直木賞受賞作「宝島」を読んで思い出す沖縄特有の軍用地の贈与や相続時の評価について。
JAZZ好きの行政書士城間恒浩(@jazzyshiroma)です。 僕は沖縄県那覇市松尾で遺言相続専門の行政書士として、遺言書や遺産分割協議書の作成、相続や終活のご相談を承っております。
これまで関係した遺言書・遺産分割協議書・贈与契約書等の作成は100件以上、相続相談は300件以上となっており、相続や遺言のことでお困りの方がいることを肌で感じ「相続は準備させすれば、ご本人もご家族も幸せになれる」ことを実務を通じて実感しています。
このブログでは、実務を通じて感じる相続や遺言の話を中心に書いています。
また、たまに相続や遺言以外のことを書いています。
【新型コロナウイルス関係】
新型コロナウイルスに関する情報が多く出回っていますが、情報を集める際に参考にしていただきたいサイトをまとめましたので、参考にされてください。
個人向けの定額給付金、事業者向けの持続化給付金、融資や納税の猶予などの情報をまとめています。
参考にされてください。
今日は糸満市役所の持続化給付金等申請支援窓口にて相談員として出動です。
糸満市内に事業所を構える個人事業主や中小企業の皆さんが、持続化給付金や家賃支援給付金などのご相談や申請支援を無料で受けられます。
窓口設置期間は来年1月15日まで延長されていますので、糸満市内の個人事業主や中小企業の皆さんは、自分が申請できるものはないかも含めて、ご相談ください。
詳しくは役所のサイトをご覧下さい。
持続化給付金の申請を巡っては、全国で不正申請・受給が確認されており、背後には反社会勢力による組織的な犯罪が行われているようです。
沖縄県内でも多数の不正と思われる申請が確認されており県警は捜査を強化しているようです。
また、悪徳業者・コンサルタントが高額の報酬を得て申請するケースもあるようですので、そんなことに巻き込まれないように気を付けてください。
報酬を得て持続化給付金や家賃支援給付金の申請や相談を受けられるのは、行政書士だけです。
お困りの方はお近くの行政書士にご相談ください。
沖縄県行政書士会でも電話無料相談や無料相談会を開催していますので、会のサイトをご覧ください。
軍用地・公用地の相続・贈与
この4連休の間に読み終えた本があります。
昨年の第160回直木賞受賞作「宝島」(真藤順丈著、講談社)です。
沖縄が舞台とのことで読んでみたかった。
実在の人物や実在の事件に、架空の人物が主人公となり戦後沖縄から日本復帰までを描く長編小説ですが、沖縄の葛藤、誰もが感じる理不尽さなどを背景に沖縄の人が生きていく難しさを真藤さんの視点からとらえることができた。
実際の事件や実在する人物も多々出てくるのですが、沖縄のことを知っているようで、知らなかった自分に気がつきました。
ウチナーンチュ、沖縄に住む人、沖縄に関心のある人には読んでもらいたい小説でした。
小説「宝島」は極東最大の米軍基地である「嘉手納基地」での出来事を中心に描かれますが、1972年に日本に復帰した沖縄には未だに多くの基地が戦後と変わらず残っています。
その基地がある土地は沖縄の人々の固有の土地なのですが、皮肉なことに沖縄経済を下支えする一つ要因ともなっています。
沖縄特有の財産には公用地と言われるアメリカ軍基地以外にも自衛隊基地や那覇空港用地などがあります。
特に沖縄にあるアメリカ軍基地は広大で、戦前は沖縄県民が暮らしていたり、農業を営んでいた場所などです。
返還予定となっている普天間基地を始め大きな施設もありますね。
嘉手納飛行場は極東最大のアメリカ空軍基地と言われています。
アメリカ軍基地のある場所は往々にして、便利な場所で返還後には商業施設などが立ち並び経済の中心地となることも多い。
那覇市新都心や北谷町美浜周辺もそうですね。
全て無条件で変換してもらいたいですね。
普天間基地を返還して、辺野古に新基地を建設するなんて言語道断です。
ここは平和の島沖縄なんですから。
話がそれたので、元に戻します。
その公用地・軍用地も多くの地主がいます。
その土地も売買はもとより相続や贈与の対象になります。
公用地の売買は年間賃料の〇〇倍で取引されていますが、数年前まで40倍前後だったのが、今は55倍前後(好条件だと60倍に迫る)で取引されているそうです。
