朝の連ドラから見える不幸を生む可能性のある養子縁組。

JAZZ好きの行政書士城間恒浩(@jazzyshiroma)です。 僕は沖縄県那覇市松尾で遺言相続専門の行政書士として、遺言書や遺産分割協議書の作成、相続や終活のご相談を承っております。
これまで関係した遺言書・遺産分割協議書・贈与契約書等の作成は100件以上、相続相談は300件以上となっており、相続や遺言のことでお困りの方がいることを肌で感じ「相続は準備させすれば、ご本人もご家族も幸せになれる」ことを実務を通じて実感しています。
このブログでは、実務を通じて感じる相続や遺言の話を中心に書いています。
また、たまに相続や遺言以外のことを書いています。

【新型コロナウイルス関係】

新型コロナウイルスに関する情報が多く出回っていますが、情報を集める際に参考にしていただきたいサイトをまとめましたので、参考にされてください。
個人向けの定額給付金、事業者向けの持続化給付金、融資や納税の猶予などの情報をまとめています。

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この家を引き継ぐのはあなた?

NHKの朝の連続TV小説「エール」は作曲家の古関裕而さんと妻・金子さんをモデルにしていますが、古関さんと言えば「オールスター家族対抗歌合戦」で笑顔で指揮棒を振る姿をなんとなく覚えています。
戦前から戦後まで多くの作曲をされた世界的な作曲家だったんですね。

「エール」はもちろん脚色されて描かれていますが、主人公古山裕一の父古山三郎は呉服店を営んでいますが、長男である裕一は音楽の道に進むことを尊重し、次男の浩二を跡継ぎに指名します。
裕一は呉服店を継がずに音楽の道を進めると思っていたのもつかの間、裕一の父は騙されて大きな借金を背負い、助けを求めた母・まさの兄で裕一の叔父にあたる権藤茂平兵衛から二人の子供のうちのどちらかを養子に出すことを条件とされたのです。
裕一の叔父には子供がいなかったことから跡取りを甥に託すことを考えたのです。
その根底には「これまで築いてきた財産や事業を他人に任せるわけにはいかない」との考えがあったのです。

裕一は音楽の道をあきらめ叔父の養子になるために、叔父の銀行に住み込みで働きゆくゆくは叔父と養子縁組して権藤家の当主となる予定でいましたが、今朝は裕一の祖父で権藤家の当主権藤源蔵が亡くなり、いよいよ養子縁組が具体化してきます。
しかし、時を同じくして裕一は音楽の国際コンクールに応募し日本人で初めて入選したことのですが、権藤家を継ぐための養子縁組と好きな音楽との間で、心揺れる状況になっています。

連ドラの主人公裕一は、本当は音楽の道に進みたいけど、家のことを考えると自分の気持ちを押し殺して、母方の実家の養子になることをしょうがなく受け入れようとしています。
好きなことをあきらめて自分の意志とは関係なく、将来が決められるというのはとても辛いことですね。
家業を血族で続けることは重要なことなのかもしれませんが、一方で、望まぬものに無理強いすることは、当主の責任の押し付けであり、無責任な行為になる可能性もあるかもしれません。
家の継続を考える過度な対応は、不幸な人間を作ってしまうこともあるのです。

ただ、こういったことは昔の日本では普通にあったことでしょうし、今でも地方ではそういったこともあると思います。

僕も過去にご相談を受けたことがあります。
早くに旦那様を失くされた方が、子供に男の子がいないため、数名いる孫の男子のうちの一人を養子に迎えて、家を継いでもらいたいと考えて、養子縁組と相続について、ご相談があったのです。

しかし、養子に迎えるお孫さんはまだ5歳前後で自分で物事を判断するのは難しい年です。
ましてや、戸籍上とはいえ、実のおばあちゃんがお母さんになると理解などでできないでしょう。

