病床にある方が作成できる遺言書の種類。
今朝は激しく雨が降る沖縄県那覇市でした。
出かけるのが夕方でよかった。
こんなときには自宅兼事務所であることが、ありがたく思います。
沖縄はそろそろ梅雨も明けるのかな?
こんにちは!沖縄県那覇市の遺言・相続専門JAZZ好きの行政書士ジャジーこと城間恒浩です!
緊急時の遺言書
今回、急に体調を崩されて入院されたお客様から遺言書の作成依頼を受けました。
ご家族を通じて僕に連絡があったのですが、ご親戚が以前に僕の相続セミナーにご参加いただいたことがあり、ご紹介いただいたようです。
ご依頼者が入院されているということで、早速、病院に出向いて面談。
お会いした時は入院した翌日で、顔色も悪く、体を起こすこともできずに、声もかすれている状況でした。
ご家族もご本人も今後健康状態がどうなるのかが分からず、とてもご心配されていました。
ご本人は死をも覚悟しているように見えました。
しかし、医師判断能力はしっかりされていて、しっかりと自分のお考えを話されていましたので、僕は遺言書は作成できそうだと判断し、遺言書の作成手順と作成できる遺言書についてご提案、説明したのです。
健康状態が予断を許さない状況でしたので、4つの遺言書の方式についてお話ししました。
1.危急時遺言
病気や飛行機事故などで自分に死が迫っていると感じた人が作成する遺言書です。
証人3人以上の前で、遺言者が遺言を口述し、証人の一人が筆記して、遺言者と証人に読み聞かせて、証人3名が署名捺印して作成します。
作成した遺言書は家庭裁判所で確認の手続きを取らなくてはなりませんが、確認にかかる時間ははっきりしません。
家庭裁判所も可及的速やかに対処する案件とはわかっているのですが、確認期間は明示していません。
僕はこの制度は、速やかな対応が必要なものであるので、家庭裁判所が行う期間を明確にすべきだと思います。
即日でも遅いことがありますから。
また、危急時遺言を作成後、6か月後に遺言者が存命の場合には、遺言書は無効となるようです。
2.公正証書遺言
公証人と証人2名以上の前で、遺言者が公証人に口述して公証人が作成した遺言書に遺言者、公証人と証人が署名捺印して作成します。
実際は遺言書の原案を公証人役場に提出して、当日、本人に遺言について尋ね、読み聞かせて確認する方法がとられます。
公証人は病床の遺言者のもとに出張して対応してくれますが、公証人の予定を確保しないといけないので、1ケ月ほどかかることがあります。
また、費用も通常の手数料(相続人・相続財産の価額による)の1.5倍となり、公証人の出張日当(1万円/4時間まで。2万円/1日)と交通費(沖縄は往復のタクシー代)が必要となります。
3.秘密証書遺言
遺言の内容を秘密にしたい時に作成する遺言ですが、ワープロ作成や第三者が代筆することもできる遺言です。
遺言書に署名捺印し、封筒に入れて、遺言書に捺印した同じ印で封印して作成します。
封印した遺言書は公証人役場で公証してもらうことにありますが、公証人は遺言の内容までを確認するわけではないので、秘密証書遺言を作成したことを公証することになります。
公正証書遺言と同じく、公証人は病床の遺言者のもとに出張して対応してくれますが、公証人の予定を確保しないといけないので、1ケ月ほどかかることがあります。
手数料は通常(定額11,000円)の手数料1.5倍、公証人の出張日当と交通費が必要となるのは公正証書遺言と同じです。
僕のお客様は自分で字を書くのが不得意であったり、長文の遺言書の作成は難しいとのことで、僕がワープロで作成した遺言書に署名捺印して秘密証書遺言を作るケースも増えています。
4.自筆証書遺言
自分でいつでも作成できるので、一番手軽かつ迅速に作成できるものです。
遺言の内容を全文自書し、作成年月日を記載し、署名、捺印することで作成できる遺言書です。
なお、遺言書の財産目録については、今年の1月13日からワープロ作成、不動産登記簿や預貯金通帳のコピーの添付でも認められるようになりましたが、財産目録の添付書類には全てのページに署名捺印(遺言書本文と同じ印)しなくてはなりません。
法的な知識のない方が作成するものなので、内容に法的な不備があったり、要件を満たしていなこともありますので、作成したら専門家のチェックは必須だと思います。
例えば、夫が病床にあるときに、とにかく全ての財産を妻に遺したい、と考えた時などは「遺言者は、遺言者の全ての財産を妻沖縄はな子(昭和55年5月5日生)に相続させる。」と記し、作成年月日を記載し、署名、捺印すれば有効な遺言書は作成できると思います。
可及的速やかにシンプルな遺言書を作成するなら、自筆証書遺言が一番いいでしょう。
以上のように、緊急時に作成できる遺言書はいくつかあります。
ただ、どれも一長一短です。
速やかに対応したいのに、時間もかかります。
幸いにも今回のお客様は健康状態を持ち直して、退院されましたが、自宅で療養中です。
今、公証人に遺言者の自宅に出向いていただき、公正証書遺言を作成する段取りを進めています。
公証人役場でも出張しての遺言書の作成も増えているとのことです。
いつも申し上げていることですが、人の寿命や健康は、いつどうなるか分かりません。
ですから、元気なうちに早めに準備してください。
ご家族の幸せを願うなら遺言書は必要です。
しかし、今回のお客様は持ち直してくださり、本当に良かった。
遺言書を完成させたらホッとして、さらに元気になって、長生きするはずです。
しっかり、お手伝いをさせていただきたいと思います。
今日のJAZZ
今週もピアニスト、ビル・エヴァンスに聴き入っています。
今月末から沖縄県那覇市の桜坂劇場でも上映されるドキュメンタリー映画「ビル・エヴァンス タイム・リメンバード」が楽しみだから、しょうがないかな。
本作ではエヴァンスの演奏が55曲流されるそうですが、その中から16曲を厳選して制作されたサントラ的なアルバム『BILL EVANS SONG ON TIME REMEMBERED』を聴いてます。
映画の字幕を監修したジャズ・プロデューサー行方均が選曲して制作されたコンピレーション・アルバムで、エヴァンスの入門CDとしも最適です。
もちろん、僕もすぐに購入して何度も聴いています。
今日はそのアルバムの2曲目に収録されている《Very Early》を紹介します。
エヴァンスが学生時代に作曲して、生涯をとおして演奏していた曲です。
落ち着いたロマンチックな曲です。
【相続セミナー・説明会情報】
「中学生でもわかるやさしい相続と遺言のはなし~幸せな相続の準備~説明会」
【開催概要】
◇開催年月日:令和元年6月29日(土)
◇時間:10:00~11:45
◇定員:先着12名
◇参加費:2,000円(税込)/名
※当日、会場にてお支払いください
【申込方法】
◇電 話098-861-3953
◇メールお問合せフォーム
題名に「6/29セミナー参加申込」と入力お願いします
【会 場】
沖縄県教職員共済会館「八汐荘」3階小会議室
那覇市松尾1-6-1
駐車場有(説明会参加者無料)
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【ラジオ番組パーソナリティ】
「ジャジーのJAZZタイム×幸せな相続相談」FMレキオ(FM80.6MHz)
毎月第1および第3水曜日21:00~21:50放送中。
ご家庭のラジオなら那覇市と浦添市、カーラジオなら北は読谷村、沖縄市、南は豊見城市、与那原町まで聴けます。
スマホのアプリならFMレキオのサイトでアプリをダウンロードすると日本全国、世界中で聴けますよ。
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