内縁関係の相手に財産を遺すにはどうしたらいい?

JAZZ好きの行政書士城間恒浩(@jazzyshiroma)です。 僕は沖縄県那覇市松尾で遺言相続専門の行政書士として、遺言書や遺産分割協議書の作成、相続や終活のご相談を承っております。
これまで関係した遺言書・遺産分割協議書・贈与契約書等の作成は100件以上、相続相談は300件以上となっており、相続や遺言のことでお困りの方がいることを肌で感じ「相続は準備させすれば、ご本人もご家族も幸せになれる」ことを実務を通じて実感しています。
このブログでは、実務を通じて感じる相続や遺言の話を中心に書いています。
また、たまに相続や遺言以外のことを書いています。

【新型コロナウイルス関係】

新型コロナウイルスに関する情報が多く出回っていますが、情報を集める際に参考にしていただきたいサイトをまとめましたので、参考にされてください。
個人向けの定額給付金、事業者向けの持続化給付金、融資や納税の猶予などの情報をまとめています。
参考にされてください。

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今夜(5/6)9時からはラジオ番組「ジャジーのJAZZタイム×幸せな相続相談」(FMレキオ80.6Mhz)の放送です。
落ち着いたジャズを何曲かチョイスしていますので、よかったら少しの間、癒しの時間を過ごしてください。
ラジオはスマホのアプリでも聴けますので、FMレキオの公式ページ(こちらをクリック)からダウンロードしてくださいね!

ラジオ番組「ジャジーのJAZZタイム×幸せな相続相談」(FMレキオ80.6Mhz) 収録 20200504

ラジオ番組「ジャジーのJAZZタイム×幸せな相続相談」(FMレキオ80.6Mhz)収録の一コマ。

 

相続における事実婚と法律上の婚姻関係の大きな違い

昨今の夫婦の在り方の考え方は多様で、入籍しないカップル、または事情があって入籍できないカップルもいらっしゃいます。
法律上の婚姻をするとどちらかが名字を変えないといけない、というのも避けたいと考える人がいるようですし、お互い自立した関係で、パートナーシップを結び事実婚(内縁関係)でいたいという方もいるようです。
もちろん、相手を想う気持ちは法律上の婚姻をしている場合と何ら変わらないと思います。

多様な考え方が認められる時代ですから、こういった選択をする方も多いことでしょう。
ただ、もしもその方を一生を添い遂げ、自分の亡き後の事を考えるなら、相続の事は頭に置いておいた方がいいですね。

相続においては、配偶者はいつでも相続人になれるのですが、そのは配偶者は法律上の婚姻をしている者をいいます。
事実婚(内縁関係)は相続人にはならないのです。

例えば、50年間一緒に連れ添っていたけど入籍(法律上の婚姻)はしていなかったのであれば、どんなに長い間、事実婚であっても相続人にはなれないのです。
一方で、入籍(法律上の婚姻関係)して、翌日に配偶者が亡くなってしまったとしたら配偶者は相続人となれます。

指輪

指輪

何年か前に亡くなった男性の俳優さんが、亡くなる4時間ほど前に入籍していた話題となりましたが、このケースでは入籍しているかいないかでは相続においては大きな違いがあったのです。
余談ですが、俳優さんの相続は4時間前に入籍した奥さんと他の家族との間で、問題が起きていたようですね。
関係者によると、その俳優さんは入籍したころには意識もなかったのではないかとのことで、入籍する意思があったのか?との疑問が遺されているようです。
他の家族からすると財産目当ての入籍ではないかと、疑ってしまうのかもしれないですね。

話を戻しますと、入籍(法律上の婚姻)していない者には、相手方が亡くなっても相続する権利がありません。
ですから、万が一、事実婚にある相手方の名義の土地、建物や預貯金があっても内縁関係の者は相続できないのです。

