遺言をカタカナで書いたけど大丈夫?

JAZZ好きの行政書士城間恒浩(@jazzyshiroma)です。 僕は沖縄県那覇市松尾で遺言相続専門の行政書士として、遺言書や遺産分割協議書の作成、相続や終活のご相談を承っております。
これまで関係した遺言書・遺産分割協議書・贈与契約書等の作成は100件以上、相続相談は300件以上となっており、相続や遺言のことでお困りの方がいることを肌で感じ「相続は準備させすれば、ご本人もご家族も幸せになれる」ことを実務を通じて実感しています。
このブログでは、実務を通じて感じる相続や遺言の話を中心に書いています。
また、たまに相続や遺言以外のことを書いています。

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遺言書は漢字で書かないといけないわけではない

遺言書にはいくつか種類がありますが、自分で手軽にかける自筆証書遺言の法的な要件は4つあります。

遺言書の法的4要件

(自筆証書遺言法的4要件)
1.全文自書
2.作成年月日
3.氏名
4.印を押す

全文自書とは文字通り、全てを自分で書くということでが、平成30年の民法相続分野改正により自筆証書遺言の要件が緩和されています。

改正前までは自筆証書遺言は全文自書しなければならなかったのですが、一部はワープロ作成なども可能となったのです。
具体的にいいますと民法968条2項が追加されて、平成31年1月13日に施行されています。

民法968条
2 前項の規定にかかわらず、自筆証書にこれと一体のものとして相続財産(第997条第1項に規定する場合における同項に規定する権利を含む。)の全文又は一部の目録を添付する場合には、その目録については、自書することを要しない。この場合において、遺言者は、その目録の毎葉(自書に因らない記載がその両面にある場合にあっては、その両面)に署名し、印を押さなければならない。

自筆証書遺言は全文自書が原則ですが、財産目録などを添付する場合には、ワープロで作成した財産目録、全部事項証明書(不動産登記簿)や通帳のコピーを添付することでも可能となったのです。
ただし、その場合には添付書類の全てに遺言者が署名し、遺言書に押印した同じ印を押さなければなりません。

これにより、自筆証書遺言の作成が改正前に比べれば容易になったのではないかと思われます。

また、全文自書ですから作成年月日、氏名も自書しなければならないことは言うまでもありません。

遺言書には氏名を書く必要がありますが、氏名を自書することを署名と言いまね。
この署名については、氏名(戸籍上の名前)の他、カタカナ、ひらがなやペンネームでも良いとされています。

僕はペンネームは避けたほうがいいとは思いますけどね。
よっぽど、著名な人でなければ「これは何?これは誰の署名?」と争いになりかねませんから。

ところで、ご高齢者の方には漢字を書くのが難しいという方もいらっしゃいますが、その場合にはカタカナやひらがなでも問題ありません。
外国人の方だと、ローマ字でもいいのです。
また、難しい漢字もありますから、必ずしも漢字で書く必要もないのです。
間違えるよりも、正しく伝える方が大事なことでもあります。

遺言書 カタカナ

カタカナで書かれた遺言書

もちろん、漢字で書けるに越したことはありませんが、どうしても難しい場合には遺言書の全文をひらがなやカタカナで仕上げることも問題ないわけです。
ローマ字で書きあげる人もなかなかいないかもしれませんが、日本人に帰化した人などはあり得るかもしれないですね。

遺言書は、遺言者の財産をどうしたいかなどをしたためる法的な在拘束力のある書面ですから、誰でもが作成できるものでなくてはなりません。
漢字が書けないからダメだというわけではないのです。

遺言書は全ての人に、認められた制度です。
できうる限り自分で完成できる制度でなくてはなりませんから、漢字が書けなくても大丈夫です。

 

ただ、もちろん法的な要件を欠く遺言書は無効となりますので、自分で書いた遺言書を確実なものとするためにも専門家に確認はしてもらってください。

また、自分では到底無理だという場合にも専門家に相談して、サポートしてもらいながら遺言書を作成するようにしてくださいね。

家族を相続問題や争いに巻き込みたくないから遺言書を書きたい!という思いは大切にしてくださいね。

チラシの裏に書いた遺言書も法的要件を備えれいれば有効となります

自筆証書遺言を作成したら法務局へ預ける

自筆証書遺言は自分で保管しないといけないので、紛失、廃棄や改ざんされてしまうリスクがあり、保管方法が課題でした。
その課題を解決、改善するため自筆証書遺言保管制度が今年(令和2年)7月10日から運用開始されています。

法務局における自筆証書遺言の保管制度です。
根拠となる法律は民法ではなく、通称、遺言書保管法が施行されるのです。

自分で作成した自筆証書遺言を一定の手続きにより、法務局で預かってくれるのですが、原本と電磁的記録として保管してくれるので、紛失、廃棄や改ざんのリスクはほとんどなくなるでしょう。

遺言書保管制度チラシ

遺言書保管制度チラシ(法務省HPより)

また、もう一つメリットがあります。
自筆証書遺言は遺言者が亡くなると、家庭裁判所での検認の手続きが必要ですが、法務局で保管してもらう遺言書については、検認が不要になるのです。

遺言書検認件数 H21-H30

遺言書検認件数(平成21年-平成30年)。この検認数はほとんどが自筆証書遺言と推察されますが、法務局での保管制度が広くいきわたると検認も激減するでしょう。

これは大きなメリットです。
検認手続きには労力と時間がかかりますから、相続人や遺言執行者にとっては、大変助かる制度だと思います、

自筆証書遺言を作成したら、法務局での遺言書の保管制度を是非、活用してください。
そして、遺言書保管制度を活用したら家族にも伝えておいてくださいね。

また、遺言者が存命中は、法務局で保管されている遺言書は本人以外閲覧できません。
相続人は見ることができないのです。

遺言書の内容を秘密にできるのです。
相続人に遺言の内容が知られるのは、遺言者が亡くなり、相続が開始しした後です。
これも大事なことですね。

詳しくは法務省のサイトを参考にされてください。

[blogcard url=”http://www.moj.go.jp/MINJI/minji03_00051.html”]

今日のJAZZ

サックス奏者ソニー・スティットの《Star Eyes》をBGMにブログを書いてます。
スティット以外にもアルトが入っているので、賑やかな演奏です。
楽しきなってきますよ。

相続セミナー・説明会情報

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より良い人生を送るための終活と相続 ~幸せな相続の準備~ 説明会

開催日時:令和2年8月25日(火) 午前10時から11時15分
開催場所:沖縄県教職員共済会館「八汐荘」(那覇市松尾1-6-1)

※新型コロナウイルス感染の状況により、中止とすることもありますので、ご了承ください。

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【ラジオ番組パーソナリティ】

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