仏壇やお墓を承継する祭祀主宰者はどのように決まるのか?
JAZZ好きの行政書士城間恒浩(@jazzyshiroma)です。 僕は沖縄県那覇市松尾で遺言相続専門の行政書士として、遺言書や遺産分割協議書の作成、相続や終活のご相談を承っております。
これまで関係した遺言書・遺産分割協議書・贈与契約書等の作成は100件以上、相続相談は300件以上となっており、相続や遺言のことでお困りの方がいることを肌で感じ「相続は準備させすれば、ご本人もご家族も幸せになれる」ことを実務を通じて実感しています。
このブログでは、実務を通じて感じる相続や遺言の話を中心に書いています。
また、たまに相続や遺言以外のことを書いています。
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トートーメーやお墓は誰が守るのか
相続の相談を承っていると必ずと言っていいほど出てくるのが、トートーメー(仏壇)、お墓や親・祖父母・ご先祖様のご供養のことです。
沖縄特有の相続事情の一つでもあると思います。
11月に入ってからも3件ほどご相談がありました。
祭祀主宰者の承継も立派な相続の一つですが、どのようにして決まるのでしょうか?
民法に規定があります。
民法第897条
1.系譜、祭具及び墳墓の所有権は、前条の規定にかかわらず、慣習に従って祖先の祭祀を主宰すべき者が承継する。ただし、被相続人の指定に従って祖先の祭祀を主宰すべき者があるときは、その者が承継する。
2.前項本文の場合において慣習が明らかでないときは、同項の権利を承継すべき者は、家庭裁判所が定める。
祭祀主宰者の承継は、慣習に従いますが、被相続人が指定、つまりは遺言書で祭祀主宰者を指定していたときには遺言書での指定が優先されます。
もし、被相続人による指定もなく、慣習によって承継するものがいなければ、家庭裁判所が利害関係者の申し立てにより決定するものとされています。
ちなみに被相続人が指定する方法は、遺言書だけではなく口頭や候補者に生前に通知していることでも祭祀主宰者の指定となりますが、後々のトラブルを避けるためにも遺言書に書いたほうがいいかもしれません。
また、祭祀主宰者は慣習に従うとなれば、長男などの一族の相当のものが引き継ぐことにあると思いますが、必ずしも長男でないといけないとか、男性でなくてはならないとか、氏が一緒でなければならないなどの決まりはありません。
こんな風に法律では決まってますが、祭祀主宰者を決めることは簡単なことではありません。。
もちろん、誰が祭祀主宰者としてトートーメーやお墓を引き継ぐのか?と言ったことも沖縄ではとても重要なことですが、多様な家族形態や経済的な事情などで従来の祭祀のあり方に縛られると承継は難しい状況になっているのではないでしょうか。
僕も長男で、お墓やトートーメーがありますが、次の世代の子供たちへの承継方法は検討せざる得ない状況だと思います。
今までと同じようにはできないから。
沖縄の法事はお金も手間もかかるので、従来通りのやり方だとかなりの負担がかかると思われます。
また、一族門中が入る大きなお墓も沖縄にはありますが、この維持や行事の継承も課題となっているようです。
過去にお墓の承継のことでご相談を受けた事例です。
聞くとお祖母ちゃんの母方のお墓をお祖母ちゃんが所有しているのだけれども、お祖母ちゃんは養子だったので、そのお墓には血のつながっている人はおらず、養母も他のお墓に入り、知らない人ばかりが入っているお墓となっていて、本来持つべき人に戻したいとのことでした。
相続の流れでそんなことになったようなのですが、そんなこともあるんですね。
ビックリします。
また、お仕事で知り合った管理型霊園を運営する公益財団法人沖縄県メモリアル整備協会には祭祀の在り方、ご供養の仕方やお墓のことのご相談が絶えないそうです。
最近ではご供養の方法も多岐にわたり、必ずしもお墓も作るのではなく、永代供養も増えているようです。
核家族化や親せき間の交流が薄くなっていることから全国的には無縁仏が急増しており自治体が対応に苦慮しているとのこと。