また、別居の祖父母と孫が養子縁組をした場合には実親と生活はすれども、原則として名字は養親の名前に変わりますし、親権は養親に移りますから実親は教育や養育に関して法的な判断ができなくなります。

養子のは年が行くにつれて、なぜ、自分は親や兄弟と名字が違うのだろうかと考えることもあるかもしれません。

僕はご相談者に対して次のように答えました。
「A様(ご相談者)の名前を途絶えさせてはいけないという責任感と想いは十分に伝わってきました。気持ちもよくわかりますし、考え方も理解できます。責任感から多くのご心配をされたと思います。旦那様を早くに亡くされてから、よく頑張られたと思います。
しかし、成人しないお孫さんを養子に迎えるのは、慎重に考えた方がよろしいでしょう。本人の想いとは関係なく将来が決まってしまうのですから。ましてやお孫さんがA様と同じ苦しい思いをする可能性もあります。自分の代で名前を絶やしてはいけない、どうしたらいいだろう、と思い悩むかもしれません。お孫さんは結婚もしないかもしれない。A様と同じように、とても苦しむのかもしれないのです。
だとすれば、A様の代でお名前を引き継ぐことも止めること一つの選択肢ではないでしょうか。お名前が残らなくとも代々引き継がれるものはあると思います。
もちろん、お孫さんが成人し、自らおばあちゃんの養子となり名前を引き継ぐと、言ってくれるのであれば、万々歳ではないでしょうか。2022年には成人年齢も18歳に引き下げられますので、もう少し元気に長生きされてはどうでしょうか?」

僕はご相談者さんの想いもわかるけど、同じ苦しみをお孫さんに引き継がないようにアドバイスさせてもらったのです。

詳細は後述しますが、普通養子縁組は養子となる子が15歳以上になれば、実親の同意は必要なくなりますので、成人年齢を待たずとも養子となる本人の意思で養子縁組は可能ではあります。

養子縁組について

こういった、一族の血筋を途絶えさせないために行われるのは、通常、「普通養子縁組」といわれ、養親と養子の間で法的な親子関係が成立することとなります。

ただし、養子となった子は実親との親子関係が切れるわけではありませんので、相続に関していうと、普通養子縁組に迎えられた子は、養親と実親の両者に対して相続人となります。

つまり、養子となった子は、実の親が亡くなっても養親が亡くなった場合でも双方の相続人となるのです。

養子縁組制度は、一族の継承を重んじる地方ほど活発に行われているのではないでしょうか。

普通養子縁組をする場合には、養親は20歳以上であることが条件で、養子となる者が15歳未満の場合には実親の同意と家庭裁判所の許可が必要になります。
ただし、養子となる者が養親またはその配偶者の直系卑属であれば、家庭裁判所の許可は要りません。
また、配偶者があるものが養親となる場合には配偶者とともに養子縁組をすることになります。

養子になるものが15歳以上であれば、20歳以上の養親との間で、実親の同意なく養子縁組も可能です。

 

また、養子縁組には、「特別養子縁組」という制度もあり、実親との関係が法的に切れる養子縁組の制度があります。

この制度は、特別な事情がある場合に認められるもので、養子となる子、養親となる親の年齢など、厳密な制限があります。
特別養子縁組については、次のブログを参考にしてください。

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今日のJAZZ

気分を変えて自宅のダイニングでジャズを聴きながらブログを書いてます。
ピアニスト、ウィントン・ケリーのトリオとギタリスト、ウェス・モンゴメリーの《No Blues》がBGM。
13分と長い演奏で、2回半くらい聴くとブログが書きあげられます。
ウェス・モンゴメリーのギターが素晴らしいとの評判ですが、僕には技術的なことはよくわかりません。
しかし、ウィントン・ケリーのトリオとウェスの組み合わせは素晴らしいということはわかります。
シナジー効果が出ているのかもしれないですね。

相続セミナー・説明会情報

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次回は5月25日(月)の午前中を予定しています。改めて告知いたします。

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