「145,722,583,412円」なんの金額かわかりますか?預金保険機構に移管された預貯金です。

JAZZ好きの行政書士城間恒浩(@jazzyshiroma)です。
僕は沖縄県那覇市松尾で遺言相続専門の行政書士として、遺言書や遺産分割協議書の作成、相続や終活のご相談を承っております。
これまで関係した遺言書・遺産分割協議書・贈与契約書等の作成は100件以上、相続相談は300件以上となっており、相続や遺言のことでお困りの方がいることを肌で感じ「相続は準備させすれば、ご本人もご家族も幸せになれる」ことを実務を通じて実感しています。
このブログでは、実務を通じて感じる相続や遺言の話を中心に書いています。
また、たまに相続や遺言以外のことを書いています。

行政書士ジャジー総合法務事務所

休眠預金等活用法の実績

2018年1月から施行された「民間公益活動を促進するための休眠預金等に係る資金の活用に関する法律(平成28年法律第101号)」(通称:休眠預金等活用法)について、このブログでもお知らせしました。

休眠預金等活用法の詳細については、後述しますが、ちょっと気になって、実績を調べてみました。

施行された平成29年度(2017年度)と翌平成30年度(2018年度)の実績はなく、令和元年度(2019年度)は以下の通りでした。

(令和元年度において納付された休眠預金等移管金の額及び当該休眠預金等移管金に係る休眠預金等の数)
休眠預金等移管金の額:145,722,583,412円
休眠預金等移管金に係る休眠預金等の数:7,241,557件
預金保険機構HPより抜粋

約1,457億円もの預貯金が預金保険機構に移管されているようです。
1件あたりは約2万円ではありますが、全国の金融機関の休眠預貯金が対象になりますから物凄い金額になりますね。

詳しくは預金保険機構のサイトを参照してください。

[blogcard url=”https://www.dic.go.jp/katsudo/010_00117.html”]

ちなみに、預金保険機構に移管された資金は民間の公益活動に充てられるものです。

民間への交付実績も月ごとに公表されているようです。

[blogcard url=”https://www.dic.go.jp/katsudo/010_00009.html”]

また、民間公益活動促進のための休眠預金等活用に関する業務は内閣府が担当しており、同府のサイトで詳しく報告されています。

[blogcard url=”https://www5.cao.go.jp/kyumin_yokin/index.html”]

休眠預金等活用法における指定活用団体は一般社団法人日本民間公益活動連携機構となっており、活動報告があります。

[blogcard url=”https://www.janpia.or.jp/kyumin/”]

休眠預金活用法とは?

簡単に解説しておきますと、休眠預金等活用法とは、金融機関(※1)にある預金など(※2)のうち2009年1月以降、取引のない預金など(休眠預金)は金融機関から預金保険機構に移管され民間の活動資金に充てられるものです。

※1外国銀行を除く銀行、信用金庫、信用協同組合、労働金庫、商工組合中央金庫、農業協同組合、漁業協同組合、水産加工業協同組合、農林中央金庫
※2預金保険法、貯金保険法の規定により、預金保険、貯金保険の対象となる預貯金などです。具体的には、普通預金だけではなく、定期預金、貯金、定期積金などが対象

金融金貨の預金などでは、毎年約1,200億円程発しており内500億円程度が払い戻され約700億円が休眠預金となっているそうです。
休眠預金等活用法では、毎年発生する休眠預金等を民間で活用するための仕組みが創られたのです。

その活用分野は民間が決めることとなっていますが、総理大臣の指定する「指定活用団体」が「資金配分団体」を通じて、民間の公益活動を行うNPOや団体に助成・貸付・出資をすることとなっているようです。

