生前贈与による財産の移転を考えるなら注意すべきこと

最近は生前に財産を子供たちにあげておきたいという方も増えてきているようです。
相続を待たずに、元気なうちに財産を移転し、子供たちに有効活用してもらおうということです。

当事務所にも不動産の贈与に関するご相談やお手続きの依頼が多いです。

父母又は祖父母が持つ土地や建物を子や孫に生前贈与するのです。

なお、生前贈与の対象となる財産は不動産に限らず、現金、株式、宝石、宝飾品、美術品、骨董品やその他の動産などもあります。

不動産の贈与についての注意点は以下の通りです。

(不動産の贈与に関しての注意点)
①不動産贈与契約書を作成すること

②贈与税について検討すること
③所有権移転登記の際に必要な登録免許税について考えること
④不動産取得税について見落とさないこと
⑤相続人への贈与は相続開始時に「特別受益」になること

※①、②及び③については、不動産以外の贈与の際にも注意が必要で

不動産の生前贈与には財産のスムーズな承継に加え、若い世代の「住」の充実を図る目的もあると思います。
若い世代にしてみれば、高価な買い物である不動産を両親や祖父母から譲り受けることができることは、とても助かるのではないかと思います。

最近では沖縄でも土地の高騰や建築資材の高騰により、若い夫婦が家を建てるにも多くの資金がいりますから、土地だけでも贈与税やその他の税金を納税してでも、贈与を受けるというのは大変助かると思います。

父から子への不動産の贈与

不動産の贈与

ただ、贈与については、多額の贈与税がかかることや不動産の贈与の場合には、不動産取得税や登録免許税などの税金も高額になる場合がありますので、不動産の贈与をお考えの場合には、まずは専門家にご相談してください。

贈与をした後に想像だにしなかった多額の税金を納めないといけない事態になる可能性もあります。

一方で、国も若い世代への財産のスムーズな移転を促進するために、贈与に係る税金の優遇制度などを作り、支援しています。
相続で所有者が不明になるような状況も多々ありますし、若い世代に財産価値の高い不動産を所有してもらうことで経済の活性化も狙っているようです。

贈与は通常年間110万円までが非課税ですが、相続時精算課税制度を選択すると、贈与時においては2,500万円までの不動産を含む財産が非課税になる贈与税の特例制度もあります。

また、都道府県税である不動産取得税については、贈与時に土地の価格を2分の1として計算する軽減措置もあります。

当事務所でも税理士と連携して、不動産の贈与をスムーズに安心して行えるような体制を整えています。

この先も増えてくるのではないかと思います。

親から子へのスムーズな財産の承継には欠かせない制度でしょう。

草原の家

生前贈与は不公平感を生むこともある「特別受益」や「遺留分」にも注意

一方で、生前に贈与した財産については少し気を付けなくてはならないことがあります。
贈与は当事者同士の同意で、財産の所有権が移転します。

ただし、贈与者が亡くなり、相続人のうち贈与を受けた者は、その財産は相続が開始した時に「特別受益」として扱われ、贈与された財産も相続財産の一部として、具体的な相続分を決めることになります。

特別受益として扱われる財産は共同相続人のうち被相続人から・・・
○遺贈を受けたもの
○婚姻のために贈与をうけたもの
○養子縁組のために贈与を受けたもの
○生計の資本のために贈与を受けたもの
が特別受益として相続財産とみなされます。

ここでいう財産は、現金、不動産、動産、有価証券などです。

例えば、長男が父親から土地や家を生前贈与受けていたとするとその財産が特別受益となることがあるのです。
他の兄弟姉妹からすると父親の相続財産のほとんどが長男が生前に贈与を受けた土地や建物は本来なら相続財産になるはずであったのに、既に贈与されていて、相続が開始した時に相続財産とならないとなると、遺産分割協議の際に不公平感が出る可能性があります。
不服に思う兄弟がいれば、長男が父親から贈与を受けた財産を特別受益として、遺産の分割方法を話し合うことになります。
ここで、生前贈与を受けた生前贈与を受けた財産については考慮しないことを主張すると他の相続人は面白く思わないこともありますので、遺産分割協議は紛糾する可能性があります。

なお、上記の例では長男の特別受益を考慮した遺産分割協議がなされると、長男は遺産分割協議では、贈与された不動産以外の財産を取得できないこともあります。

ですから、不動産などの大きな財産を生前贈与する場合には、相続開始時のことも考慮して、準備しておかなければならないのです。

ちなみに、贈与者が遺言書に「特別受益の持ち戻し免除」について言及した場合には、原則としては、生前贈与があっても特別受益として考慮されることはなくなります。

なお、贈与に関しては、相続人の相続する最低限の権利である遺留分の問題もありますので、お気を付けください。

なんにせよ、生前贈与は後々の相続人間の公平性の問題も出てきますので、生前贈与もバランスを考えないといけないのですね。

生前贈与の際には、お近くの専門家にご相談ください。

天秤

贈与は相続に関係したりしますので相続人間のバランスも考えなくてはならないですね

関連ページ

「相続」について知りたいという方は、「相続」のページをご覧ください。

「相続問題・争いの予防策」については、「遺言」のページをご覧ください。

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城間 恒浩

代表者行政書士ジャジー総合法務事務所
沖縄県那覇市松尾の遺言・相続関係専門のJAZZ好きの行政書士。 2010年に父親と祖母を同じ年に亡くし2度の相続を経験。 その時に感じたのが「気軽に相続や遺言に関する相談先があったらいいのになぁ」ということ。 そんなことから、身近な街の法律家、遺言・相続専門の行政書士として、自分の経験や学んだ知識で相続でお困りの方のご相談にのっています。 行政書士は遺産分割協議書や遺言書作成などの相続関係のお手伝いもできるのです。 1971年9月生。国際協力関係の仕事に約11年間、社会保険労務士の事務所で約10年勤務後、2015年10月より現職。 エクスマ塾67期。エクスマ・エヴァンジェリスト15期。エクスマ学院1期。 JAZZが大好き。好きな場所は、沖縄とニューヨーク。 2016年9月よりラジオ番組パーソナリティーとしても活躍中。お気軽に「ジャジー」と声をかけてください!