そうなると、遺された相手方は生活にも困ることがあるかもしれないですね。
住むところを失い、生活費にも事欠くかもしれません。

では、その状況を回避する方法はないのでしょうか?
男性(内縁の夫)の財産に土地、建物と預貯金があることを想定しましょう

いくつかあります。
4つの方法と注意点です。

1.土地と建物を相手方(内縁の妻)に売却する
不動産について適正な価格で売買契約を。
しかし、内縁の妻に十分な資力がないと実現は難しいでしょう。
また、内縁の妻が先に亡くなってしまうことも考えられるので、内縁の夫が困ることもあります。

2.土地、建物と預貯金の一部を生前に相手方(内縁の妻)に贈与する
無償で贈与できますが、受贈者である内縁の妻は贈与税を納税しなくてはならず、多額になります。
贈与は贈与者が自分の所有する不動産を差し上げます、受贈者が受け取ります、というお互いの口頭での合意があれば成り立ちますが、書面にしておいた方がいいですね。
不動産の所有権移転登記にも贈与契約書が必要になります。
しかし、内縁の妻が多額の納税ができるような資力がないと実現は難しいでしょう。
また、内縁の妻が先に亡くなってしまうことも考えられるので、内縁の夫が困ることもあります。
さらに、贈与した財産についても、相続人の相続する最低限の権利である遺留分を侵害することがあれば、内縁の妻は相続人からの遺留分侵害額請求をうけることがあるので、注意しなければなりません。

3.土地、建物と預貯金について死因贈与契約(公正証書)を締結する
死因贈与契約とは、贈与者が自分が亡くなったら自分の所有する不動産を差し上げます、受贈者が受け取ります、というお互いの口頭での合意があれば成り立ちますが、後々の相続人とのトラブルを避けるためにも公正証書にしておいた方がいいですね。
また、死因贈与契約を執行する執行者を定めておくことも重要です。
ただし、死因贈与契約は遺贈(遺言における贈与)と同様の扱いがなされるため、贈与した財産についても、相続人の相続する最低限の権利である遺留分を侵害することがあれば、内縁の妻は相続人からの遺留分侵害額請求をうけることがあるので、注意しなければなりません。
なお、税金の計算は相続税の計算と同じです。

4.土地、建物と預貯金について遺言書を書く
このようなケースでは一般的なのが遺言書を書く事ではないかと思います。
遺言書で、内縁の妻に不動産と預貯金を遺贈することを書き示すことができます。
できれば、このようなケースでは公正証書遺言がいいでしょう。
遺贈の場合には遺言の内容を実現する遺言執行者を指定することが重要です。
ただし、相続人の相続する最低限の権利である遺留分を侵害することがあれば、内縁の妻は相続人からの遺留分侵害額請求をうけることがあるので、注意しなければなりません。
なお、税金の計算は相続税の計算と同じです。

 

以上のように、内縁の相手方に財産を遺す方法は、いくつかありますが、気を付けないといけない点があります。
贈与や遺言の場合でも、他に相続人がいる場合には、遺留分にも注意を払わないといけません。

遺留分については、次のブログを参考にしてください。

[blogcard url=”https://jazzyshiroma.com/archives/8259″]

いずれにせよ、事実婚(内縁関係)の場合には、法律上の婚姻関係にある場合に活用できる配偶者居住権も適用が受けられないので、自分の亡き後、内縁関係の妻または夫が生活に困らないように、準備することは大事なのではないでしょうか。

一番いいのは、そのような関係を家族が認めてくれて、遺言を残した通りに遺留分を行使せずに、相続手続きを進めてくれることですね。
そのようになるように、事情があって入籍できないカップルは家族に理解を求めてください。
それができないなら、最大限の準備をしてくださいね。
大事な人のために。

熟年夫婦

熟年夫婦

 

今日のJAZZ

最近はもっぱらバラードを聴くことが多いですね。
事務所でブログを書きながら聴いているのはトランぺッター、ドナルド・バードの《SOMEONE TO WATCH OVER ME》です。
バラードではありますが、ドナルド・バードの透明感のありキレのある音色がすごくいい。

相続セミナー・説明会情報

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【ラジオ番組パーソナリティ】

「ジャジーのJAZZタイム×幸せな相続相談」(FMレキオFM80.6MHz)
毎月第1および第3水曜日21:00~21:50放送中。
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