑑み通院記録や服薬記録、友人関係のリスト、仕事関係者のリスト、家族親戚関係のリストなどを作成したりして何らかの形で自分のことを洗い出します。

そして、自分がもしもの時に備えて、介護や看護、終末期医療、余命宣告などをどうしてほしいのか、葬儀、お墓、仏壇や法要はどうしてほしいのか、相続はどのように考えるのか、遺言書を書く必要があるのかなどを考えることも終活の大事な活動です。

こう考えると終活も様々なことを考えて、やるべきこと、準備すべきこと、家族に理解してもらうことなど沢山ありますね。

だとすれば、元気なうちに早めに着手したほうがいいかもしれません。
40代や50代から始めるのもうなずけます。

僕の仕事も終活の一環である相続や遺言も大事なところです。
自分の築き上げた財産もしくは先祖代々続く財産をどのように次の世代に承継するかを考えることは、ご家族のためでもありますが、自分のためでもあると思います。

相続のことを考えると不安になったり、心配したり、落ち着かなかったりするかたも多いようです。
僕のお客様もそういった方が多い。
でも、相続のことを考え、家族が争わないように、家族が煩わしい想いをしないようにとしっかりと準備をすることで、人生の終盤の活動で、落ち着いた人生を送れます。

相続においては、遺言書を書くことが終活の一環となると思います。
遺言書を書いた皆さんは口々におっしゃります。

「安心しました。」

そうして、人生の最後まで楽しく、充実した日々を送れるのではないかと思います。
終活に取り組む皆さんには、相続のことも真剣に考え遺言書を書いてもらいたいと思います。

遺言書とエンディングノートの大きな違い

終活に取り組む上で、欠かせないのがエンディングノートと遺言書ですが、二つの大きな違いについて触れておきます。

エンディングノートは自分の情報の整理に使うものです。
氏名、生年月日、性別血液型、財産目録、加入している保険、預貯金口座、ネットバンキング利用の有無、ネット株式取引の有無、介護のこと、終末期医療のこと、葬儀に呼んでもらいたい友人・知人のこと、ご供養の方法などを記載します。

遺言書は主に遺産の分与方法、相続人の廃除や子の認知などに使われます。

エンディングノートと遺言書の大きな違いは、法的な拘束力があるかどうかです。

遺言書には法的な拘束力があります。
遺産の分割方法などは、遺言書に従うのが原則となります。
ですから法的要件が厳格に定められているんですね。
相続人が廃棄や改ざんなどをすると相続人の立場も奪われることがあります。
故人の最終意思を示す書面ですから当たり前ですね。

一方で、エンディングノートは法的な拘束力がありません。
あくまでも情報の整理と希望を書く程度です。
相続人が廃棄したからといって、相続人の立場が奪われることはありません。
もちろん、道徳的な問題はありますよね。

しかるにエンディングノートで情報を整理し、遺言書を書いて遺産の承継方法を指定すると効率的に終活にとりくめるのではないでしょうか。

終活に取り組む方に両者の違いを知っていただき、うまく使うといいのではないかと思います。

今日のJAZZ

バラードを聴きながらブログを書いてます。
バラードといえばサックス奏者ジョン・コルトレーンのアルバム『Ballads』が思い浮かびますが、その中から《It’s Easy To Remembe》を紹介します。
いやはや落ち着きます。

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