沖縄のお金を融通しあうシステム「モアイ」も相続に関係する。

昨晩は那覇高校の同級生のモアイに参加。
会場は那覇市のホットスポット栄町市場近くの「琉華」(那覇市安里388-69)。
学校は違いますが、同じ年の同級生が営む店で、僕らのモアイの常連店になってます。
栄町市場付近は昔ながらの風情を残しつつ、新しい飲み屋さんが沢山あって夜はとても賑わってます。
小さな路面店や美味しい名物料理を出す店も多いので、ブラブラしながら飲み歩くのもいいかもしれません。
沖縄県那覇市の遺言・相続専門JAZZ好きの行政書士ジャジーこと城間恒浩です!

那覇市 栄町市場付近

モアイとは?

昨晩僕が参加したモアイですが、那覇高校の同級生で20年以上続いていて、僕は東京での国際協力関係の仕事を辞めて、沖縄に帰ったあと2006年頃から参加しています。

「モアイ」とは「模合」とも書きますが、友人、親戚、職場あるいは通り会の仲間が集まって、毎月またはある定期的な期間集まって、ひとりひとりが金銭を出し合い、その集まりの会の親が全額を受け取る。というような制度です。

例えば、モアイの参加者が12名で、1回あたりのモアイ金が10,000円だとします。
その場で集まるモアイ金は10,000円×12名で、120,000円が集まるわけです。
そして、その回の親となる人が、その120,000円を受け取るのですね。

これを12名のメンバー全員が受け取り終わるまで繰り返します。
この例ですと12名ですから、一巡りするまで、1年かかるわけです。

ここまでの説明を見てわかるとおり、結局は最終的に自分の出したお金は最終的に自分に戻ってきます。

過去のモアイの一こま

なぜ、モアイの制度は存在するのか?

では、なぜ、このような制度があるのか?

そこには「相互扶助」の精神があります。
沖縄の方言では「ゆまーる」がぴたりとくるでしょうか。

沖縄では、お祝い事や高級品を購入したり、他にまとまったお金が必要なときに、なかなか銀行からお金を借りられなかったり、大金を自分ひとりで工面するということが難しかったようです。

そんな時に、信頼できる友人や親戚、仕事仲間が一時的にお金を出し合い、相互に助け合ったことがモアイの成り立ちといわれています。
相手を信頼して助け合う、沖縄らしい制度なんですね^^

いまでは、その相互扶助の精神も残しつつ、定期的に仲間があつまる口実ともなっています。

学生時代の同級生、仕事場の仲間、親戚や通り会などの気の合う、そして信頼できる仲間同士が集まるモアイは沖縄の人たちの楽しい語らいの場となっています。

複数のモアイに参加している人も珍しくありません。

男性のモアイは圧倒的に飲み会をかねることが多いですが、女性の場合はランチ会や家で集まったりすることもあるようですね。

モアイの様子。高校時代の友人12名が参加してます。

モアイの金銭的な規模

そして、金額も幅があるようで、私たちのモアイは1名5,000円で、12名で回してます。

一度のモアイに参加すると、モアイ金5,000円、飲み代が二次会まで入れて4,000円から5,000円くらい、合計10,000円くらい財布に入ってれば間に合いますね。

でも、モアイの親となり、モアイ金を持って帰るときには、お酒に飲まれないようにしないとせっかくもらったモアイ金をすべて使い果たしたり、最悪、財布を落としてしまったりしてパーとなることもありますので、気をつけなければなりません。

私の知ってる経営者の方の集まりで、モアイ金が月に100万円入こともあると聞いたことがあります。

また、あるモアイではモアイ金の一部を積み立てており、その金額が2,000万円を超えているという話もききました。

さらに、モアイ金は小額で、その中からその場の飲み代や食事代をだして、負担を軽くしているモアイもあるようですね。

いろいろなモアイの形があります。

モアイは仲間との繋がりを大切にする制度

沖縄の新聞、琉球新報には「モアイ」を紹介するコーナーもあります。

私の参加しているモアイは、高校の同級生。
社会に出てバリバリ働く世代で、いろいろな業種についてます。
そのメンバーと一月に一度集まってワイワイお酒を酌み交わすのは楽しいことなのです。