沖縄でも今後増加していくことではないでしょうか。
なんにせよ人の御霊をご供養するわけですから、皆さんしっかり対応したいと考えるのは自然の流れだと思います。
また、祭祀の在り方を大事にする沖縄には祭祀を承継するタブーと言ったものが多々あり、それが承継を難しくしていることもあるようです。
しかし、この現状においては祭祀の承継もできることを取捨選択して、承継していかなければ本来大事にしなくてはならない、親、祖父母やご先祖様をご供養するといったこともできなくなるかもしれません。
城間家がお世話になるお寺さんの住職と祭祀やご先祖様の御供養についてお話ししたことがあります。
「今の世の中は皆さん忙しく、家族の在り方も変わり従来通りのご供養はできないと思う。しかし、亡くなった方やご先祖さまへの感謝の気持ちを何らかの形で伝えられさえすれば、ご先祖様は子孫に罰を与えたたりはしない。ご先祖様は子孫を見守ってくれているのです。これまで通りのご供養ができないとしても罰当たりだとか思わなくてもいいのです。」
と言った趣旨のお話をしてくださいました。
そうなんです。
第一に覚えておいてほしいのは「ご先祖様は子孫を祟ったり、罰を与えるのではなく、見守ってくれる存在なのです。」
僕も城間家の長男として、今後の祭祀の在り方もしっかり考えていきたいと思います。
今日のJAZZ
ジャズの帝王と呼ばれたトランぺッター、マイルス・デイヴィスは1955年にプレステッジからコロムビアへ移籍しますが、すったもんだがありました。
マイルスは、プレステッジとの契約が残っているにもかかわらず、コロムビアと契約してしまったのです。
プレステッジからすると「マイルス、おいおい」といった感じですよね(笑)
マイルスは、大手で、レコードも売れ、お金ももうかるだろうと考え、早く移籍したかったんでしょうね。
そこで、マイルスと両レーベルが話し合い、プレステッジの残りの契約を満たすようなレコードを作成することで折り合います。
ただ、マイルスは早く終わらせたい。そこでマイルスが考えたのは、収録をライブのように録音することでした。
当時のジャズメンは一晩に何ステージも演奏して何十曲も演奏することがあったようです。
「ライブと同じようにスタジオで演奏して、録音すれば早く終わるんじゃん」とマイルスは考え、1955年5月11日に13曲と10月16日に12曲の合計25曲の収録をしたのです。
マイルスの初めてのレギューラー・バンドで第一期クインテットでの収録でした。
マイルスに加えジョン・コルトレーン(サックス)、レッド・ガーランド(ピアノ)、ポール・チェンバース(ベース)とフィリー・ジョー・ジョーンズ(ドラム)のそうそうたるメンバーです。
マラソン・セッションで製作されたレコードは『クッキン』、『リラクシン』、『ワーキン』、『スティーミン』の4枚で、1956年から1961年の間に順次発売されたそうです。
今日は1956年に4枚のレコードのうち最初に発売された『クッキン』から《My Funny Valentine》を紹介します。
イントロのガーランドのコロコロと転がるようなきれいなピアノの音が好きなんです。
相続セミナー・説明会情報
自主開催セミナー
「より良い人生を送るための終活と相続 ~幸せな相続の準備~ 説明会」
開催日時:令和2年11月26日(木) 午前10時から11時20分
開催場所:沖縄県教職員共済会館「八汐荘」(那覇市松尾1-6-1)
※新型コロナウイルス感染の状況により、中止とすることもありますので、ご了承ください。
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ラジオ番組パーソナリティ
「ジャジーのJAZZタイム×幸せな相続相談」(FMレキオFM80.6MHz)
毎月第1および第3水曜日21:00~21:50放送中。
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