著しく不公平で理不尽な遺言書は家族を困らせる。そんな場合には遺族には「遺留分」があるから覚えておいてください。
今日は僕が主催する第26回目の相続セミナーでした。
会場は自宅兼事務所から徒歩3分ほどの沖縄県教職員共済会館「八汐荘」。
お申し込みは3名さまでしたが、予約なしでご参加の常連さんがいらして4名様のご参加を頂きました。
今回のご参加者は常連さんを除けば、僕が相続セミナーのチラシを新聞折込している那覇市松尾、久茂地、泉崎以外の方々です。
新聞折込のセミナー告知ちらしは、これまで2年間にわたり毎月1,000部を配布してましたから、そろそろ飽きられてかな?
反応がなくなっているので、少し考えていきたいと思います。
一方で、何度もご参加してくださる常連さんもいらっしゃるので、ありがたい限りですね。
ほぼ同じ内容のセミナーなのに、毎回「勉強になるさ~」と楽しそうにお話ししてくださいます。
そんなセミナーの常連さんも遺言書を書く気持ちになられたようで、近いうちに面談することになりました。
しっかりサポートしていきたいですね。
こんにちは!沖縄県那覇市の遺言・相続専門JAZZ好きの行政書士ジャジーこと城間恒浩です!
相続人の最低限の相続する権利を守る「遺留分」とは
今日のセミナーでは「遺留分」について、質問が相次ぎました。
「遺留分」とは、遺産を相続する人(相続人)の最低限の相続する権利を守る制度で、法律で定められています。
遺留分が問題になるのは「遺言書」がある時なのですが、分かり易く極端な例で説明します。
例えば、亡くなったお父さんが遺言書を書いていました。
遺産は不動産も含めて4,000万円です。
ご遺族(法定相続人)は妻と子供3名の合計4名。
しかし、その遺言書に問題がありました。
遺言書には、こう書かれていたのです。
「遺言者沖縄太郎は、全ての財産を友人の琉球華子に遺贈する。」
遺贈するという表現は、「相続人」以外に財産を遺すときに使われるものです。
どんないきさつがあったか分かりませんが、なぜ、遺言者の沖縄太郎さんは友人の琉球華子さんに全ての財産を遺そうと考えたのでしょう?
いずれにしても、妻や子供からすると青天の霹靂、びっくりすることでしょう。
それと同時に、妻や子供の今後の生活にも影響が出る可能性があります。
そんな時に、相続人の権利を保障する制度として「遺留分」があるのです。
このケースでは、亡きお父様の遺言書が、ご家族の遺留分を侵害しています。
ご家族は琉球華子さんに遺留分を侵害している部分について「遺留分減殺請求」をすることで、最低限の相続分を取り戻すことができます。
「遺留分」を侵害されていることを知った人は、遺留分を侵害している人に請求しないと取り戻せないのです。
しかし、このような場合でも、全額ではなく、一部なのです。
遺留分は・・・
第一順位の相続人である直系卑属(子や孫など)と配偶者が含まれる場合には、相続財産の2分の1
第二順位の直系尊属(父母や祖父母など)のみが相続人の場合には相続財産の3分の1
と定められています。
ちなみに、兄弟姉妹には遺留分は認められていないのです。
上の例を図で示すと次の通りになります。
相続財産が4,000万円。
遺留分は、配偶者と子供が含まれるので、相続財産の2分の1の2,000万円になります。
その2,000万円を法定相続分で分割すると妻が2分の1の1,000万円で子供3名が333万円づつを分け合うことになります。
お父さんの遺した財産は、お母さんの支えがあって築いてきた財産かもしれません、その財産を上の例ではお父さんの友人とは言え、赤の他人の琉球華子さんに相続されるのは、ご家族としては納得いかないでしょう。
その上、琉球華子さんとお父さんはどんな関係にあったのか?など疑念は深まるばかりですね。
できれば、こんな遺言書を書いては欲しくないですが、どうしても家族以外に財産を遺したい人がいるのであれば、相続人の最低限の相続する権利である遺留分にも配慮した上で、ご家族が納得するような理由を付言事項に書いてほしいですね。
しかし、それでも上のような例では紛糾するのは間違いないでしょうね。
せっかく残した遺言書がかえって争いの種になるような内容は避けてほしいと思います。
遺言書は万能ではない
遺言書は遺言者(故人)の最終意思ですから、最大限尊重されるべきだと思います。
しかしながら、著しく不公平であったり理不尽な遺言書は、ご遺族も受け入れられないことがあるかもしれません。
そのために、遺留分を侵害する遺言は、遺留分減殺請求をすることで救済されるようになっているのです。
確かに相続財産は故人の固有の財産であり、その財産をどう処分するかは故人の自由ではありますが、家族制度が確立された日本においては、一定の制限もなされているのです。
また、逆を言えば第三者、赤の他人などに遺贈する場合でも、遺留分に配慮した遺言書は有効ともなりえるということです。
自分の亡き後のご家族の生活が困らないようにするためにも遺言書を書く時にはお気を付けくださいね。
今日のJAZZ
サックス奏者のソニー・ロリンズは作曲者としても数々の曲を残していますが、僕が聴いた中で面白いなと思ったのが《Airegin》(エアジン)です。
曲自体も面白いのですが、この曲名はアフリカの「Nigeria」(ナイジェリア)を逆から綴ったものです。
当時はこんな感じの言葉遊びもよくされていたようですね。
今日はマイルス・デイヴィス・クインテットの《Airegin》を紹介してます。
軽快で楽しくなる演奏です。
【相続セミナー・説明会情報】
「中学生でもわかるやさしい相続のはなし ~幸せな相続の準備~ セミナー」
【開催概要】
◇開催年月日:平成30年6月27日(水)
◇時間:午前10:00~11:45
◇定員:先着12名
◇参加費:2,000円(税込)/名
※当日、会場にてお支払いください
【申込方法】
◇電 話098-861-3953
◇メールお問合せフォーム
題名に「6/27セミナー参加申込」と入力お願いします
【会 場】
沖縄県教職員共済会館「八汐荘」3階小会議室
那覇市松尾1-6-1
駐車場有(説明会参加者無料)
【ラジオ番組パーソナリティ】
「ジャジーのJAZZタイム×幸せな相続相談」FMレキオ(FM80.6MHz)
毎月第1および第3水曜日21:00~21:50放送中。
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