モアイは、昔の相互扶助の精神を守りつつ、仲間とのつながりを大切にするための制度となっています。

僕の参加するモアイメンバーは12名で、その他お金のやり取りはしないオブザーバーが7名ほどいます。
そのうちFacebookを使っているのは僕を含めて半数くらいのみ。
SNSが発達する今日ですが、沖縄のこのようなアナログでの繋がりもいいもんですね。

そう言えば、広島や大阪でも同じようなシステムがあるとしりました。
全国的にこういったシステムがあるのでしょうね。

モアイの一こま

モアイ金も相続財産となる

僕の母親は72歳ですが、モアイをしています。
メンバーでは若いほうらしく、最高齢は90歳を超えているとか。

ただ、メンバーは高齢なので、やはり徐々に減ってきているようです。

モアイ金は、説明した通り相互扶助制度です。
自分がお金を出した分は、その期間が一巡すればつじつまが合うようになっています。

では、もしモアイの途中で亡くなった方がいたとしたらそのモアイ金はどうなるのか?

モアイ金も自分で拠出した分を将来的には、または既に受け取っているものです。
相続が開始した時に、将来もらえるであろうモアイ金は相続人(家族)が受け取る権利を承継しますし、既にモアイ金を受け取っていたのなら相続人(家族)はモアイ金を支払わなくてはなりません。

例えば、一口10,000円のモアイを12名が参加していたとします。

開始6か月目に、モアイメンバーのAさんが亡くなりました。

この場合には、モアイ金を故Aさんが受け取っていたかどうかで、プラス又はマイナスの財産として扱われます。

○故Aさんがモアイ金を受け取っていた ➡ 残り6か月分のモアイ金を相続人は支払う。または受け取ったモアイ金を返済してモアイから抜けた形をとる。 ➡ モアイ金がマイナスの財産となる

○故Aさんがモアイ金を受け取っていなかった ➡ 残り6か月間のモアイ金を支払うとともにどこかでモアイ金を受け取ることができる ➡ モアイ金がマイナスとプラスの財産となる

例に挙げたのは、モアイ金が小さいですから、もしかしたらモアイメンバーによっては、香典代わりにご遺族に請求するようなこともないかもしれません。

しかし、モアイ金の大きな場合には、そうも言ってられないでしょう。

モアイによっては、高額なお金が動くこともあり、例えば一口10万円で12名でしているモアイだと一度に120万円ものお金が行き来します。

ですから、自分の参加しているモアイやその金額の事は、ちゃんと家族に伝えておくか、モアイメンバーのうち数名の連絡先などを家族に伝えておくといいかもしれないですね。

モアイ金のせいで家族がとやかく言われることのないようにね。

今日のJAZZ

ここ数日はジャズのスタンダード《Summertime》を聴いていますが、今日はチェットの《Summertime》を紹介します。
僕の好きなミュージシャンの一人トランペッター、チェット・ベイカーの演奏は物悲しく、情緒があります。
でも、思ったよりも明るめに演奏するチェットの《Summertime》に夏の暑さを感じます。

【相続セミナー・説明会情報】

中学生でもわかるやさしい相続と遺言のはなし~幸せな相続の準備~説明会

【開催概要】
◇開催年月日:令和元年7月30日(火)
◇時間:10:00~11:45
◇定員:先着12名
◇参加費:2,000円(税込)/名
※当日、会場にてお支払いください

【申込方法】
◇電 話098-861-3953
◇メールお問合せフォーム
題名に「7/30セミナー参加申込」と入力お願いします

【会 場】
沖縄県教職員共済会館「八汐荘」3階小会議室
那覇市松尾1-6-1
駐車場有(説明会参加者無料)

詳細はここをクリック。

【ラジオ番組パーソナリティ】

「ジャジーのJAZZタイム×幸せな相続相談」FMレキオ(FM80.6MHz)
毎月第1および第3水曜日21:00~21:50放送中。
ご家庭のラジオなら那覇市と浦添市、カーラジオなら北は読谷村、沖縄市、南は豊見城市、与那原町まで聴けます。
スマホのアプリならFMレキオのサイトでアプリをダウンロードすると日本全国、世界中で聴けますよ。
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