つまり、年間賃料が100万円なら55倍で取引されたなら5,500万円で売れるわけです。
55年分の賃料を一括で受け取ると考えたらいでしょう。
しかし、沖縄の不動産はバブルの様相を見せており、そろそろ頭打ちで落ち着くのではないかと不動産屋さんにお話を聞いたことがありました。
また、新型コロナウイルスの影響で沖縄の主要産業である観光業・サービス業は大打撃を受けており、不動産の活況をけん引していた観光・サービス業の景気後退で不動産への影響も出てくるかもしれません。
なんにせよ、これだけ高額で取引される公用地・軍用地なのですから相続や贈与においては税金がかなりかかるのではないかと考えられます。
ところが、公用地や軍用地の相続・贈与時の評価は市場価格よりもかなり低いのです。
理由は、その評価方法にあります。
相続や贈与時の公用地・軍用地の評価は市区町村が定める固定資産評価額に国税庁が定める「公用地用の評価倍率表」による倍率をかけて、さらに0.6(返還予定のない土地については地上権割合として△40%可能)を乗じて計算します。
国税庁の定める倍率は公用地・軍用地の施設ごとに決まっています。
倍率表は国税庁のHPをご確認ください。
例えば、沖縄市内でアメリカ軍施設(嘉手納飛行場)に貸している土地(登記上の地目:宅地)が約1,000㎡で、年間賃料は約200万円、固定資産評価額は約2,100万円でした。
この土地を55倍で売ったとすると1億1,00万円となります。
いわゆる市場価格です。
一方で、相続や贈与の際の評価額は、固定資産評価額(2,100万円)に沖縄市の嘉手納飛行場の宅地の倍率(3.9倍)を掛けて、さらに0.6(地上権割合)を乗じた4,914万円となります。
市場価格は1億1,000万円で、相続・贈与の際の評価は4,914万円。
その差は6,086万円、約45%ほどの評価となります。
公用地や軍用地は年間賃料も入ってきて資産価値はあるけれども相続や贈与時には評価が低いのです。
ですから、現金に余裕がある方は公用地・軍用地を買い求めて、現金を減らし、または借金をして遺産を減らすことで、相続(税)対策をしているのです。
相続・贈与の場合の公用地・軍用地の評価は税理士が行いますが、僕も提携する税理士がいますので、トータル的に対応いたします。
また、相続の際には公用地・軍用地以外の遺産も含めて相続税の計算がされますし、贈与の際には贈与税以外にも、受贈者(贈与を受けた側)は不動産取得税、登記の際の登録免許税、行政書士の契約書作成報酬や司法書士の登記報酬などもかかりますので、案外お金はかかるものです。
公用地・軍用地の売買をした時には、売った側は譲渡所得税、翌年度の国保税・住民税に影響があり、買った側は不動産取得税や登記の際の登録免許税が必要ですし、不動産会社が間に入った場合には手数料や司法書士の報酬なども必要でしょう。
公用地や軍用地の相続や贈与のご相談も承っておりますので、お考えの方はご相談ください。
今日のJAZZ
昨日に引き続き物悲し気な代表格トランぺッター、チェット・ベイカーの《Almost blue》を紹介します。
生き方がそのまま出ているような演奏ですね。
昨年はチェットの人生を描いた映画を2本ほど観ましたが、多くの愛してくれる人がいたのに悲しき人生を送っていた。
人の気持ちの闇は他人には計り知れないですね。
相続セミナー・説明会情報
自主開催セミナー
「より良い人生を送るための終活と相続 ~幸せな相続の準備~ 説明会」
開催日時:令和2年9月29日(火) 午前10時から11時15分
開催場所:沖縄県教職員共済会館「八汐荘」(那覇市松尾1-6-1)
※新型コロナウイルス感染の状況により、中止とすることもありますので、ご了承ください。
詳細はこちらをクリック。
ラジオ番組パーソナリティ
「ジャジーのJAZZタイム×幸せな相続相談」(FMレキオFM80.6MHz)
毎月第1および第3水曜日21:00~21:50放送中。
スマホのアプリでも聴けます。ダウンロードはこちらをクリックしてください。
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