1999年に閉店した沖縄山形屋の写真から考えたこと。
JAZZ好きの行政書士城間恒浩(@jazzyshiroma)です。 僕は沖縄県那覇市松尾で遺言相続専門の行政書士として、遺言書や遺産分割協議書の作成、相続や終活のご相談を承っております。
これまで関係した遺言書・遺産分割協議書・贈与契約書等の作成は100件以上、相続相談は300件以上となっており、相続や遺言のことでお困りの方がいることを肌で感じ「相続は準備させすれば、ご本人もご家族も幸せになれる」ことを実務を通じて実感しています。
このブログでは、実務を通じて感じる相続や遺言の話を中心に書いています。
また、たまに相続や遺言以外のことを書いています。
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昨日、Twitterで友人(座間味島のダイビングインストラクター兼写真家の宮里清司さん)が教えてくれた投稿に平成11年(1999年)に閉店した沖縄山形屋の写真が掲載されていました。
山形屋は祖父が昭和45年2月から昭和47年4月まで社長を務め、父は平成11年に山形屋の77年の歴史に幕を下ろした際の役員をしていました。
写真は改築前のようですが、面影が残っています。
1階のアイスクリーム屋さん、2階の喫茶店、7階の大食堂、屋上の小さな遊園地や地下のターンテーブルのキャンディ売り場などを覚えています。
弟と二人で仕事中の父親を訪ね、食堂でざるそばを食べた後にシロクマ(かき氷)を食べるのが贅沢でした。
懐かしいですね。
ホリーニョさん、ありがとうございました。
1950〜60年代の沖縄。
— ホリーニョ (@horinyo) October 18, 2020
那覇の百貨店。山形屋。
当時撮影されたカラー写真です。 pic.twitter.com/pqi9qUg3QI
相続とは財産だけを承継するものではない
沖縄山形屋のTwitter投稿を見て、家にある父親が残していた資料を見てみたら30周年の記念誌(昭和55年9月発行)や全館増築新装完成の報告(昭和47年12月1日発行)が出てきました。
記念誌には祖父の写真も掲載されていましたが、僕は祖父に良く似ているといわれます。
年を重ねるに連れ似てきたように思います。
記念誌などによると沖縄山形屋は、大正11年(1922年)5月に山形屋呉服店沖縄支店として那覇市通堂通りで創業し、昭和5年(1930年)5月に東町に移転し、沖縄初のデパートとしてオープンします。
昭和25年(1950年)5月31日に法人化し、株式会社沖縄山形屋が設立され那覇市神里原に新社屋を建設し、昭和30年(1955)11月21日に国際通りで新築開店し、その後何度か増改築を行いました。
ただ、郊外に大型スーパーなどが開業する中、経営は厳しさを増し、平成11年(1999年)8月31日に閉店します。
父はその時の役員でしたが、食道がんで手術し治療中でしたが、その決定がなされた時には落胆していたのを覚えています。
閉店の日には、生まれて数か月の長男坊を連れ帰省し、山形屋の77年の歴史に幕を閉じる瞬間を見届けました。
沢山の思い出が詰まった場所でしたから、寂しかったですが、正面玄関で食道がんの治療中ながら最後までお客様を見送る父親が倒れてしまわないか心配していました。
最後のお客様が玄関を出てシャッターが閉まったときには、涙がこぼれましたね。
同時に、最後まで、見届けるお客様が玄関前にたくさんいて、愛されていたお店なんだなと思ったことを覚えています。
祖父と父が沖縄山形屋に勤めたので、僕の親戚は、僕も山形屋に就職するものだと思っていたようですが、別の道を選びました。
父親も望んではいなかったようですから。
仕事は同じことをすることはしませんでしたが、今住んでいる那覇市松尾の住宅は祖父の代から、父親に引き継がれ、今は母親が相続しています。