では、民間の公益活動とはどんなものでしょうか?
金融庁のHPにある資料にある基本理念等によると・・・

①休眠預金等の活用に関する基本理念等【第 16 条・第 17 条】
○休眠預金等を、民間公益活動(人口の減少、高齢化の進展等の経済社会情勢の急速な変化が見込まれる中で国及び地方公共団体が対応することが困難な社会の諸課題の解決を図ることを目的として民間の団体が行う公益に資する活動(①子ども及び若者の支援、②日常生活等を営む上で困難を有する者の支援、③地域活性化等の支援の3分野に係る活動)であって、これが成果を収めることにより国民一般の利益の一層の増進に資することとなるもの)の促進に活用
○民間公益活動の自立した担い手の育成及び民間公益活動に係る資金を調達することができる環境の整備を促進する。
○預金者等の預金等を原資とするものであることに留意し、多様な意見が適切に反映されるように配慮するとともに、その活用の透明性の確保を図る。
○大都市その他特定の地域に集中することのないよう配慮する。
○複数年度にわたる民間公益活動に対する助成等、社会の諸課題を解決するための革新的な手法の開発を促進するための成果に係る目標に着目した助成等その他の効果的な活用の方法を選択することにより、民間の団体の創意と工夫が十分に発揮されるように配慮する。
○宗教団体、政治団体、暴力団等は活用対象から除外

休眠預金が活用されるのは、
①子ども及び若者の支援
②日常生活等を営む上で困難を有する者の支援
③地域活性化等の支援
とされているようです。

具体的には、病気の治療困難者の支援、ホームレスの社会復帰支援などがあるようです。

いずれも社会問題となる中で、国や地方自治体が直接は支援が届きにくいところを休眠預金等を活用していく狙いがあるようですね。

個人的にはとてもいい取り組みだと思います。
ただ、これだけの大きなお金が動くのですから、不届き者が鼻を効かせてやって来る可能性もあるでしょう。
その辺は、しっかり指定活用団体と資金配分団体が監督・指導していってほしいですね。

また、休眠預金などはあくまでの預貯金者のものですから、本人から預金保険機構に請求があれば、預貯金者に「休眠預金等代替金(元本および利子)」が支払われる仕組みとなっているようです。

相続でも発生する休眠預金等

休眠預金等は相続においても発生する可能性は高いですね。
例えば、故人の預貯金口座を遺族が把握していなかったケースや遺族は把握はしているけれでも相続手続きがなされないために預貯金がそのまま放置されているケースなどは、10年以上取引がないともしかしたら休眠預金等として取り扱われる可能性があります。

実際上は金融機関が預金者等の登録されている住所にハガキなどで通知して、宛先不明で戻ってきた口座については休眠預金として取り扱うようになっているよです。

僕も相続相談で、十数年もの間い遺産分割協議が整わないために預貯金に手を付けられないということを聞いたことがあります。
せっかく故人が遺した財産なのに、有効活用できないのはもったいない事だと思いませんか?

預貯金口座をお持ちの方は、遺言書で分割方法の指定をすることをお勧めします。
手続きが円滑に進められますからね。

なお、平成30年(2018年)の民法改正により令和元年(2019年)7月1日からは遺産分割前の預貯金の払い戻しも一定の割合でできるようになりますが、法定相続分であっても全額は引き出せななくなっています。

僕の琉球銀行の通帳。いくら入ってるでしょうか?(笑)

僕も県外にいたことがあるので、本土の金融機関にいくつか口座がありますが、解約の手続きをせずに10年以上が立っています。
残高はわずかですが、今回の休眠預金等活用法で困っている方の助けになるのであれば、それはそれでよかったかなと思っています。

今日のJAZZ

トランぺッター、チェット・ベイカーの《Every Time We Say Goodbye》をB.G.M.にブログを書いています。
物寂し気な演奏をさせたらチェットの右に出る者はいないですね。
叙情的な演奏で、ゆったり聴けます。

相続セミナー・説明会情報

自主開催セミナー

わかりやすい終活、相続と遺言書のはなし ~幸せな相続の準備~ 説明会

開催日時:令和3年5月28日(金) 午前10時から11時20分
開催場所:沖縄県教職員共済会館「八汐荘」(那覇市松尾1-6-1)

新型コロナウイルス感染拡大予防のため完全予約制となっております。
また、感染拡大防止のため中止することもありますので、ご承知おきください。

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ラジオ番組パーソナリティ

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