遺言書を作成することは重要ですが、保管も大事です。
JAZZ好きの行政書士城間恒浩(@jazzyshiroma)です。
僕は沖縄県の県庁所在地である那覇市松尾で遺言相続専門の行政書士として、遺言書や遺産分割協議書の作成、相続や終活のご相談を承っております。
これまで関係した遺言書・遺産分割協議書・贈与契約書等の作成は100件以上、相続相談は300件以上となっており、相続や遺言のことでお困りの方がいることを肌で感じ「相続は準備させすれば、ご本人もご家族も幸せになれる」ことを実務を通じて実感しています。
このブログでは、相続や遺言の話を中心に、おなたの知りたい相続や遺言のことについて書いています。
遺言書の保管
遺言書にはいくつかの種類があります。
簡単に説明すると次の通り。
1.普通方式
(1)自筆証書遺言・・・全て自らが書いて作成する。平成31年1月13日からは財産目録はワープロ等での作成が可能となってます。
(2)公正証書遺言・・・公証人に作成してもらう方式。証人2名が立ち会う。
(3)秘密証書遺言・・・内容を秘密にするという趣旨があります。特徴は代筆可能でワープロでもOK。遺言者が署名・捺印し、封筒に入れて封印し、公証人役場で公証人、証人2名立会いのもと公証人役場で準備する封筒に封緘。
2.特別方式 ※めったにないものです
(1)隔絶地遺言・・・伝染病などで隔離している方が書く。
(2)危急時遺言・・・病気や飛行機事故などで死が迫っているときに書く。証人3名以上の前で遺言者が口授し証人の一人が筆記し遺言書を作成し証人が署名捺印する。作成した遺言書は家庭裁判所で「確認の審判」を受ける必要がある。
遺言書は作成したのちの管理も大切です。
特別方式の遺言はめったにないものなので、今日は普通方式遺言の保管方法について、解説します。
公正証書遺言の管理方法
公証人役場が内容に関知する公正証書遺言の原本は公証人役場で保管され、遺言者には謄本(遺言書のコピーといってもいいかな)が公布されます。
万が一、謄本を失くしても公証人役場で謄本の交付申請をすれば交付を受けることができます。
付け加えるとすれば、遺言者が気が変わって謄本を破り捨てても原本が公証人役場に残っているので、遺言の撤回や新たな遺言をしなければ、遺言内容が変わることはないのです。
また、公正証書遺言の内容が気に入らない相続人が謄本を破り捨てたところで、遺言の効力にはなんの問題もありません。
原本は公証人役場に保管されるからです。
自筆証書遺言と秘密証書遺言の管理方法
一方で、自筆証書遺言と秘密証書遺言は自分で保管することになります。
この二つの遺言書の保管には最新の注意を払ってもらいたいのです。
なぜかといえば、紛失、廃棄、改ざんなどが行われる可能性があるからです。
自分で管理していると無くすこともあるかもしれません。
残念ながらどんなに大事なものでも失くしてしまうことはあります。
自宅の金庫に入れていても、カギを失くしたり、開け方が分からなくなることもあるようです。
また、年を重ねていくと記憶力も低下します。
どこに保管したかわからなくなることもあるのです。
遺言者の方が管理に自信がないということで、僕が遺言者との寄託契約を締結し遺言書をお預かりしていることもあります。
僕は金融機関の貸金庫に保管しています。
遺言書を自分で管理するようでしたら、自宅の金庫や金融機関の貸金庫を利用することもいいでしょう。
貸金庫は金融機関によって利用料金は違いますが、年間1万円から1万5千円前後で借りることができます。
また、遺言の内容を知った相続人が故意に破棄したり、改ざんしたりすることもあるかもしれません。
もちろん、そんなことをした相続人は相続人にはなれなくなります(相続欠格)が、廃棄されたり書き替えられた遺言書は元には戻りませんので、管理はしっかりしてもらいたいのです。
いづれにせよ、遺言書は書くことも重要ですが、遺言書が有効となるまで、すなわちあなたが亡くなるまではしっかりと管理もしてください。
自筆証書遺言の保管制度
平成30年に民法相続分野の改正がありましたが、その時に併せて新たに創設されたのが「遺言書保管制度」です。
遺言書保管制度は遺言者の申し出により法務局で自筆証書遺言を電子データと原本を預かるサービスです。
法務局で預かる自筆証書遺言は相続が発生したときに検認が不要となります。
封印されていない遺言書が対象となるので、申し出の際には封筒から出して、保管の申し出をする必要があるようです。
なお、対象となる遺言書は、民法第968条の自筆で作成した遺言(自筆証書遺言)で、封のされていない法務省令で定める様式(別途定められる予定)に従って作成されたものだけです。
遺言書保管制度は今年(令和2年)7月10日の施行予定ですが、手続きの詳細はまだ決まっていないようです。
手続きの詳細が決まりましたら当ブログでも案内します。
自筆証書遺言の作成が増加し、相続手続きが円満かつ円滑に進む案件が増えるのではないかと期待しております。
なお、今回の法務局での保管制度は、自筆証書遺言の様式の確認はされるので形式的に無効となることはなくなりますが、内容についてまで確認されるわけではないので、一般の方が自分で書いた遺言書は専門家にチェックしてもらうことは必須だと思います。
せっかく書いた遺言書ですから、内容に不備がないようにし、かつ保管もしっかりしてくださいね。
遺言書の保管制度については法務省のHPをご参考にされてください。
今日のJAZZ
自宅のリビングでジャズを聴きながらブログを書いてます。
サックス奏者ハンク・モブレーの《Remember》がご機嫌です。
モブレーのサックスの音色も洗練されてていいのですが、リズムセクションも落ち着いていていい。
それもそのはず、ピアノがウィントン・ケリー、ベースがポール・チェンバースにドラムがアート・ブレイキーと実力派のメンバーがそろっています。
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