その後は、おそらく長男である僕が引き継ぐことになるかとは思います(母親次第ですが(笑))。
もしそうなればですが、祖父や父が守ってきた場所ですから、その思いを引き継ぎ、しっかり守りたいとは思っています。
先代やご先祖様の想いを引き継ぐことはとても大事なことです。
僕はセミナーなどで『「相続」とは、故人の財産と意思を遺族が引き継ぐこと』と話しています。
法律上は財産を引き継ぐことが相続ですが、そこには故人の意思もあると思います。
例えば、とある家庭で家族が集まり、高齢となった父親が妻、子や孫などを前に自分の亡き後のことを話します。
「この土地や屋敷は先祖代々伝わるもので、長男である太郎が承継することが望ましい。
我が家には仏壇もあるし、お墓もある。
また、この家は家族や親せきが集まる大事な場所である。
私たち一族が集い、ご先祖様に見守られている場所でもあるのだからしっかりと承継してもらいたい。
だから、この家と土地は長男の太郎に相続してもらいたいと思っている。」
家や土地を引き継ぐのは財産を相続することですが、なぜ長男が引き継ぐことが望ましいかを伝えているのはその方の意思です。
その想い、意思を引き継ぐのも相続なのだと思います。
この思いを書面にしたためるのが遺言書。
遺言書の本文には建物や土地を誰が相続するのかを記載し、法的拘束力はないけれどもとても大事な「付言事項」になぜこのような遺言内容にしたのかの想いを簡潔に書き示すといいでしょう。
相続に関する貴方の想いが伝わるのではないかと思います。
気を付けてもらいたいのは、法的拘束力のある遺言にするには、法的要件を備えた遺言書を作り書面にすること。
口頭での遺言は法的な拘束力はありません。
また、どんなに思いを込めて書いた遺言書も相続人の相続する最低限の権利である「遺留分」を侵害するとあとあと問題は起きる可能性はあります。
遺言書を書くだけでなく、生前に家族に自分の想いをしっかりと伝えておくことも大事なことでしょう。
今日のJAZZ
作家の村上春樹さんがジャズに造詣が深いことは有名だと思います。
学生時代からしばらくの間、ジャズ喫茶を経営されていましたし、村上さんの作品の中にはジャズも描写も多いですね。
村上さんは「Portrait in Jazz」(和田誠さんイラスト、新潮文庫)の中で、このように語っています。
「僕はこれまでにいろんな小説に夢中になり、いろんなジャズにのめりこんだ。でも僕にとっては最終的にはスコット・フィッツジェラルドこそが小説(the Novel)であり、スタン・ゲッツこそがジャズ(the Jazz)であった。あらためて考えてみれば、この二人のあいだにはいくつかの重要な共通点が見いだせるかもしれない。~以下省略~」(P44-45)。
村上さんはスタン・ゲッツがお気に入りなのが分かります。
そして、今朝、動画サイトで知ったのですが、村上さんが音楽評論家村井康司さんとの対談で「スタン・ゲッツのレコードで初めて買ったのは『Focus』だった。」と語っていたそうです。
僕も初めて聴くアルバム名でしたが、その中から、対談でも紹介のあった《Her》を聴いてみました。
ストリングス(弦楽団)をバックに悠々と吹くゲッツの綺麗な演奏が聴けます。
相続セミナー・説明会情報
自主開催セミナー
「より良い人生を送るための終活と相続 ~幸せな相続の準備~ 説明会」
開催日時:令和2年10月28日(水) 午前10時から11時15分
開催場所:沖縄県教職員共済会館「八汐荘」(那覇市松尾1-6-1)
※新型コロナウイルス感染の状況により、中止とすることもありますので、ご了承ください。
詳しくはこちらをクリックしてください。
ラジオ番組パーソナリティ
「ジャジーのJAZZタイム×幸せな相続相談」(FMレキオFM80.6MHz)
毎月第1および第3水曜日21:00~21:50放送中。
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